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【Story of Life 私の人生】 第83話:初めての派遣

こんにちは、木原啓子です。
Story of Life 私の人生 
前回は、 第82話:簿記検定までの道のり をお送りしました。
今日は、初めての派遣のお仕事についてお話をしようと思います。

簿記検定が終わると直ぐに、派遣会社に登録した私。
すぐに仕事が来るとは思っていなかったから、登録した翌日に、夜勤明けの旦那さんと千葉で待ち合わせて、一緒に御宿の海を見に行き、「月の砂漠」で1日ぼーっと海を眺めて過ごし、夜7時ごろ家に戻ると直ぐに派遣会社から電話が来ました。
「紹介したい仕事があるから、明日面接に行けますか?」と言うではありませんか!
仕事の内容を聞くと、修理サービスセンターの事務ということで、主に修理受付、修理記録のコンピューター入力、部品の棚卸しとのことで、期間は最低6ヶ月で、延長の可能性ありとのこと。翌日からヒマな日々が待っているし、断わる理由もないから翌日派遣会社の方と一緒に修理サービスセンターに面接に行き、その日のうちに翌週からの就業が決まりました。

派遣社員として初めての仕事なのですが、アルバイトと何がどう違うのかよく分からないまま、初日を迎えました。
職場は、王子造幣局の前にある修理サービスセンターで、店頭での修理受付の他に、出張修理があり、管轄は台東区、荒川区、文京区、北区でした。
事務は正社員の女性3名、パートの女性が1名いらっしゃいましたが、正社員の女性1名が結婚退職することによる欠員補充ということで採用されたのだということが分かりました。
その方は6月末日で退職なので、引き継ぎ期間は2週間だけ。
1番の古株さんだったから、彼女の仕事をしっかり引き継げるのかと、かなり緊張したことを覚えています。

私の契約は、原則として朝9時から夕方5時半まででしたが、修理サービスセンターの営業時間は午後7時までということで、これまでは正社員の女性3人でシフトを組み、定時退社、6時退社、7時退社の当番制となっていたことが分かりました。
また、毎朝お店を開ける前に朝礼があるので、8時45分までに出勤する必要があることも分かりました。
サービスセンターは土曜日も通常営業していたのですが、女性は土曜日出勤もシフトの当番制となっているとのことで、2名が出社で定時と7時退社、2名がお休みでした。
初日にマネージャーさんと面談があり「シフト当番に入ってもらうことは出来るか?」と聞かれました。
仮に夜7時まで仕事をしたとしても、プログラマー時代に比べるとずーっと早く終わるので、快諾しました。
女性の仕事は、朝の朝礼後に男性社員へのお茶出しから始まり、事務所の休憩室とトイレの清掃、給湯室(台所)の整理整頓と茶碗洗いも含まれており、これらも当番制となっていましたので、当番の日は8時15分を目処に出社することが暗黙の了解となっていましたが、これは「勤務時間」に含まれず、あくまでも「サービス業務」、今の時代では考えられませんね(笑)

家から職場までは、最寄り駅までバス⇨東武東上線で池袋⇨山手線で田端⇨京浜東北線で上中里⇨駅前の急坂を登って徒歩15分ということで、家から1時間15分くらいの道のりだったので、当番の日は7時前のバスに乗らないと間に合わず、出勤は結構大変でした。

業務そのものは7割位が電話での修理受付応対で、相手の顔が見えない状態でお話を伺うという、結構大変な仕事でした。
機械が故障したということにお怒りの方も多くて、また土地柄「カタギではない」方も多く、クレームにならないように上手く対応する必要がありました。

サービスマンが客先に行くことで「出張費」が発生するため、仮に修理可能な場合でも、テレビのブラウン管交換や、ビデオの基盤交換になりそうな場合は、新品を買う方が圧倒的に安くなるケースが多々あり、その辺りも合わせてお客さんに説明して、出張修理の依頼をするかどうかの判断をしてもらうことが求められていたので、故障状況のパターンを覚える必要がありました。
高校の時放送部に所属していたこともあり、音響機器についての興味は人一倍あったこともあり、社員のサービスマンから沢山教えてもらうことが出来ました。

残り2割の仕事は、前日の修理伝票を、午前中の締め切り時間前までに会社のオンラインシステムに入力することでしたが、コンピューターは1台しかないので、こちらも当番制でした。
入力作業そのものは、財団の事務局の会員名簿管理や、プログラマー時代に自らプログラムの入力をしていたので、全く抵抗無かったです。

それ以外の仕事は、たまに店頭に来るお客さんの対応と、毎日のレジ集計。
それに毎月1回行われる、修理部品の棚卸しでした。
仕事そのものは、クレーム対応など辛い時もあったけど、新しく覚えることが沢山あり、また今までやってきた仕事とは「毛色」が全く違うので、とても楽しかったのですが…
一つだけ、面倒なことに巻き込まれました。

私の前任者が退職した後は女性4人になったのですが、2人は正社員、1人はパートさん、私は派遣と、雇用形態が全く違うのに、やっている仕事は全く同じでした。
パートさんは、私よりひと回り位年上のお姉さんで、ここのセンターで5年目の古株さんだったのですが、パートさんの時給と、派遣の私の時給が倍近く違っていて…
時給の違いからパートさんの逆鱗を買ってしまったようで、かなり「嫌がらせ」に近い扱いを受けてしまいました。
本来なら「当番制」になっている筈の、朝当番、オンライン入力当番、7時までの残業は、殆ど全部私に回って来るようになりました。
パートさんの言い分は「あなたは、時給が私の倍なんだから、仕事も倍やって当たり前」
正社員の女性2人は、新卒1年目と2年目だったから、完全にパートさんの言いなり状態で、自分に「火の粉」が回って来ないよう、彼女に反論することは一切ありませんでした。
まぁ、彼女の言うことさえ聞いていれば、朝早く会社に来る必要もないし、夜7時までの残業もしなくて済むということもあったからかもしれません。
何だか「理不尽だなぁ」と思いましたが、「お局様」に反論しても何の解決にならないし、プログラマー時代の勤務形態を考えると天国状態。
まぁ時給に関して文句言うなら、自分も「派遣契約」にすれば良いじゃんと思っていましたが、あえて言いませんでした(笑)

意地悪されていたとはいえ、仕事そのものはとても楽しかったし、毎日7時まで「当番」で会社にいるから、社内修理のサービスマンだけではなく、出張修理から戻ってくるサービスマン達とも仲良くなることが出来ました。
仕事で分からないことがあると、サービスマンの皆さんが丁寧に教えてくれましたし、お店を閉めてから一緒にご飯を食べに連れて行ってもらったり、「おやつだよ」と、お土産を買ってきてくれたりするようになりました。
また、夜7時までの稼働については「残業代」として、しっかり支払ってもらうことが出来たので、収入的にもかなり助かりました(笑)

翌年の3月に入ると、「4月から新卒採用の社員が配属されることに決まった」というお話がありました。
私の契約は4月末までで、丸1ヶ月間で新入社員の教育をするようにという業務命令がありました。
9ヶ月半で、他の方よりも長時間働いたこともあり、本当に沢山のことを覚えることが出来たので、手の空いた時間に、私がこれまでに学んだこと全部をマニュアル化して、新入社員にしっかりと引き継ぎをしました。
そして最後の週は、サービスマンの方達が、お店を閉めた後に毎日「お別れ会」を開いてくれ、とても嬉しかったです。

契約満了が決まり、次の仕事を考える必要が出てきた訳ですが、せっかく頑張って簿記2級まで取得したのだから、次の仕事は絶対に「経理」をしたいと思い、4月中に他の派遣会社にも登録しました。
そして4月30日に無事に契約満了、ここで私の初めての派遣のお仕事は終了となりました。
意地悪された事は残念だったけど、一方では、そのおかげで身につけたこともかなり多く、結果として良い思い出と経験だったと思います。

ゴールデンウイークは、完全にフリー!
みんなも仕事が休みだから、集団会仲間8人組で箱根の温泉1泊旅行に行ったりして楽しく過ごしました。
そしてゴールデンウイーク明けの初日、新規に登録した派遣会社から「紹介したいお仕事がある」と電話が掛かって来ました。

赤坂見附にある「上場企業」でのお仕事の紹介でしたが、経理ではなく営業事務とのこと。
請求書を出したり、売掛金の処理があるから、経理の知識が必要とのお話しだったのですが、何となく「気乗りしない」状態でしたが、翌日、派遣会社の担当の方と一緒に面接に行き、お話を伺いました。
でも、先方の希望と私の希望が全く噛み合っておらず、結果的にご縁はなく、双方ともに「お断り」の状態になりました。

その後、派遣会社の事務所で、他の仕事の候補を探すことになりました。
その時、他の方が電話で打診しているのが聞こえてきたのですが、その会社に「ピン」と来ました。
そば耳を立てて聞いていると、社員10名以下の零細企業、しかも設備営繕業ということで、誰も面接に行きたがらなかったようなのですが…
他の方への電話の内容が耳に入ってきただけだなのだから、私から「あれが良い」とは言えません。
1時間くらい経った時、ついにその仕事についての打診が私に回ってきて、心の中でガッツポーズ!
メインの仕事は「経理」だけど、事務は1人しかいないので、求める人材は、それこそ「何でも屋」です。
業種は「設備営繕」だから、掛かってくる電話はちょっと前まで働いていた修理サービスセンターと似ているし、トイレ掃除やお茶出しも一緒。
また修理用の部品も沢山(家電よりは随分大きいけど)ある。
母の実家が水道屋だから、どんな感じかはよく知っている。
まさに「全てのピース」がハマったという感じでした。
翌日面接に行き、直ぐに採用が決まり、その翌日から働くことになりました。
ここから、私の「経理」人生がスタートしたのでした。

結果として、この会社には、派遣で9ヶ月、その後正社員に登用され、合計で6年半働き、ここでも、沢山の経験と思い出がありました。
次回、詳しくお話ししていこうと思います。

〜続く

今日はここまでです。
次回は、第84話:事務員さん に続きます。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
またお会いしましょう♪

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