[イタリアンな書籍②] イタリア半島「食」の彷徨
[イタリアな書籍①] に続き、書籍について語っておく。今回は、私のイタリアン好きに決定的な影響を与えた書籍である。
この書籍、私(と妻)と共にイタリアに渡航して帰って来た経緯がある。しわが入ってヨレヨレになっているのは、その際に水に濡れる事故があったためである。そんな思い出も含めて、私が本当に大好きな書籍のうちのひとつである。
書籍タイトルは、2000年に小学館で文庫化されたモノで、その前に「私が食べたイタリア料理」というタイトルで1992年にソニーマガジンズから出版されていたようだ。(その事実を知らず、西川 治 さんの著書だと言う事で古本を買ったら同じ内容だった)
全編にわたり、文体も良く素晴らしいエッセイ集なのだが、私が好きな理由の根源が端的に書かれている箇所は、この本の「まえがき」かと思う。
著者のこの視点は、他の料理写真集などにも一貫している印象がある。日本と緯度を含めた国土条件が似ている上に、料理も「健全」でシンプルである点で共通項があるというか親近感が持てる。過去の記事で、イタリア料理の真骨頂はシンプルさである旨書いてきたが、西川さんの作品も主張にその原則が貫かれているように思う。
その他、どの章も軽快に読めて、見どころを挙げればキリがないが、ひとつだけ紹介しよう。それは、「モッツァレラ」である。
この本をイタリア渡航に持っていったのは、「渡航先がナポリ&シチリアであったから」というのが大きな理由のひとつなのだが、その該当箇所であり、私が「モッツァレラ」を目にしたり考えたりした際に間違いなく思い浮かぶのが、第2章 アンティパスティ/『白の清艶・モッツァレラの前菜』である。
この書籍を読む前も、モッツァレラ・チーズというものがあってピッツァとかに使われているという事ぐらいは認識していたが、この文章を読んだ時のインパクトは相当なものがあった。
で!
2005年05月にナポリに行って、まさにその日のうちに食べたのである。(残念ながら、事故でその時の写真は喪失)
代わりに、書籍の写真を拝借すると、こんな感じ。ほんとに、こんな感じで、デン!と置かれて出て来るのである。
で、とにかく美味しいのである。何度思い返しても素晴らしい。ナポリ駅そばの宿泊したホテルの1F併設のレストランだった。その他、海の幸のリングイーネと海の幸のリゾットを食べて、それらも美味しかった。(それ以上は、日本人には多すぎる、とカメリエーレに止められた。)
日本では、なかなかこんな感じで「デン!」と出してくるところ少なかったのだが、オービカ・モッツァレラ・バー(2008年に東京・六本木に日本1号店)の存在を認知してから、それらしく食べられるのだということはわかり、何度か食べた。下の写真は、横浜店で食べた時。
まあ美味しいんだけど、値段が高い!それに、たぶん現地とは鮮度が比較にならない。記憶の美化もあるのだろうが、「ナポリに行ってモッツァレラ食いてぇ〜」というのは、定期的に心の中に持ち上がる思いで、間違いなくこの書籍の影響である。
書籍の紹介というより、私のモッツァレラ愛について語る文章みたいになってしまった・・・
今後の記事でも、この書籍を引き合いに出すことは多くなるかと思うので、ひとまず取り上げておいた。
うおっと、2000字オーバー。書籍&モッツァレラ愛が出過ぎたようだ。
次は短くサッと書こう・・・(毎回そう言っているが長くなる)
次回は、パスタに戻る。
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