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子供の発達過程3

「発達過程」という言葉をご存知ですか?子供の身体と心が、どのように育ていくかを大まかに示したものです。保育士などの資格取得の際には必ず勉強する科目です。
母親学級では教えてもらえない「発達過程」
先日の記事に引き続き、今回は1歳3ヶ月頃までの心の発達過程についてお伝えします。

【愛着と人見知り】


6か月頃には身近な人の顔が分かり、あやしてもらうと喜ぶようになります。愛情を注いでくれる身近な大人とのやり取りを盛んに楽しみます。そして、これまでに芽生えた特定の身近な大人との愛着関係が更に強まり、この絆を拠りどころとして、徐々に他の周囲の大人に興味を持ち、働きかけをします。
この頃には、初めての人や知らない人に対しては、泣いたり、人見知りをするようになりますが、人見知りは、特定の大人との愛着関係が育まれている証拠といえます。

【言葉の芽生え】


この時期は、声を出すなど、自分の意思や欲求を、喃語や身振りなどで伝えようとします。こうした喃語や身振りなどに対して、身近な大人が子どもの気持ちを汲み取り、それを言葉にして返すなど、応答的に関わるようにしましょう。そうすると、子どもは大人の声や、やり取りを心地よいものと感じるようになります。そして、徐々に簡単な言葉の意味することがわかってくるのです。このような大人とのやり取りが言葉によるコミュニケーションの芽生えとなります。
また、子どもは生活の中で、応答的に関わる大人と同じ物を見つめ、同じ物を共有することを通し、盛んに指さしをするようになります。自分の欲求や気付いたことを大人に伝えようと指でさし示しながら、関心を共有し、その物の名前や、欲求の意味を徐々に理解していきます。それはやがて言葉となり、一語文となりますが、その一語の中には子どもの様々な思いが込められ、身近な大人との対話の基本となります。
例えば子どもが発する「マンマ」という言葉は、母親などへの呼びかけで あるとともに、「マンマ食べたい」という欲求であったりします。子どもは一語文に言葉を添え、応答的に関わる大人の気持ちを敏感に感じ取りながら、伝えたい、聴いてもらいたいという表現意欲を高めていきます。

【離乳の開始】


 この時期は、離乳が開始され、母乳やミルクなどの乳汁栄養から、なめらかにすりつぶした状態の食べ物(離乳食)を経て、徐々に形のある食べ物を摂取するようになります。そして、少しずつ食べ物に親しみながら、また咀嚼と嚥下を繰り返しながら、幼児食へと移行していきます。
1歳から1歳6か月頃になると、自分の手で食べたいという意欲が芽生え、食べ物に手を伸ばして食べるようになります。このことは、食べ物を目で確かめ、感触を確かめ、手でつかみ、口まで運び、口に入れるという、目と手を協応させる力が発達してきた証しともいえます。
離乳食による栄養の摂取は、生命を維持し、健康を保つためには欠かせませんが、子どもが楽しい雰囲気の中で、喜んで食べることが大切です。様々な食品に慣れ、食材そのものの味に親しみ、味覚の幅を広げながら、子どもは自分で食べようとする意欲を高めていきます。

子供指差しに、笑顔と言葉を添えるあなた。離乳食、全身を使って食べる姿を、優しく見守るあなた。そのすべてはお子様の成長の糧になっています。
次回は1歳3ヶ月〜2歳未満頃の成長についてお伝えします。
「専門知識」である「発達過程」を学び、子育てを安全に健やかに、そして心に余裕を持って楽しみましょう。


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