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子どものために

子どものために離婚しない夫婦。

昔は、それって違うって思ってた。

両親が不仲なのに、子どものために一緒にいるっていうの
子どもからしたら迷惑だよなって思ってた。

だけど、まだ中学生になったばかりの娘は、仲が悪くても一緒にいてほしいと思ってる。
仲が良い時代も知ってるから、希望もあるんだと思う。


私が、もう我慢しなくて良いんだと思い、離婚を決意したのは
高校生のお兄ちゃんの一言があったから。

子どもの目の前で、些細なことから夫婦喧嘩に発展してしまった時に

「だから本当にお前のことが嫌いなんだよ!離婚だ!離婚!!!」

両親が他界してから、夫は“離婚”という言葉を頻繁に口にするようになった。
帰る実家が無くなってしまった今、それを言うのは卑怯だし、恐怖でもあった。

「そうやって喧嘩するたびに、離婚って言われることがどれだけ怖いかわかる?出ていきたくても出ていくお金もない。だから、我慢するしかないって人の気持ちがあなたにわかる?出ていくお金があるならとっくに出ていってるよ!!だけど、どんなに言われても今は出ていけないの!まだ中学生の娘ちゃんの環境を変えるのも親の身勝手で無理なの!出て行くためにあなたから自立しようと頑張ってるの!!準備ができたら出て行くからそれまで我慢してください!!!」

泣きながら思いついた言葉を羅列しただけ。だけどようやく私にも離婚する意思があることを言えて、スッキリした。
もう我慢するのはやめようと思った。


夫は、なぜか謝って部屋に帰った。

娘は、耳を塞いで泣きながら部屋に篭った。

子どもの前で喧嘩してしまい、申し訳なくて涙が止まらなくなった。

全てをみていた息子に

「こんなの見せてごめんね」って、謝ったら

「母さん、今まいにち楽しそうだし、妹がもう少し大きくなるまで頑張ってお金稼いで、準備ができたら自分の人生生きたら良いんじゃない?俺も少し前なら離婚してほしくないって思ってたから、妹の前で喧嘩するのはやめた方が良いし我慢した方が良いと思うよ」

自分も数年前までは、どんなに仲が悪くても離婚してほしくないって思ってた。けど、今なら理解できるよっていうようなことを話してくれた。

まだ高校生なのに、大人だなぁと思う。
こんな風に、人の気持ちを理解して言葉にできるようになってくれた息子には感謝しかない。


そして、思春期真っ只中の娘。
親として、今私がやらなきゃいけないことは
自分の人生を生きることより、娘のお母さんとして生きること。
それが何より最優先だと思った。

夫は、悪い人間でもダメな人間でもない。
父親としては、申し分ない人。

息子は、反抗の全てを夫に向けているけど
心の中では、感謝しているはず。
息子のことだからいつかきっと夫にも
感謝を言葉にできる日が来ると思う。

それは、自分は両親に愛されているという確信が持てているから。


だから、娘にも。


娘が、自分は両親に愛されているんだと
自信が持てるようになるまで頑張ろう。





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