記憶と記録
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右は、父が愛用していたNikon。
私が子供のころ、写真を撮るのが趣味の父の傍には、いつもカメラがあった。
父が亡くなった時、遺品の整理をしていた母が「こういうの売れるのかな?」と、引き出しにしまってあった大量のカメラやレンズを処分するか迷っていたので「コレだけ欲しい」と、昔、愛用していたカメラだけは、自分の手元に残した。
サラリーマンだった父は、私が小学生の頃
趣味の延長なのか、写真屋さんを始めた。
お店は母が切り盛りしていて、私はお店に遊びに行くのが大好きだった。
高校生の頃は、インスタントカメラ絶頂期。
写真屋だもん、「写ルンです」なんて、いくらでも使いたい放題!
店番を頼まれた時には「ラッキー🙌✨」とばかりに、友達をお店に呼んで「モデルごっこ」と称して、写真を撮っては現像してを繰り返し、随分と楽しませてもらったな。
デジタルカメラ時代になったタイミングで写真屋さんは辞めちゃったし、父もその頃から写真を撮らなくなった。
だけど、今でもフィルムの感触や、現像する時の音や液の匂いは鮮明に覚えてる。
匂いや音の記憶ってすごいよね。
母が亡くなり、実家を処分する時に、父が撮り溜めた大量の写真が出てきた。
その写真を眺めていたら、父は人物の写真を撮るのが好きだったんだと気付いた。
父のことは苦手だったし、あまり好きでは無かった。
自己中心的で自分の言う事が絶対な父の事が全く理解できなかったし、理解しようと思う事なんてなかったけど、
亡くなってしばらくしてから、急に父のことを理解したいなと思うようになった。
沢山のことを思い返す中で、自分の好きな部分は父から譲り受けたもので、父は私の中で生き続けているんだなと感じざる負えなくなった。
「写ルンです」の時代から。写真を撮って記録に残すのが趣味で、それはデジカメでもチェキでも一眼レフでもガラケーでもiPhoneでも。
その時の自分の環境に合ったモノで、数えきれないほど撮ってきた。
子どもたちも大きくなり、一人で出かける事が増えた近頃。
ずっとぼんやり探し続けていたカメラ。
きっと今の私は出かける理由が欲しいんだと思う。
どれを買うのかなんて、情報がありすぎて
もう「選べなーい!!」って、なった時。
ふと、父のカメラのカバーを外してたら、このNikonのカメラが出てきて
「うん、やっぱりこれだ!」と、ポチった #zfc
届いて、さっそく並べてみたら。
これから自分が残していく記録を想像して、ワクワクが止まらなくなったんだよ。
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