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視点は「切り替える」よりも「ほぐす」をおすすめする理由

いま、自分のホームページをリニューアルしようとしています。

デザインや制作する部分はプロにお任せして、私が内容や文章を考える、という分担で進めているところです。

そのデザイナーさんがちょうど、私がサービスを届けたいと考えている人の属性に近いため、私の表現でわかりにくいことなど忌憚なくフィードバックしてもらっています。

そこで痛感しているのは、自分の思いのたけを思うがまま発信するだけでは、伝わってなかったし届いていなかったんだなということです。

なぜこのようなことが起きていたかというと、私の視点が凝り固まっていたことが理由でした。

こんなことがあったので、今回は、凝り固まった視点をほぐすことについて書いていきます。

お伝えしたいのは、特に人生経験を積んだ大人ほど、視点は「切り替える」よりも「ほぐす」ことをおすすめしたいということです。


視点が凝り固まったのは、思いこみによるものだった

いまのホームページは、Wordpressでいつでも自分で編集できるので、思いや考えを思うがままに書いていました。

もちろん読み手にとってわかりやすくしたいと思っていたので、専門用語を使わないようにしたり、噛み砕いて説明したりする、みたいなところは十分注意はしていたんです。

でも、いまのホームページについてデザイナーさんからは「今の文章は長くてポエムっぽい」というフィードバックをいただきました(がーん)

本当は私は、長すぎる文章は伝わりにくいことはもちろん知っています。そしてビジネスパーソンがメインのお客様なので、端的にわかりやすく伝えたいと考えていたんです。それなのに、そうなってなかったと知ってショックでした。

でも、言ってもらって本当によかった。自分では気づけなかったからです。

補足すると、ポエムのような文章がよくないということではありません。意図して書いてるならならぜんぜんいいのです。
私の場合は、そうしたくなかったのに知らないうちになってしまっていた、ということなんです。

で、ですね。

なぜ頭ではわかっていたことなのに、こうなってしまったんだろうと振り返ると、私が自分の発信についてある思い込みをしていたからでした。それは「自分の考えていることを伝えるには、自分の言葉で、ありのままを表現するのが一番。だって自分のホームページだもんね」というものでした。

読み手のことを意識はしていたけれども、自分の思いを伝えたい思いが勝ってしまい、視点が偏っていたのです。その結果、文章が長くなりすぎたり、
世界観を表現したくて、自分にしかわからない表現になってしまっていたんですね。ずっとひとりでホームページを運用していたので、自己満足の世界に入りこんでしまっていたのだと思います。

私と同じような価値観の人には伝わっていたのだと思いますが、今回のデザイナーさんのように、異なる価値観を持つ人にとっては、伝わっていなかったのです(再びがーん・・)

視点が偏り凝り固まる理由

このように視点が凝り固って、望まない現実を生み出す理由の代表的なものをお伝えします。

1、確証バイアス
自分の信じていることに対して「こうに違いない」と強く思い込むことで、他の視点が見えなくなってしまう状態です。今回の私がまさにこれでした。

2、経験の蓄積と思考の省エネ
同じことを長くしていると、経験値が積み上がっていって、「こうやればうまくいく」というパターンがつくられていくものです。これ自体は学習効果なのでいいことなのですが、一方で、あえて新しい視点で違うやり方を取り入れるのには労力がかかるため、慣れ親しんだ思考・行動パターンに頼りがちになります。その結果、視点が凝り固まっていく一因になります。

3、認知的不協和の回避
「認知的不協和」
とは、自分の信念に反する情報に直面したときに感じる、心理的な不快感のことです。人は本能的にこの不快感を避けようとするため、不快を避け続けていると視点が凝り固まる原因になります。

たとえば、午後15時にスナック菓子を習慣的に食べている人がいるとします(過去の私です)。ある日、「健康のためには間食は控えた方がいい」という記事をネットで見つけます。自分の行動を否定する情報に接することになるため、ここで認知的不協和が起きます。

不快感があるのでとっさに「ジムで運動しているから大丈夫」「息抜きも必要だから」のように自分に言い聞かせて、不快感を回避して、食べ続けてしまう・・・こういうことがいろいろなところで自動反応で起きていて、視点や行動が凝り固まる一因になります。

こうして書いていていも、今でも自分の日常に起きていることばかりだなと感じます。このように、特別なことでもないさまざまな理由で、視点は自然と凝り固まっていってしまうものなのです。

固まった視点への対処

視点が凝り固まったらどうすればいいのでしょうか。2つご紹介します。

ひとつめは、「自分の陥りやすいパターンを知る」ということです。

私の場合は「確証バイアス」が特に強く働いていました。自分の信念や思い込みが強すぎて他が見えなくなる、他のことでもこの傾向があるなとあらためて自覚しています。みなさんはいかがでしょうか。

自分のパターンがわかっていれば、視点が凝り固まった状態に気づきやすくなります。

二つ目は、「多様な意見に触れる努力をしつづける」ということです。

自分以外の人と関わったり、新しい情報を取り入れると認知的不協和が起きます。不快感もありますし、労力がかかるから面倒くささもありますよね。でも、勇気をだして多様な意見にふれるという一歩を踏み出すことで、凝り固まった視点が変化します。

その結果、いつもと違う視点でより広く物事をとらえたり、深く考えることができるようになります。

私は、ホームページの文章についてデザイナーさんから率直なフィードバックをもらって、認知的不協和がばっちりおきました。ドキっとして、うわー、やってしまったなあ・・と。でもそのおかげで、自分の凝り固まった視点に気づけて、あらためて本当に伝えたい人に伝わる文章を準備することができています。

大人には、視点を「切り替える」よりも「ほぐす」をおすすめしたい

私たちは、人生の様々な経験から気づきや学びを得て、ものの見方、視点というものを自分の中につくっていっています。

人生経験の数だけ、視点の数も私たちの中にあるものだと私は考えています。

よく「視点を切りかえる」、という表現も聞きますが、あえて今回「視点をほぐす」という表現を使いたかったのは、人生経験を重ねた私たち大人が、すでにたくさんの視点を持っているとお伝えしたかったからです。

たとえば塩とか、調味料とかって、湿気る固まりますよね。固まっちゃっても、ビンをふったり、スプーンで突いたりすればまたサラサラに戻ります。視点が固まるってこれと似ていると思うのです。

もしも視点が固まっても、ほぐすことができる。ほぐれたら、自分がもっているたくさんの視点から自由に選び直すことができるのです。「切り替える」だと視点は一つのイメージですが、「ほぐす」ならいくつあってもいい。複数の視点を組み合わせたっていいんですよね。

それができるのが、人生経験を積んできた大人の強みでもあると私は考えています。


コーチングでも、視点をほぐすということがよく起きます。コーチングを体験してみたい方は、個別相談にいらしてくださいね。

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Voicyのミアビータチャンネルで毎週土曜朝8時のパーソナリティを担当しています。
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小川恵子
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