マズローの5段階の欲求とケア
親の老後が心配に感じる年齢の人に向けての記事です。
マズローの5段階の欲求は、医療、介護、看護、福祉に関わる人なら一度は習ったと思いますが、一般の人は、知らない人もいるかも知れません。
今日はマズローの5段階の欲求をどのように介護に活かせばいいのかを書こうと思います。
自分の親を看る時のチェックすべきポイントがわかり、関わり方の道しるべになります。
マズローの5段階の欲求とケア
英語では、Maslow’s Hierarchy of Needs Model です。
アメリカの心理学者アブラハム・マズローが
「人間は自己実現に向かって絶えず成長する」と仮定し、人間の欲求を5段階の階層で理論化したものです。
一番上は自己実現の欲求 (Self-actualization)
二番目の階層は承認(尊重)の欲求 (Esteem)
三番目の階層は社会的欲求と愛の欲求 (Social needs / Love and belonging)
四番目の階層は安全の欲求 (Safety needs)
五番目の階層は生理的欲求 (Physiological needs)
となっています。
では一番下の階層から一つずつどんなケアが必要になるのかを見ていきます。
五番目の階層は生理的欲求 (Physiological needs)
まずはフィジカルな面をみましょう。
酸素、食事、睡眠、活動、ADLs (食事をしたり、飲み物を飲んだり、トイレに行ったり、お風呂に入ったり、身なりを整えたりなどの日常生活動作)が問題なくできているかを見ましょう。
体温や血圧、血糖値などは問題ないですか?食材の買い物はできますか?
調理はできますか?インテイク(どのくらい水分を摂ったか)とアウトプット(尿量などの排泄量)はどのくらいでしょうか?
買い物が難しい場合は宅配を頼みましょう。
四番目の階層は安全の欲求 (Safety needs)
次に親が安全に暮らせるかをチェックしましょう。
お風呂の椅子や、手すり、がついているか?
掃除はできているか?
家の中や、行動範囲内に危険な場所がないか?
段差は転倒しやすいので注意です。
火の管理はできているか?
戸締まりはできているか?
詐欺に狙われていないか?
三番目の階層は社会的欲求と愛の欲求 (Social needs / Love and belonging)
家族や、誰かに受け入れられているという欲求です。
人間は一人では生きていけません。何かに所属してそこでの役割を担いたいのです。
孤独では生きていけません。
親が孤立していないかチェックしましょう。いつも一人でいるなら、日中デイサービスに行くように言うのも良いですね。
話し相手がいることはとても重要です。
二番目の階層は承認(尊重)の欲求 (Esteem)
病気や障害がある姿でも 受け入れられていると思ってもらえるように接することが大事です。
お父さんは、病気になっても、障害のある姿でもお父さんに変わりないのです。
お母さんは、認知症になっても お母さんなのです。
以前とは、姿が変わってしまっても、受け入れてあげましょう。
一番上の階層が自己実現の欲求 (Self-actualization)
自分らしく生きたいとか、何かを成し遂げたい、夢を実現させたいという欲求です。
ずっと行ってみたかった場所に行くように背中を押すとか、今まで生きてきた証を本にするなどのアイデアを助言するのも良いでしょう。
まずは下の欲求が満たされることが大事なので、一つずつチェックしてみましょう。
まとめ
今日はマズローの5段階の欲求を使って親をチェックしていくポイントを書いてみました。
一番下の階層から上の階層に順番にみていくと、親に必要なケアが見えてきます。
自分の親を看るときの参考にしていただけると幸いです。