プロダクトデザイナーは、マクロな視点に立ち返れる体験をしよう
事業承継マッチングプラットフォーム「relay(リレイ)」でプロダクトチームのマネージャーをしているお塩(@oshiokeiko)です。
目の前の仕事だけで大丈夫?マクロ視点を持つ大切さ
もし「やることに追われてそんな余裕ないよ!」と感じているなら、それは一度、マクロな視点に立ち返るべきサインかもしれません。
私が所属する事業承継マッチングプラットフォームrelay(リレイ)では、「マクロとミクロ」という言葉が頻繁に飛び交います。
スタートアップの現場では、少人数でプロダクトを進める中、リリース目標に追われたりリソース不足に悩んだりと頭を抱えることがしばしばです。これ、スタートアップならあるあるですよね?
けれども、この「忙しさ」にのみ目を向け続けるのは非常に危険です。目先のことばかりに集中すると視野が狭くなり、「何のためにこの仕事をしているのか」「誰に、どんな価値を届けたいのか」というマクロな視点が薄れてしまいます。
プロダクトチームの仕事は、未来を描くこと。だからこそ、意識的にマクロな視点を持つことが大切です。relayでは、プロダクトチームが積極的に現場に足を運び、「マクロ視点」を取り戻す機会を大切にしています。
この視点を意識的に育むことで、本来のビジョンを再確認し、進むべき道がより明確になります。
ミカエル堂が教えてくれた事業承継の力
今回、私はrelayで事業承継が実現した宮崎の老舗パン製造販売店「ミカエル堂」さんの復活を記念するセレモニーに立ち会いました。
昭和初期に創業し、100年近い歴史を持つミカエル堂の「じゃりパン」は、宮崎県内のみならず全国でも愛され続ける菓子パンです。relayで後継者を募集した際には、40名以上の応募が集まり、多くのメディアもその注目の行方を追いました。
そんな中、ミカエル堂の屋号とレシピを受け継ぐことになったのは、宮崎市出身で東京でウェブ制作に携わっていた大津伸詠さんです。
最も興味深かったのは、ミカエル堂の代表・都成さんが、パン作り未経験の方を後継者に選ばれたことです。そして、都成さんが一からパン作りを大津さんに教えながら、共に「新しいミカエル堂を創る」という目標を持った同志としての絆が生まれているように感じたことでした。
このエピソードは、事業継承を目指す人々にとって希望です。未経験の分野でも、これまで築かれた知識や技術を引き継ぎながら新たな一歩を踏み出すことができるのです。
さらに、都成さんが明日の開店に向けて大津さんと共に仕上げたパンを味わいながら、「やっぱり美味しいな…」とつぶやく姿には、思わず胸が熱くなりました。
効率化の時代にあえて現場へ。N=1体験が教えてくれること
最近、「リサーチはAIで簡単になる!」という声を多く耳にします。確かに、AIを活用して少ないリソースで価値を創出することは重要です。しかし、だからこそ現場に出て、N=1を「感じる」ことの大切さを改めて実感します。
相手の葛藤や揺れる気持ち、湧き上がる感情を直接受け取る経験は、どんな手法にも代えがたい貴重なものです。セレモニーに参加し、そんなことを深く感じました。
そして、relayでこんな事業承継をもっともっと増やしていきたいな。と改めて感じ「何のためにこの仕事をしているのか」「誰に、どんな価値を届けたいのか」というマクロな視点に立ち返ることができました。
マクロな視点に立ち返れる体験は、例え時間を割いてでも得る価値があると信じています。
当日の様子は↑で動画でも見ることができます。