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#Designship2024 スピーカーとして、構成をデザインした話

事業承継マッチングプラットフォーム「relay(リレイ)」でプロダクトデザインをしているお塩(@oshiokeiko)です。

Designship2024で公募枠スピーカーとして登壇しました。

ありがたいことに、登壇後に書いたnoteは10月14日時点で130スキをいただき、たくさんの方にシェアをして頂いています。

前回は「話し方をデザイン」した話でしたが、実は構成もかなりデザインしています。
この構成について、千葉佳織さんが書籍でおっしゃっていることをかなり忠実に取り入れました。千葉佳織さんは「弁論」という分野で数々の優勝経験を持つすごい方です。書籍が気になる方はぜひ読んでみてください。

コアメッセージを作る

今回私は登壇の最初に、「"デザイナー"をやめよう」というコアメッセージを掲げました。
デザインシップで言うにはちょっと勇気がいりましたが(笑)そのぶんギャップがあっていろんな方がスクショを撮ってXに投稿して下さいました。

実はこのコアメッセージを1つに絞る作業って結構苦痛を伴います。
なぜなら作っているうちに、あれも言いたい。これも言いたい。となってくるからです。

これは私の実体験ですが、どんなに素敵な話でも、あれもこれも!とすごい情報量を言われると、なんかいいこと言ってたけど、なんだったっけ?となることがあります。

私は何度も「つまり自分は何が言いたいのか」を自分自身にツッコミ続け「"デザイナー"をやめよう」というコアメッセージに辿り着くことができました。

ちなみに、1つ工夫点として「マイナスワードを組み合わせる」と言う技を使っています。これは大谷翔平さんが使った話法として有名です。

「僕から一個だけ。憧れるのをやめましょう。
ファーストにゴールドシュミットがいたり、センターを見ればマイク・トラウトがいるし、外野にムーキー・ベッツがいたり、野球をやっていたら誰しも聞いたことがあるような選手たちがいると思う。憧れてしまっては超えられないので、僕らは今日超えるために、トップになるために来たので。今日一日だけは彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけ考えていきましょう」

今回私は、デザイナーのための祭典であるDesignshipであえて「やめよう」というマイナスワードを掲げることで、ギャップを作っています。

千葉佳織さんも書籍の中で、マイナスワードを組み合わせると、より強いプラスの意味を持たせることができる。とおっしゃっていました。

問いかける

私は登壇の序盤に、スライドを見せながら「このような廃業の張り紙を見たことある人、いたら手を上げてみてください〜!」と問いかけてみました。
一度やり取りを通じて、双方が同じ内容に入り込んだ状態を作って話を進めるためです。

これは、小泉進次郎さんが実践している「飽きさせない」技術だそうです。
演説会場などを始める際に「この中に高校3年生はいるの?」と尋ね、「初めて有権者ですよ。」と言い、相手が手を挙げたり頷いたりできる語りかけをされているそうです。

ちなみに問いかけ方として、問いかけた後にソッコー話し始めるのはNG。少し間を置いて答えを言いましょう。聞いてきたくせに考えさせる気がないと思わせたら最後、しらけてしまうそうです。

ファクトとストーリーで、信頼と共感を生む

今回の私の登壇は、どちらかと言うとストーリーが多めでエモーショナルな要素が多いです。しかし、これだけだと不完全です。
話に入り込んでもらうためには「ファクト」と「ストーリー」のバランスがとても大事。ファクトだけでは心が動かされない話になるし、ストーリーだけだと説得力に欠けます。

そこで、ストーリーに入る前に「大廃業時代」の数値データを出しました。かなりセンセーショナルな数値だと思います。日本にとっては気が重くなる数値ですが、先に数値を出すことで、1つ1つの事業承継ストーリーに重みが生まれます。

弱みは「決意」と「成果」セットで語る

今回私は、父から言われた一言「デザイナーってとても狭い世界に生きてるんだな。」と言う言葉から、デザイナーをやめてしまった。とみなさんに打ち明けました。

しかし、きちんと「決意」と「成果」をセットで話すことで悲壮感をただよわせず、「人の体温が感じられる情報」に変化されられたと思っています。

オープンな事業承継の事例を増やし、国からも注目されるサービスに成長させたられたこと。事業説明自体が「成果」にあたります。
そして、今では地方でデザイナーをやることに対して「自分が取り組むべき課題が山盛りの場所だと思える」と「決意」を述べています。
自己開示は、プレゼンをする上で相手を引き込ませる重要なポイントですが、ネガティブになりそうな要素はきちんと伏線回収が必要です。

五感の表現で情景を脳内で描きやすくする

例えば、「静かな部屋を歩いた。」と言うのと「シーンと静まりかえった部屋を歩いた。自分の靴の音がコツコツと響き渡った。」と言うのとでは、後者の方が脳内で情景を描きやすいのではないでしょうか?

聴覚や視覚などの五感表現を入れると、聞き手がグッとストーリーの中に入り込みやすくなりますよね。
今回私は、自分が悔しい思いをした表現として「手足から血の気がさーっとひいて、何も言い返せなかった。」と触覚表現を取り入れてみました。

自分以外の「他者の発言」を入れる

よくあるのは誰かの名言を入れることです。この手法は、名言を用いて主張を裏付けたりできるパワーがあります。
その使い方とは別に「誰かから言われたこの言葉」を引用することで、話の転換点を作ったり、状況をよりエモーショナルに伝えられる効果もあります。
今回で言うと、父から言われた一言「デザイナーってとても狭い世界に生きてるんだな。」がそれにあたります。

さいごに

今回、「話し方のデザイン」に加え「構成のデザイン」についても記事にしてみました。
プレゼンや登壇と一括りに言っても、そこにはさまざまなデザインがあることを実践を通して知りました。
この学びが、どなたかのお役に立てば幸いです。

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