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元製薬MRが勢い余って医療スタートアップに入って、プロダクト開発をしちゃった話

はじめまして、私はUbie株式会社で事業開発を担当している菊地です。
大学卒業後、製薬会社MRとしてキャリアを重ね、外資戦略コンサルティングファームを経て、2019年10月にUbieへジョインしました。
Ubieでは、私以外にも製薬企業出身者が数多く活躍していますが(元臨床開発の永見のNoteはコチラ)、本記事では、その中でも特に営業出身の私が「なぜUbieに入社したのか?」、「どのようなことをUbieで成し遂げたいのか?」について想いを述べたいと思います。

適切な医療を患者さんへ適切に届けられるように

大学時代は薬学部に在籍しており、医薬品の適正使用や育薬を推進する「医薬品情報学」を専攻。私の研究室は少々変わっており、研究の傍ら、薬剤師向けに薬剤の最新情報や日常業務の注意点を講義するセミナーを開催していました。
学生の私もそのセミナー運営に携わっていたのですが、色々なことを発見しました。
薬剤は正しく使われないと患者さんにとって効果が出ないどころか体を蝕む毒にもなりかねないこと、薬剤の適正使用のために薬剤師をはじめとした医療従事者の方々が日々弛まぬ努力を積み重ねていること…。
この経験を通じて、適切な医療を患者さんへ適切に届けるには、新しい医療(医薬品、医療機器など)を創ることや、患者さんと直に接して医療を提供することだけではなく、医療と医療現場の架け橋になること、医療現場に適切な医療情報を届けることも同様に大切であると知りました。そして同時に、医療情報提供者としてのMRに興味を抱かせることになったのです。

MRで感じた理想と現実のギャップ

MRとしてのキャリアをスタートしてからは、クリニック、地域中核病院、大学病院と様々な医療機関を担当させて頂きました。MR活動を通じて、多忙な医師が幅広い疾患の膨大な情報をアップデートし続けることは困難を極めること、そのサポート役として医師に対する情報提供を担うMRはとても大事な存在であることを改めて再認識するところとなりました。
一方で、感じた理想と現実のギャップもあります。

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まずは、情報提供対象の網羅性に限界があること。
会社規模や担当(薬剤・エリア・医療機関)に依るところも大きいですが、多くのMRは数百~の医師を担当するかと思います。お分かりの通り、一人のMRがとても対応しきれる人数ではありません。
必然的にMRがアプローチできる医師は限られ、直接問い合わせを受けた医師や、担当薬剤の情報ニーズがより高いであろう(自社・競合薬剤の処方が多い)医師に絞って情報を届けることになります。
特に薬剤処方まで至っていない患者(未診断・未治療患者)を多く抱える医師に関しては、MRの立場では特定さえ難しく、情報を届けることはほぼ不可能です。

次に、情報提供タイミングのリアルタイム性に限界があること。
医師は患者情報を踏まえて、様々な医学的経験則やエビデンスに基づき、診療意思決定を行っています。そしてその意思決定が行われるのは、多くが目の前に患者がいる「診療時間」です。すなわち医療情報のニーズが一番大きいタイミングはまさに「診療時間」なのです。
残念ながら、MRが医師をサポートできるのは「診療時間外」に限られ、たとえ有益な情報を提供できたとしても、多忙な医師が意思決定のタイミングでその情報を想起出来るとは限りません。

最後に、情報提供内容の適合性に限界があること。
MR活動を行う上で、医師ニーズに適合した情報提供を如何に行うことができるかがポイントです。そのためには、医師が診療する患者の状況(そもそも患者がいるのか?、どのような患者なのか?など)の把握が不可欠です。
但し、医師が診療する患者の状況を把握できるようになるためには、医師と信頼関係を築いて「良き相談相手」となることが必要であり、そしてそのような存在になれたとしても、医師と話すまでは知る由がありません。
MRを受け付けない医師も少なくない中で全てのMRが等しく出来るわけではなく、出来たとしても相応の時間とコストがかかります。

コンサルへの転職…そしてUbieとの出会い

その後、MRとしてのキャリアを一通り経験できたと感じた私は、製薬業界のバリューチェーンを俯瞰し、よりこの業界に貢献できるようになりたいと思い始めるようになりました。そして製薬業界、特に私の知見が不十分であるR&D領域に強みを持つ外資戦略コンサルティングファームに転職することを決意。
コンサルでは、R&D領域のプロジェクトは勿論、自分が得意とする営業系のプロジェクトも数多く経験。製薬業界をあらゆる視点で捉えることによって、一層の理解を深めることが出来たと思います。
一方で、この業界を知れば知るほど、私がMR時代に感じた歯痒さというものは業界としての大きなペインなのではないかと、ずっとモヤモヤとした気持ちが残り続けていました。

そんな中で出会ったのがUbieです。
UbieはAI問診ユビーという「医師の診療現場における接点」を持っています。私がずっと抱えていたモヤモヤを解決できるのではないか、情報提供対象の網羅性・情報提供タイミングのリアルタイム性・情報提供内容の適合性の課題を解決する新しい情報提供を実現出来るのではないか…?
そして、Ubieは何より優秀なメンバーが集まっています。Bizの他にもエンジニア、データサイエンティスト、デザイナー、医師等、いずれも前職で卓越した実績を残してきたメンバーが揃っています。このチームならどんな課題に対しても解決可能なプロダクトを作ることができるのではないか…?

迷わずUbieに飛び込みました。そんなMR時代からの想いが具現化された、Ubieの仲間達と作り上げた新しいソリューションが「Ubie-DSI」です。
Ubieが医療機関向けに提供しているAI問診ユビーでは、患者さんに入力頂いた問診結果に基づき、「病名辞書」を表示します。「Ubie-DSI」では、AI問診ユビーをお使い頂いている全ての医師に対して、目の前の患者さんの診療に役立つ医療情報をリアルタイムに提供することが可能となります。

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医療貢献のための探求は続く

しかしながら、「Ubie-DSI」は出来たばかりのプロダクトで改善の余地がまだまだあります。そして、医療と医療現場を繋ぐ一つの架け橋に過ぎません。
Ubieは、先に紹介した医療機関向けのAI問診ユビーのみならず、一般生活者向けにもAI受診相談ユビーというプロダクトを展開しています。
AI受診相談ユビーは先日、サービス開始1年で月間利用者数100万人を突破し(プレスリリース)、AI問診ユビーとともに医療プラットフォームとして着実な成長を続けています。
我々は、AI問診を基軸とした医師接点・一般生活者接点を有する国内でもユニークなプラットフォーマーとして、今後もよりよい医療の実現に向けて架け橋を開発しつづけていきたいと考えています。

最後に

本記事では、MR出身の私が、長い間、製薬業界で抱いていた課題を解決すべく、仲間とともにプロダクト開発に至った経緯をお話をさせて頂きました。
Ubieでは「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」というミッションを達成すべく、まだまだやらねばならないことがたくさんあります!そしてご一緒頂ける仲間を積極募集中です!

もし少しでも興味をお持ちの方がいらっしゃいましたら、採用サイトをご確認の上、ご連絡・ご応募頂けますと幸いです。

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