仕事の解像度が上がる!サプライチェーン経済指数[5選]
こんにちは。
LOCAL LOGITEXの佐藤慶樹(けいき)です。
今回は私が普段チェックしているサプライチェーンに関わる5つの経済指数をご紹介します。
ぜひ今後のビジネスにお役立てください!
1.グローバル・サプライチェーン圧力指数(GSCPI)
GSCPIは、アメリカのニューヨーク連邦準備銀行(Federal Reserve Bank of New York)が毎月第4営業日に公表している、世界的なサプライチェーンにかかる負荷(どれだけ逼迫しているか)を測る指数です。
同指数は2021年12月に過去最高の4.31を記録しました。
その主な要因として、次の2つがあげられます。
①コロナ禍の影響で巣ごもり消費が急増→深刻なコンテナの不足となり海上輸送運賃が高騰。
②コンテナを積み下ろしする世界各国の港湾で、都市封鎖の実施および感染拡大による港湾作業員等の不足によって、コンテナ貨物が港湾に滞留。
アメリカのロサンゼルス港、ロングビーチ港で100隻以上のコンテナ船が滞船していたことはメディアでも大きく取り上げられました。
この指数は、滞船が緩和されコンテナ船の海上運賃が下落したことに伴い、2023年5月にマイナス1.71まで下がりました。1997年の統計開始後で最低の数値となり、サプライチェーンのボトルネックが、ほぼ解消されたことを表しています。
GSCPIは2022年1月に公表が始まった比較的目新しい指数です。
世界的なサプライチェーンの逼迫は国内の流通にも大きく影響しますので、ぜひ定期的にチェックしてみてください!
2.バルチック海運指数
野村証券さんの解説がわかりやすいので引用させて頂きます。
ケープサイズ(15 万重量トンクラス)やパナマックス(6~7 万重量トンクラス)などの大型貨物船をご利用の貿易関係者の方にはとても馴染み深い指数だと思います。
中国による鉄鉱石や石炭の大量輸入をはじめ、世界的な原料需要の高まりがあった2008年5月には過去最高の11,793を記録しましたが、リーマンショックの影響もあり2008年12月5日には663まで低下しました。
こちらも世界経済を映し出す指数と言えます。
3.Shanghai Containerized Freight Index(SCFI)
上のバルチック海運指数が「ばら積み船」を反映した指数であれば、こちらは「コンテナ船」の指数です。
SCFIは日本語では”上海海上コンテナ運賃指数”などと訳されています。
上海航運交易所が発表する運賃指標で、上海と世界各地を結ぶ主要航路について平均運賃を週ごとに発表していて、リーマンショック以降に急速に注目を集めるようになった指数です。
上のGSCPIと同じようにコロナ禍と現在の変動がよく見て取れます。
私も船会社とコンテナ運賃を交渉する機会がありますが、SCFIの傾向を確認してから交渉にのぞむようにしています。
4.鉱工業指数(IIP)
経済産業省のWebサイトによると、この統計について下記のように説明しています。
つまり、国内の鉱業と製造業で
①どれくらいモノがつくられているか
②どれくらい出荷されているか
③どれくらいの在庫を抱えているのか
を数値で表したものですので、まさに日本のサプライチェーンを表した重要な指数といえます。
経済産業省から毎月発表されるので是非チェックしてみてくださいね!
5.宅配便取扱個数
国土交通省は年に1度「宅配便・メール便取扱実績」を公表しています。
2023年8月25日には、同省のWebサイトにて次のように伝えています。
「令和4年度の宅配便取扱個数は、50 億588 万個であった(うちトラック運送は、49 億2508 万個、航空等利用運送は8080 万個)。これを前年度と単純比較すると、5265 万個・対前年度比1.1%の増加となる。」
コロナ禍が収束してEC化の伸びも衰えたように見えますが、いまだに年間5千万個も増えているのは特筆すべきだと思います。
(ちなみに令和2年→令和3年の増加は1 億1676 万個・対前年度比2.4%の増加だった)
宅配便の数量は、送料の相場や各運送会社のサービスレベルに直結するので、今後も注視していきたい数値です。
6.おわりに
さて今回はサプライチェーンにかかわる国内外の指数をご紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。
「他にもこんな指数がないか教えてほしい!」、「こんなことを記事にしてほしい!」などのリクエストはもちろん、サプライチェーンを構築するうえで少しでも課題や不安をお持ちの方はぜひ、こちらのページからお気軽にお問い合わせください!
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