色とりどりの鶴たちに願いを込めて
折り鶴を折る。折る。折る。。。
みんなで折った色とりどりの鶴たちは、ここ3日で何百羽になったのだろう。
仕事先の方の息子さんが、突然倒れられたと聞いた。直ぐに救急車で搬送されたものの、近くの病院では手が負えず、更に地元で1番大きな病院に搬送され、検査を受けたそうだ。
いっとき意識が戻らず、原因は脳腫瘍によるものだと。若いからか進行が早く、既に脊髄まで転移していると聞いた。
息子の意識は戻り、病院では良く話し、よく笑うんだ、と悲しそうな、辛そうな顔で話す同僚。
早くも、治療は最終段階に入った。。。と。
心が折れそうだと、そう聞いて何もしてあげられない気持ちから、せめてあなたが倒れないで!気持ちを強くもって!という意味で、みんなにメッセージをもらった。
そんな中、1人の学生バイトくんが2センチ角の折り紙で小さな鶴をおっていることを知った。
彼が折っている鶴は100羽だという。
本当は私も考えた。千羽鶴を折りたいということを。でも、忙しいみんなに声をかける勇気がなく、でも一人で千羽折る自信が今はなく、そうこうしている時のバイトくんの行動。
泣くなぁ。そう彼に伝えた。
そして、そのまま、彼の小さな100羽鶴と合わせて千羽鶴を作ってもいいか、みんなに声をかけてみた。
喜んで引き受けてくれる温かい職場。
あれから3日。
家に折り紙がある人は、それを使って折ってくれている。ない人はこれを好きなだけ持って帰って!と言って折り紙を置いておいた。
みんなで20人ほどの職場。
この3日シフトに入っている人に声を掛けただけなので、みんながこのことを知っている訳では無い。
でも、多分だけど、300羽近く集まっていると思う、この鶴たち。
ありがたい。
本当にありがたい。
なるべく早く仕上げて、渡したいと思っている。
どうか、同僚の心が強くありますように。
そして、息子さんが、どうかご無事でありますように。
心から、ご無事を祈ります。