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娘が不登校になった #3

少し動き出した娘から、置き手紙。
やはり私の娘。私がずっとしてきたように、好きなポストカードの裏に長いメッセージがぎっしり書いてある。

ママへ
いつもありがとう。ご飯作って、洗濯して、おむかえして、そのほかにもいーっぱいのことをして、私達のことを考えてくれて、ありがとう。
お礼をしてたらキリがないくらい、ママにはいっぱいお世話になってるなぁ。
最近は迷惑かけてばっかりで、ごめんなさい。色々自覚はしてる。
こないだもらったポストカードにさ、ママの子どもとおそろいの服を着る夢がわたしのおかげで叶えられたんだよって書いてあったでしょ?あれ読んで、あぁ、私うまれてきてよかったんだぁ、って思ったの。私もいつか子どもを産んだらおそろいの服を着たいなぁ。私の夢が1個増えたよ。
それとあと1個、私もママみたいなかわいいお母さんになるのが私の夢。
お母さんになる前におよめさんになるってとこまでが遠そうだけど、、、。
とりあえず!私もある程度色々がんばる!のでこれからもよろしくお願いします。
わたしもいつまでもママの味方だよ。


何が落ち込んだ娘の心に響くのか分からなかった。なので思いつく限り、たくさん娘に愛してるの気持ちをポストカードに書いて送った。

娘は少しづつ動き出した。少しづつ学校に行くようになった。本当に少しづつ。少しづつ。全然授業数は足りないけど、とにかく動ける限り、力を振り絞って動き出した。

嬉しかった。まだまだ心配だけど、でもその成長が嬉しくてたまらなかった。

もらったポストカードは、私の大好きな永田萌さんの絵。娘がこのポストカードを見つけた時の気持ちが分かる気がする。きっとこれを見つけた瞬間、私を思い浮かべたのだと思う。ママだ!そう思ったんじゃないかな。


届いていた。そう思った。
私の愛は娘にちゃんと届いていた。
産まれてきてよかったと思えたのが、わたしの夢を自分のお陰で叶えられたから、なんて、そんな。そんなことで娘は産まれてきてよかったと思えたの?
なんて優しいのだろう。なんて子だろう。こんな子が娘であることが、私をまた幸せにしてくれる。

~ママみたいなかわいいお母さんになるのが私の夢~

あぁ。私はこの言葉で一生を生きていける。どんなときも生きていける。そう感じた。

このカードはいつも持ち歩いている。あれから7年。ずっと。その時で読んでいる本は違うけど、本の栞にして。私のお守りとして。いつもバッグの中に入れて持ち歩いている。


苦しくなった時。寂しくなった時。悲しくてしょうがない時。どうしようもない気持ちをどこにもやれない時。限界を感じながらも力を振り絞らなきゃいけない時。このメッセージを読むと涙も出てくるけど、力が湧いてくる。この子のために私は頑張れる。今もずっとそう思う。


大好きな娘と一緒に、不登校という壁と戦っている最中の幸せな出来事。
不登校は全然いいことではなかったけど、不登校が無かったら、私と娘との絆はこんなにも深くならなかったかもしれない。
そう思うと、どこかでありがとうという気持ちも湧いてくる。


とにかく。闘った。私と娘の不登校という壁。
何が正解なのか。どうしたらいいのか。何も分からないまま闘った日々。きつかったけど、でも色んな幸せに気づくことができた。何が大事なのか気づくことができた。だから今がある。


私には夢がある。

不登校になってしまった子どもたちと、その家族に寄り添いたい、という夢が。そして、生きることに迷ってしまった人に寄り添いたい、という夢が。

私が、娘が、辛かった時に何をして欲しかったのか。
どんなことが生きる力になるのか。
少しだけ経験したから、何かできることがあるのではないかと思う。

どんな形で寄り添えるのか、それは今からだけど、でもこの夢は叶えたい。大切な友達のためにも。そして私のためにも。

それが私らしく生きることだと今、思うから。

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