「くりくりおいしいな」キンダーブック2制作日記
これは「キンダーブック2」2022年度10月号の5画面のおはなし
「くりくりおいしいな」の制作日記です。
フレーベル館の編集さんからの原稿依頼書
「「キンダーブック2」は年中児(4歳)を対象とした総合絵本です。
このたびは、2022年度10月号お話コーナーの作絵。
「秋の食べ物」をテーマにユーモアのある内容でお願いします。」
というお仕事をいただきました。
キンダーブックへの想い
この制作日記をかくのに、まずは「キンダーブック2」って?というのを説明しとかないとな~と思って、原稿依頼書をあらためてよんでみたら、
「そのとおりだ」と思ったので、そのまま内容をかかせてもらいました。
キンダーブックは私が幼稚園のときに、よんでいたらしいです。
なぜ「らしい」かというと、私が幼稚園のときに、両親の関係性がよくなくて家庭がごたついてまして、おうちで絵本をよんでもらったという経験はないのです。
ただ、月に一度「キンダーブック入れ」というななめにかける布のバックをもっていって、それはお母さんの手作りでした。
キンダーブックいれなのだから、キンダーブックをいれて幼稚園から持ち帰ってきたのだと思います。
キンダーブックは月刊絵本とよばれるものです(月刊保育絵本というところもあります)
本屋さんにも並ぶ福音館書店の月刊誌など例外はありますが、基本的に、幼稚園や保育園などに直接契約販売をして、読者は園を通してよむことができる月刊雑誌です。
その中でも「総合誌」とよばれるものは、おはなしだけで1冊になっていなくて、季節のたべものを知る「食育」ページ、社会を知ることができるページ、園生活のおやくそくみたいなのを知る「せいかつ」とよばれるページなど、いろんなテーマでできあがっています。
年少さん、年中さん、年長さん、など年齢別が多いです。
秋のおいしいテーマさがし
秋のおいしい食べ物ってたくさんあるんですよ。。
柿?栗?さつまいも?きのこ?さんま?
どれにしよう~と編集さんと話しあって、「栗拾い」になりました。
テーマをだすときには、前後の月号や、同時にでる他年齢、前年にやっていないかなどが、かかわってくるのと、「勝手にとったりひろったもの食べちゃだめよ~」とか、きのこ食べたら毒あるやつあるでしょう。。など食育面でも注意事項がたくさんあります。
栗拾いも、入場料を支払う「栗の観光農園」はもちろん拾ってOKですが、勝手に公園などのものを拾って食べてはいけないところもあるのでNGです。
私が知っているところで公共の公園に栗林があって、それは取材当時食べていいと確認していたところがありました。
お話のラフをかきながら栗の木を探す
まずは、以前に取材していた藤沢市にある公園の、栗の木の資料をゴソゴソと探しはじめる。
藤沢市に住んでいたころに知った栗が拾える公園。藤沢駅の近くにある「新林公園」。朝イチで住んでたアパートのあった鵠沼海岸からチャリをこぎこぎして、夜のうちにおちた栗を朝拾う。
なんだか悪いことしてるみたいで警戒したのですが、近所に住んでいるらしいおじいさんに場所を教えてもらったりして、必要な分だけ拾いました。
(2007年の取材当時は食べていいことになっているのですが、今回このnoteに書くにあたって、改めて電話してみました。
「お忙しいところすみません。栗林はありますか?」と私。
「え??もうないですよ。朝早くにこないとないですよ~」と管理事務所の方が教えてくれました(笑)
栗林がないのかと思ったら、拾われててないよって(笑)2024年現在、栗林はありますし、拾っても大丈夫です。朝はやくにね!)
おちてるのを必死に探して拾っていると、、
イタタタ~~!
風で栗がイガごとおちてきた!!帽子はかぶらないといけないと思った。。
落ちてるイガは足で踏んで栗をだすというのは知っていたので、靴で思いっきり踏んだら、コンバースの布地をつきぬけて
イテ~~~~~~~~~~~~~~!!!
ながぐつをはかないといけないということを知った。
おはなしに登場してくる場面の栗の資料が欲しい
以前取材した資料では、今回のおはなしに登場してくる絵に合う栗の資料にはならないので、近所に栗の木を探すが、どこにもない。。
とにかく歩いて探そうと思い、三浦海岸からバス通りを三崎方面に南下。三浦は山と海と畑があるので、どっかにあるだろうと。
計画性がない性格。証拠は足で探す。栗の木刑事(デカ)
無計画に歩いていたら、、、
栗の木発見!!
まだまだイガの色が緑色だったので、毎日のようにそのバス停まで歩き、全体的に茶色になるまで、観察し続ける栗の木刑事デカ。(バス停の影で待つ。栗の木デカはあんぱんは食べていない)
とうとう茶色くなった!
ついに全体が茶色くなって、自然に割れて栗の実がはじけはじめてきた。
とてつもなく大きな栗の木で、その持ち主は農家さんだとおもって、ひとつもらえないかと木をたどっておりていくと、、、
民家。。。
持ち主の方に事情をお話しして、お願いしようと思い、おうちをピンポンしようとすると、ちょうどおばあさんがでてきた。
一生懸命お話するが、すごく警戒している。。。
そりゃそうだろう。。
でも、話をしていると、、、、
「前は農家だったんだけど、今はやってないし、自分のうちで食べるだけだから拾っていいよ~」と
一緒に拾ってくれて、器具も貸してくれて、画面に使いたい感じでモデルにもなってくれた。
いいひとすぎる!ありがとう~!!(涙)
今までもなんかピンチがあると誰かが助けてくれてここまで生きている私。今回も助けてもらった。感謝しかない。
栗きれいにむけない問題
栗。どうやって食べてますか。
私が小さいとき、おうちでは、栗は「ゆで栗」一択。ゆでたものを半分にきってスプーンですくって食べるのですが、、
きれいに食べられなくないですか??
甘栗買ってくれないかなとか贅沢なこと思っていました。
甘栗みたいにまるっと食べたいなああ~と思い、いろいろ試すのですが、、
圧力釜にいれたら、こなごなに粉砕。
鬼殻ごとフライパンで焼いたら、サルカニ合戦ばりにとびだしてきて火傷。
鬼ガラをむくのはまだいいのですが、渋皮。コイツが問題ですね。この「栗どうやってたべるか問題」は、別にかきたい。
サンマ大爆発問題
最後の画面は、秋のおいしいものモリモリの食卓にしよう!ということになり、栗とさつまいものごはん。きのこの汁。かぼちゃの煮物。焼き栗、栗の渋皮煮。さんまの塩焼き。なんとマロンがのったロールケーキ、モンブランタルト!!りんご、巨砲、柿、梨まである。
パーティなのか。。
画面にでてくる食べ物は、自分で作ってみて撮影して絵にしているのですが、、
何回かやっても、内臓大爆発にならないように焼くと、あの
目黒のさんま(すみません。落語すきで)で殿様があぶらじゅわ~っていう感じのあのおいしそうな焼き目にならない。
いい焼き色になると爆発!!
仕方ないので、、、、
というわけで~
めでたしめでたし。
そうそう。
ケーキはつくれないので、、
私が食べておいしかった!!
津久井浜にある「うみべのえほんやツバメ号」の伊東さんが作った激うまスイーツ画像集から絵にしました。(許可とってま~す)
栗の季節になると渋皮煮をてづくりしているという、神スイーツです。
(いつもあるわけではないので、おきをつけくださいね)