LGBT:普通の恋バナはできないのかな
私はバイセクシャル
私は多分バイセクシャルです。まあ、自分のセクシャリティは未だにはっきりしていないけれど現時点ではバイセクシャルと考えています。
初めて自分がバイだと気がついたのは、高校三年生のときでした。人生の中で「人を好きになる」という経験をほぼしたことがない私に好きな人ができたんです。
初めはその「好き」の感情が友達としてなのか恋愛感情なのかわからなかったし、恋愛感情だと認めたくない自分がいました。
当時の私はLGBTQIA+について勉強をし始めた頃で、コミュニティに対する理解もあるつもりでしたが、いざ自分が当事者になると思うとひどく動揺してしまいました。
自分の気持ちがただの友情ではないと受け入れられるまでは長い時間がかかりました。数ヶ月間ずっと自分に問いかけ続けてようやく受け入れることができました。
カミングアウトと葛藤
カミングアウトって思っていたよりずっと勇気がいる。
恵まれたことに私の周りには理解のある友人がたくさんいます。わかってる。みんな受け入れてくれることくらいわかっているんだけど、それでもやっぱり怖くなっちゃうんです。
高校生当時、私がカミングアウトしていたのはたった2人。
1人は私の好きだった人。もう1人は仲のいい友人でした。
その友達にカムアウトした時にその子は受け入れてくれて、普通に恋バナもしたいな!って言ってくれました。素敵な友達です。
でも、それから何回か好きな人のことをお話ししてたけど全然盛り上がらないし、あんまり聞いてて楽しくなさそうだなというか、なんとなく乗り気じゃないのが伝わってきてしまいました。もう話さない方がいいかな?って思ったんですよ。
というのも、その子はとにかく恋バナが好きでみんなの恋愛事情は知り尽くしていたし、たくさん相談にも乗ってあげるような子だったからです。他の子とはいつもそんな話を楽しそうにしているのを見ていたから私の不安は膨らむばかりでした。
自分のセクシャリティに困惑していた当時の私にとっては、どんなに小さなことも受け入れてもらえないんじゃないか、みんな離れていっちゃうんじゃないかという不安要素だったんです。
でもやっぱり立場上、私はその子に秘密を抱えさせていたわけで、もしかしたらそれは負担になってしまってるかもしれないと言うのも理解していました。カムアウトしたのも私が「信用できる子だから」と勝手に判断したからだし、その子が無理に私から聞き出したわけじゃありません。
いきなり秘密を押し付けられて、誰にも言わないで、でも相談は乗って、話も聞いてっていうのはやっぱりあまりにも強引だったなって反省もしています。
とはいえ、相談する人、話を聞いてくれる人がいないって言うのはやっぱり苦しいです。
おわりに
私もみんなと同じように普通に恋バナで盛り上がりたかった。カミングアウトなんていう過程を経ずに。
でも、友達だって私のことを気にかけてくれていたのはわかります。受け入れて話を聞いてくれただけで本当に十分だし、彼女の優しさに救われたことは紛れのない事実です。
こういったマイノリティの権利問題って、例えばストレートアライに一方的支えてもらうだけじゃ解決できないと思います。双方の歩み寄りがあって初めて実現するものです。
何もせずに、受け入れてもらって当たり前、普通に扱ってもらって当たり前という怠惰な姿勢のままでいたらいけないなと気がついた出来事でした。
もちろん、性的マイノリティの人権が確保されることが当たり前ではないと言っているのではありません。しかし、急にカミングアウトしてさあ!受け入れて!というのもなんか違うよねってことです。相手も学ぶ時間が必要だと思うし、当事者側もそのペースに合わせる必要が多少はあるんじゃないかなって思うんです。
いつか、カムミングアウトというフェーズがなくなって、いろんなことが当たり前になる社会を実現したいですね。