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感謝の思いを胸にーー『除夜の作』
今年も残すところ数時間になりました。
文字通りの除夜ですが、今年も高適の『除夜の作』をご紹介して、2022年を終えたいと思います。(3年連続になりますね。)
除夜の作 Chúyè zuò
高適 Gāoshì
旅館寒灯独不眠 Lǚguǎn hán dēng dú bù mián
客心何事転凄然 Kè xīn héshì zhuǎn qīrán
故郷今夜思千里 Gùxiāng jīnyè sī qiānlǐ
霜鬢明朝又一年 Shuāngbìn míng zhāo yòu yī nián
【書き下し文】
旅館の寒灯 独り眠らず
何事ぞ 客心転た凄然たる
故郷 今夜 千里に思う
明朝 又た一年霜鬢
【詩の形式】七言絶句
*客心・・・旅情
*転(うた)た・・・いよいよ
*凄然(せいぜん)・・・ものさびしく心のいたむさま
*霜鬢(そうびん)・・・霜のように白くなった鬢の毛
*明朝・・・明日
【現代語訳】
(『唐詩選』に紹介されている現代語訳をベースにさせていただきました。)
旅先の宿の寒々とした灯(ともしび)の下、
独り眠れぬ夜を過ごしていると
旅情はなぜかいよいよ物寂しさを増すばかり
千里彼方の故郷に思いを馳せ
白くなった鬢の毛に明日はまた一つ年を重ねるのだ
12月になるとこの詩を思い出し、先日の冬の漢詩講座でもこの漢詩をご紹介しました。
無事に年を重ねられることの幸せをかみしめつつ、今年を締めくくりたいと思います。
2022年も多くの方にこのブログをご覧いただき、本当にありがとうございました。
2023年が皆さまにとって穏やかなよい1年となりますように、心よりお祈り申し上げます。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。