自分の知らなかったジャンルのアート「ラップ」の世界に飛び込んでみた話
どういう流れでそうなったのよ?
私は幼少期から大人になるまで、曲がりなりにもずっと音楽をやっていた。クラシックなどの古典的なものからロック、EDMなどのハードなものまで一通り触ってきたと思ってた。
今日、X(旧:Twitter)の毎日顔を出しているスペース(※1)で偶然
DJ1名とラッパー2名という謎メンバー構成になり
一般人の私の存在は完全にアウェーとなった。
※1 X(旧:Twitter)におけるグループ通話機能。
このスペースには毎日顔を出している。ツッコミ担当である自信があった。大人数に紛れる小さな声でのボケも逃さぬ勢いでどんな話も拾ってきた。
そんな空間の中で初めて、たった一人全く話がわからなかったのだ。
"どんな物事に対しても自分にとって意味あるものとして捉え吸収する"
そんな私のモットーが心のなかでざわめきだした。素直にその領域は全く分からないと打ち明け3人に業界の基本的な話を一頻り聞いた。
ただ、いまいちまだぼやけていた。心で触れなければ分からなかった。
というわけで、今回はその中の1人であった
札幌のラッパー「NO FACE」さんの作品を聴いてみよう
https://twitter.com/ghhhhkig?s=20
という事になったのだった。
HIPHOPやラップは単調な音楽構成ということもあり、メロディックな音楽を好む私にとっては実は少し心を入れ込みにくいものだった。
自分を囲む人間すべてが良いと言っているアートを無視するのか?そんな野暮なことはできねえ。自分の引き出しは多いに越したことはないのだ。
四の五の言わずにとりあえず聴いてみよう。
その前にそもそも…
「NO FACE」の人柄、信念、この曲と背景画を創った時の背景
実際に話したことのある人の作品ならきっと全力で真剣に聴ける
ということで、事前インタビューをした上で聴いてみた。
ちなみに普段関わっているときの個人的なNO FACEの印象(偏見w?)は
・繊細でガラスのハートを持っている
・とはいえ自分のソウルを持っていて、反骨精神も持っていそう
・普通にめちゃくちゃ気遣い屋で優しい(たまに心配になるレベル)
・テンションによっては消極的な一面がある
・波に乗るとボケたりラップを歌ってくれたりお茶目な一面もある
百聞は一聴にしかず。まずはこちらをクリック
Artist : NO FACE「My Way」
「ラップ」に対する素人の率直な感想
作品の中身は後述するとして、まずはラップ処女を卒業したわけだ。
歌詞、文字だけで見ると意外と長いな。いや、普通のロックやポップと同じ?AメロBメロサビCメロ、1番2番とかあるんかな?あと英語力必要だね。スラングとか入れるといかにもカッコいいね。まだ1曲しか経験値が無いから相場はわからないが、ひとまず
鳥肌が立った。
今この記事を読んでいて音を出せる状態にない人には申し訳ないが、一旦聴いてもらってからこの歌詞(lyricって言うらしい)を味わっていただきたい。
メロディに頼れる普通の音楽と違い、ラップは韻とリズム感が命なので正直文字では伝えきれないという判断に至った。(noteなのにごめんなさい)
強いて書くのであれば、
前から韻踏むの頭使いそうだなとかはぬるっとは思ってたけど
想いを綴る言葉の縛り×韻踏みや語呂の良い言葉
ただの作詞でも詰まるってのに、この掛け算の縛りがある中で自分の想いを言葉でクリティカルに表現するの?めっちゃ詩書くの難しくないか??
すごいなラッパー。
あと、ラップってよくTVとかで見るラップバトルとか社会への揶揄みたいな攻撃的なものっていうジャンルなのかと思ってたけどそうじゃないらしい。自分の内面フォーカスとか、優しかったりアツかったりする詩でもラップにしていいのね。なんか偏見まみれでごめんなさい。考え改めるわ。
「My Way」という作品に対する感想
まず大前提として、喋ったことのないラッパーではなく友人兼ラッパーなので感情移入がしやすいという背景はあるものの、ちゃんとイチ観客として感想を書いておく。
本当は詩の一文一文にレポを入れたいくらい彼が一つ一つの言葉に込めた気持ちが伝わってきた。ただ、さすがにこの記事の尺の関係があるので中でもめちゃくちゃソウルにぶっ刺さった歌詞を抜粋していく。
はい刺さりました。
他人の意見聞いてお利口に安パイ切って生きるのって楽だよな。でもそれで自分が納得いくか?いかないよな。そんな道後悔しながら歩むくらいなら地獄みたいな人生でも生きてる価値感じる。
おっと相棒に何かあったのか。詳しくは敢えて掘り下げないけど。なんでNO FACEがガラスのハートを持ってると思ったのかちょっと分かった気がした。この人毎日命がけなんだな。いや、人類みなそうなんだけど、「生きる」という重みを普通の人よりも良く知っているのかもしれない。
序盤のQAで仰ってたカオナシの言葉も、上手くはできなくても本気で毎日「自分を生きること」と向き合ってるって感じ?なのかな?受け取り方合ってるかしら?
まず、ラップ面の感想。めっちゃ語呂(?)良くて言葉がパズルにバチー!!ってハマった感じ。おおおこれがラップの魅力なのか?なんかリズムと言葉が気持ち良いぞ!いばらみちぃ!おれのみちぃ!と・げ・の・い・た・み・た・よ・り・にぃ!(裏打ち的なリズム)
はい次、詩。
「自分の屍を超えて歩く」解釈合ってるかは分からないけど、多分相棒のR.I.P.や日々のダメージと共に死んでしまった自分もいたんだろうか。その屍を超えるのは簡単なことじゃないと思う。言葉にすることも容易じゃない。
「棘の痛み頼りに」強くない?かっこいいな?ダメージも糧にして生きて行ってやるぜってソウルかな?そんな強くてかっこいい生き方なら「あいつもきっと頷く」よな。うん。
才能を比べて発生するネガティヴを「悪」と捉えていないところ。これ結構大事な能力だと思う。私だったらネガティヴからの自己嫌悪ループだよ。
自分のネガティヴを受け入れてそれを武器に大事なもの大切にしてくんだっていうメッセージがある気がして、なんだか勇気を貰った。
優しいんよ。人に。人にやさしいの。自分は棘の痛みを感じてもそれを糧に強く生きるけど、私は強いって優しいってことでもあると思うのよね。痛いから人に当たっちゃうって人間あるあるじゃない?だけど彼は痛みを知ってるからこそ他人に優しく寄り添える自分でありたいってこの詩で宣言しているわけで。それをMy Wayとして貫くのは簡単なことじゃないと思う。
(でもご本人と話してると本当にそれ大事にしてる人なんだなっていうのが分かる。)
おわりに
ふぅ。だいぶアツくなって沢山書いてしまった。誰かに読んでほしいっていう気持ちはもちろんあるけど、初めてラップに向き合ったこの日の気付いた事を忘れたくなかったので思い切りヘビーな文章量書いちゃった。
あと、友達でもない人の作品でも感動ってできるけど、
知人の作品を本気で聴いて本気でレポするってめっちゃ良いな。びっくりしたわ。受け取り方とか彼が伝えたかったメッセージを私がちゃんと正しく受け取れているのかは本人と答え合わせしないと分からないけれど、少なくとも絶対に言えることとしては、元気出た。前から(私が一方的に)思ってはいたものの、性格が少し似ているところがあったので共感できる部分が多くて。マイナスな気持ちになった時にその気持ちを踏まえた上で前を向ける詩を出されたらそりゃ前むいちゃうよな。
私も双極性障害の確定診断が出て、躁病相で会社で社長との関係ぶっ壊して実質のクビになった時一度死んだのよ。もうそれはそれはきつかった。
でもNO FACEのMy Wayが自分の屍越えて歩いてくって言ってるから
私も自分の屍こえて明日からも頑張って生きよ。