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単相の車載充電器


論文タイトル

A Single-Phase Interleaved Buck-Boost PFC Based On-Board EV Charger

書誌情報

IEEE Transactions on Industry Applications, 2023年11月/12月, Vol. 59, No. 6, pp. 7163-7174

著者

  • G K Naveen Kumar, Arun Kumar Verma 

Malaviya National Institute of Technology, Indian Institute of Technology

論文概要

本論文は、単相インターリーブ・ブリッジレス・バックブースト型PFC(力率改善型) AC-DCコンバータを第1段とし、ハーフブリッジLLCコンバータを第2段とする2段構成のオンボード充電器(OBC)の設計と実験的検証を行う。提案されたOBCは、広範な入力電圧範囲で力率1を実現し、AC-DC変換のための入力電流および電圧センサを必要とせず、信頼性を向上させコストを削減する。1kWの実験プロトタイプにより、入力電流THDは2.08%、ピーク効率は93%に達する。

論文の主張点

本論文は、インターリーブ・ブリッジレス・バックブーストPFCコンバータとハーフブリッジLLCコンバータを組み合わせた2段構成のOBCの設計を提案し、広範な入力電圧範囲で高効率かつ高信頼性の充電ソリューションを提供する。

背景

近年、電気自動車(EV)およびハイブリッド電気自動車(HEV)の研究と関心が急増している。これらの車両の心臓部であるバッテリーは、そのエネルギーを蓄える役割を果たし、非PFC充電システムは高調波を多く含む電流を発生し、接続された他の機器に悪影響を与える。そのため、EV充電ソリューションにはPFC回路が必須である。

研究の手法

提案されたOBCは、前段にインターリーブ・ブリッジレス・バックブースト型PFCコンバータ、後段にハーフブリッジLLCコンバータを使用する2段構成である。DCM(不連続電流通流)モードで動作するインターリーブ・コンバータにより、入力電流の波形整形とPFCが達成される。さらに、システムの設計方程式と定常状態の詳細な解析を示し、シミュレーションおよび実験によってその有効性を検証する。

実験またはシミュレーション結果

1kWのプロトタイプを構築し、85-265Vの入力電圧範囲で動作することを確認した。実験結果は、提案されたOBCが96.1%のピーク効率を達成し、従来のシステムと比較して大幅な効率向上を示した。また、入力電流THDは2.08%と低く、ユニティパワーファクターを実現した。

結論

提案された2段構成のOBCは、高効率かつ高信頼性の充電ソリューションを提供し、広範な入力電圧範囲での動作を実現する。これにより、EV充電システムのコスト削減と性能向上が期待される。

この論文の位置づけ

本論文は、インターリーブ・ブリッジレス・バックブーストPFCコンバータとハーフブリッジLLCコンバータを組み合わせた新しいOBCアーキテクチャを提案し、EV充電システムの設計と実装における重要な進展を示している。これにより、EV充電システムの効率と信頼性が向上し、将来のEV普及に向けた基盤が強化される。

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