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パワエレ論文要約 20240611


タイトル

Operational Verification of Gate Drive Circuit With Condition Monitoring Function for Gate Oxide Degradation of SiC MOSFETs

書誌情報

IEEE Open Journal of Power Electronics, 2024, Vol. 5, pp. 709-717

所属・著者氏名

SHIN-ICHIRO HAYASHI, KEIJI WADA
Chiba Institute of Technology, Tokyo Metropolitan University

論文概要

この論文は、シリコンカーバイド (SiC) MOSFETのゲート酸化膜劣化を検出するためのコンディションモニタリング機能を備えたゲート駆動回路を提案した。酸化膜にトラップされた電荷がオン抵抗やゲートしきい値電圧の変動を引き起こし、これが電力変換回路の長期信頼性に影響を与えまる恐れがある。そこで,モニタリング機能は、ゲート-ソース電圧 (vGS) に対する入力容量 (Ciss) 特性の測定によって劣化を検出する手法を提案した。400 Wの降圧コンバータ回路で実験を行い、オンラインでCiss-vGS特性を測定する能力を示し、オフラインの測定装置と同様の結果を得た。

研究対象

パワーデバイス,ゲート駆動回路

論文の主張点

本論文は、SiC MOSFETのゲート酸化膜劣化を検出するためのゲート駆動回路の有効性を実証し、この技術が電力変換回路の長期信頼性を向上させる可能性を示した。

背景

SiC MOSFETは高い破壊電圧を持つため、電力デバイスとして優れた性能を発揮しますが、長期使用によりゲート酸化膜が劣化することが報告されています。電力変換回路の故障の多くがパワーデバイスに起因しているため、劣化を検出し信頼性を向上させるシステムが求められています。

研究手法

本研究では、SiC MOSFETのCiss-vGS特性を劣化の指標として使用し、温度依存性がほとんどないことを理論的および実験的に示した。さらに、降圧コンバータ回路を用いてゲート駆動回路の動作を検証しました。

結論

提案されたゲート駆動回路は、SiC MOSFETのゲート酸化膜の劣化を効果的にモニターでき、電力変換回路の信頼性向上に寄与することが確認されました。

論文の位置づけ

本論文は、SiC MOSFETの長期信頼性を向上させるための新しいコンディションモニタリング技術を提供し、この分野の研究において重要な一歩となるものである。

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