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ネパール29日目:Lumbini Museum、丹下健三、夜行バス移動

12月05日(木)
蚊の襲撃はほぼなく疲れが溜まっていたせいもあり、かなり熟睡できました。午前7時前です。今朝も窓を開けても視界が霧で遮られています。この時期のルンビニは毎日こんな感じなのでしょうね。

朝食は徒歩7~8分の所にある行きつけになったレストラン。今朝もお店に入ると顔見知りになった感じの笑顔で対応してくれました。いただいたのはAalu Parathaとコーヒー、合計230NPR。ポテトのパンケーキのような感じで、ちょっとピリ辛ソースをつけて食べました。ヨーグルトも少しついて来て美味しくいただきました!

Aalu Parathaとコーヒー

今日は移動日でもあるのでチェックアウトの時間ギリギリまで集中してnoteを書き進めました。落ち着いたところでチェックアウトのためスーツケースを持って降りて行き、一応チェックアウト。移動は今晩7時頃のカトマンズ行きの夜行バス。まだかなり時間もあるのでスーツケースを預かってもらい、昼食を摂ることに。

ランチはホテルの斜め向かいにある小さなレストラン。少し風邪っぽい感じがあったので、お店の人に蜂蜜入りのレモンティーを注文しつつ相談したところ、それならラム酒に白湯を混ぜて飲むと効果があると進められ、それを注文しました。ネパールに行ったらだいたいどこのお店でも置いているKhukuri(ラム酒)の小瓶を開け半分グラスに注ぎ、お湯で割ってくれました。昼からお酒を飲む背徳感はありましたが、風邪気味の症状が改善されればと期待して飲んでみました。2週間ほど前にSalleriの町のホテルで出会ったエベレストのガイドさんからもKhukuriのラム酒をいただきましたが、体が温まり効果的面でした。やっぱり高低差があるところを移動して来ているので、体の体温調整がうまく行ってないんでしょうね。お腹も空いていたのでスープに使った小籠包みたいなJhol Momoをいただきました。ネパール料理の私の大好物の一つです。

Khukuriのお湯割

それから体調もある程度整って来たので、数日前に地図で見て興味を持ったLumbini Museumに行ってみることにしました。この建物はレンガ作りでアーチが綺麗な現代風の建物でした。実はネパールに来てすぐに伺ったTaragaon Nextの建築にも似ていて建築士は同じ人かなと思っていたのですが、このLumbini MuseumはじめLumbini Gardenのマスタープランは日本人の丹下健三さんが手がけられたとのことでした。

ルンビニに来てからこの敷地内を歩いていると屋根がアーチ型の綺麗な建物が点在していて目を惹きます。Lumbini Museumはそれらの中の主要な建物で他のものよりも少し複雑で大きな構造になっているようでした。隣にはLumbini International Research Instituteもあり、そちらも同様のスタイルでさらに大きな建物がありました。

インターネットによるとLumbini Museumは入場料が必要のようでしたが、入口に行って問い合わせてみると無料で入って良いとのこと。ラッキーでした。入ってみると天井が高く、数カ所階段があり、アーチがアーチを支え、外光がしっかりと差し込み、レンガの自然な色が綺麗な空間でした。展示物は仏教関係の歴史的な物品の数々。高僧の衣装やテラコッタでできたオブジェ、仏像などが程よくディスプレイされていました。

これは私の先入観なのですが、日本でレンガというと赤レンガ=ヨーロッパからの輸入品のようなイメージがあり、比較的新しい素材だと思っていまして、カトマンズ大学のSanjeep教授とPatan Museumに行った時にレンガはネパール特有の伝統的な素材かどうかを聞いたことがありました。その際、ネパールではレンガを歴史的に使用していると言われたので、なるほどと思っていましたが、昨日、Mayadevi Templeの2,600年ほど前の史跡にもレンガが使われていたのを見てよく理解できました。実はルンビニ周辺を移動中に煙突が見え、レンガやテラコッタの焼き物工場が近くにあるなと思ってもいて、ネパールの焼き物に関しても興味を持ち始めていたところでした。後日教えてもらいましたが、ネパールには釉薬の技術が入って来た時期が比較的遅く、あまり定着しなかったようでした。素焼きの一回限りのコップなどは売店でお茶を飲んだり、ズーズーダウの容器として今だに普及している様ですが。

Lumbini Museumを一通り見て周り、隣のLumbini International Research Instituteの玄関付近や建物を眺め、その辺りをうろちょろしていたら、少し向こうにドームが見えました。International Buddhist Conference & Meditation Hallという建物です。興味のままに入り口まで行くとセキュリティーの人たちがいましたが、中に入れてもらい見学させてもらいました。なかなか圧巻なホールでした。どうも仏教を教える大学の施設の様で、卒業式か認定式が終わった後片付けをしている最中の様でした。ちなみに床はゴミだらけでした…

それからまだ興味があったけど行けていなかった日本山妙法寺に行ってみることに。Mayadevi Templeの真向かいにあるのですが、かなり向こうのほうにあったので行く機会を逃していました。Lumbini Museumからさらに30分ほどの場所にあり途中寄り道をしながらようやく到着。ポカラで見た仏塔と同じスタイルの建物です。この辺りは平地なのかなり遠くからでも存在感がありました。しっかりとお参りをして徒歩でホテルまで戻ろうとしましたが、流石に疲れも溜まり、トイレも行きたかったので、エコ・三輪車の勧誘に甘えてホテルまで戻ることに。助かりました。

この時点で午後3時前、今晩の夜行バスのためにも体調を整えたかったのと体調がイマイチだったので、レストランで蜂蜜入りのレモンティーをいただき休憩しました。ホテルに戻ってオーナーとルンビニの見聞の報告。夜行バスまで時間があるので夕飯を食べようかどうかを適当に話していたら、「ダルバートはあんまり消化が良くないから、長距離移動の前は控えたほうがいいかもね」と地元の人の視線で助言をくれました。この後、夜7時から翌朝8時頃までの13時間の夜間の長距離移動を考えると、あまり食事は取らないほうがいいなと思っていたので、この助言はとても助かりました。それでも少しお腹が空き始めていたので、ルンビニの中でもベジタリアン・フードの品質が高くて評判のSat Sahebというお店でハーブティーをいただきました。

それからバス乗り場を確認し、バスの乗車時間までホテルでオーナーとお話し。オーナーさんが生まれたのはここではなくもう少し南の方でLumbiniがここまで発展していなかったらしく、小さな頃はテントで暮らしていたそうで、大人になってから銀行マンとして働き、それから現在の場所で2~3部屋しかない小さなホテルを経営し始め、今では3軒のホテルを経営しているとのことでした。80年代くらいには日本人の人たちが多く訪れ、寄付や援助などを近隣の小学校などでしてくれた様でした。今はそういった日本人の姿を見る機会が減って来たと教えてくれました。私もお話を聞きながら、日本が発展し経済的に豊かになった80年代くらいは、お金の幸せに疑問をもった人たちが慈善活動に力を入れ始めた時期でもあるんじゃないですかねと伝えました。今の日本は色々な問題が噴出し、なかなか余裕がなくなって来ているのが現状ですとも伝えました。

そうこうしていたら、バスの乗車時間になって来たので、最後にオーナーとお孫さんと一緒にセルフィーをしてバス乗り場へ。Saleena Queen Sofa 2 x 2 Seatというバスで、結構立派なバスでした。シートも大きめ、リクライニングができ、毛布も付いていてかなり快適な乗り心地。

外はすでに日が落ちて、暗い中出発。しばらく他の乗客を拾いながら進み、とあるバス・ターミナルで停車。休憩かなと思っていたのですが、一向に進みません。バスから降りて他の乗客と話してみると、バスのトラブルだそうです。たぶん、30分くらいトラブル対応していた様ですが、結局、運転手の顔も曇り顔で治ったかどうかわからないまま、再出発。これでいいのかなと思いつつ。またしばらくシートに身を沈め、静かに過ごしました。

それから深夜前に休憩がありました。山道の中間地点で街灯もない道のレストラン。トイレ休憩かつ夜食休憩でしたが、なかなか冷え込んでいます。通りすがるバスやトラックのライトが交互にすれ違います。レストランの前には落ちていた木で焚き火をして暖をとっている人たちが、その背後には「Public Toilet」という標識が傾いています。完全や野営スタイル。トイレも降りの階段の途中に数個設置してあり、かなり暗い。他の乗客の人たちの数名はお腹が空いていたのでしょうね、ダルバーとか何かを食べている様でした。私は焚き火の近くで暖まり、しばらくしてバスに戻りました。日本のサービスエリアに相当するところだと思いますが、この光景は結構衝撃でした。

おやすみなさい。

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Keijiro Suzuki
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