もっと聴きたい・話したい、書いておきたい その2
古代文字のはなし
造形作家K氏が我が家を訪れた際、今度S氏の処に行くが彼も大のコーヒー好きだと話してくれた。その後、K氏からLINEでS氏が私のことに興味を持ったので紹介したから多分娘さんから電話があると連絡が入った。
娘さんから私が次回NASUに来たとき、紹介者のK氏と3人で行きたいと連絡があった。私はこれまで参加したマルシェで何度かの姿を見かけたことがあり、きっとあの人たちだと想像がついていた。キリッとした紳士で梵字に関心のある陶芸家のM氏の元に行くのだが、珈琲を出していた私のブースには関心を示さなかったのが残念だった。
時間前に来るなと想像ながら横になっていたら、案の定30分前に電話がなった。
厚い和紙に手書きの名刺を名前しかありませんがと出され、「お偉い方は名前だけで十分です」と私。慌ててネットプリントで注文した名刺の箱を開ける。帯をカッターで切る。氏はモンブランの万年筆を出し、住所、携帯番号までか書かれた。さすが達筆である。
この落款はK氏が紹介してくれた彼の友人の作です。落款ってわかります? 私は中国に行ったとき土産に石と刀を買っていたが、今日はいつものおしゃべりを抑えると決めていたので聞きに回った。
S氏が訪ねたとき落款の作者は亡くなっていた。作者の母親は理解してくれる人に使ってもらうほうが良いと譲り受けたものです。感激したのかツマは涙くんだ。
私の名刺を見て、「田」の字がありますねこれは今はこう書きますが、昔はこうと田の字の隣に更に田の字を書き足したがそれは大きな長方形な田で、更に後もと田を書き足してゆく。感激した私は先日見てきた棚田はどのように書くのですかと質問。
さらに名前の「示」についても解説、神、祈ると連れに敬うように話す。
ご自宅はここから車で7、8分とのこと是非いらっしゃいとお誘いを受けた。
文字の研究で講演会をこなす一方、作品も発表している。東日本大震災のあと、虚無感を晴らすため「無舞」の文字を作品にしたという。「無」も「舞」も元は同じ意味だったそうで、スマホの写真で見せて頂いたその作品は両手に笹を持って舞う巫女さんの姿を容易に想像されるものだった。私の嫌いな筆順はあるのですか? ないそうだ。
私の珈琲体験を話す。珈琲は好きだが知識は全く無く「やまや」で四角く真空パックされたイタリアの珈琲を購入、開封すると濃く細かいコーヒー粉だったがそれをドリップして飲んでやけに苦いなと感じた話をした。受けていた。後にそれがエスプレッソ用だったことを知った。
エスプレッソというと白河の自家焙煎店のご主人は話し好き、私も敵わないと話すと、「自分の用があり、時間がない」と早々にお暇すると。なるほど。
どうも一人で研究、集中することが多く、ワシのように初めてあった人に自ら話しかけることはないようだ。これでマルシェでの親子の行動が理解できた。知り合いのM氏のブースに直行し話が終わると直ちに帰る。ほかにどんな店が出でいるかなど気にしないのだろう。
MOMAの話題 ほら連れて行っただろう。娘さんに問いかける。怖がることを知らない私の「ニューヨークartな旅」の話をする。ブルーノートでは2階の演奏者控室に上がって、紙を用意していないので、直前に買ったフェレットの古本にサインをもらった。コットンクラブで黒人女性シンガーが歌い終わったとき、初めての欧米流ハグをしたところ、歌い終わったばかりで頬は汗だらけで、その感触のみが残った話をした。
帰り際、娘さんは「この30日間で今日が一番笑った」と。
こんなワシに……。