採用を8年経験した僕が大切にしている候補者とのコミュニケーション
こんにちは。マネーフォワードで中途採用部の部長をしています、川口です。
マネーフォワードは「お金を前へ。人生をもっと前へ。」をMissionに掲げ、 SaaSやFintechの領域でサービスを展開している会社です。
現在、創業から10年が経過し、提供するサービス数は40を超えています。
そして、今後も「すべての人の、『お金のプラットフォーム』になる。」ことを目指し、国内外で事業拡大を目指します。
僕はこれまで、主にベンチャー企業で人事やバックオフィス関連のキャリアを歩んできました。マネーフォワードへは2022年9月に入社し、主に中途採用を担当してきました。
プライベートでは、5歳と1歳のパパで、家族との時間が1番の癒しです。
普段このように公の場で情報発信は滅多にしない(というか正直避け続けていた)のですが、HERPさんに「候補者と企業とのより良いコミュニケーション」の企画にお声がけいただいたので、勇気を出してお話しできればと思います!
採用担当者の役割とは
いきなりの問いかけとなりますが、皆さんが考える「採用担当者の役割」とは何でしょうか?
採用プロセスの実行と改善
社内の募集枠を埋めること
求職者の人生のターニングポイントに寄りそうこと
など、人によっていろいろな考え方があるはずです。
この問いに対して絶対的な答えがあるわけではないのですが、マネーフォワードの中途採用部では、採用担当者の役割を「会社や事業の発展・成長と組織の活性化を目指し、会社にマッチする優秀な人材を獲得すること」だと考えています。
マッチングで重視するポイント
「じゃあ会社にマッチする人材とは?」と言うと、これは話し始めると3時間くらい余裕で話せるトピックなのでどう書くか悩ましい部分なのですが、マネーフォワードで最も重要視している基準は、MVVC(Mission/Vision/Value/Culture)のマッチングです。
MVVCに共感できない、つまり「同じ方向を見られていない」ということは、組織づくりや事業成長において致命的な影響を与えると考えています。
そのため、どんなにスキルや経験が魅力的な方でも、MVVCとマッチングしていない限りは採用しません。
マッチングのために採用担当者がすべきこと
では、どのようにMVVCのマッチングを判断しているのか。
わかりやすく「判断」という一方的な言葉を使いましたが、「すり合わせる」の方が感覚的には適切かもしれません。
というのも、会社だけではなく、候補者の皆さん一人ひとりにも、人生のミッションがあると考えており、それが会社のミッションと合致している(どちらかに合わせるのではない)ことが、大事だと考えているからです。
そして、そのような「自己実現ができる会社えらび」をすることがウェルビーイングな人生を実現する一歩目であり、「人生をもっと前へ」進めるために大切なことだと考えています。
そこで、企業と候補者のお互いのミッションをすり合わせ、入社していただいた場合にお互いに幸せになれるかどうかを確認することが、「候補者と企業とのより良いコミュニケーション」の目指す姿なのではないか、というのが自分なりの結論です。
ということで、ここからはその目指す姿を実現するために、僕が日々どんなことを意識しながら候補者と向き合っているか具体的な方法をまとめていきます。
コミュニケーションの大前提は「Fairness」
マネーフォワードのValueの1つでもある「Fairness」ですが、個人的には、候補者の方々とコミュニケーションする際、大事している考えでもあります。
お互いに目指すMission/Visionをすり合わせるためには、本音を話せるよう候補者と企業の間にあるバイアスは限りなく取り除き、お互いにフェアな関係性を築く必要があると思っています。
僕が考える、「お互いにフェアな関係性」というのは、具体的にはこんなイメージです。
【企業→候補者】
・採用ターゲットではなく人と人としてフラットに向き合えている(相手を見定めるのではなく、お互いにわかり合う)
・選考の場は、候補者の人生のターニングポイントになっているということを自覚して真摯に向き合えている
・会社のネガティブに捉えられそうな情報もちゃんと伝えられている
【候補者→企業】
・企業に合わせて自分を飾らず、ありのままの価値観やストーリーを話せている。
・(自分のためにも)自ら受けている企業のことをちゃんと調べて知ろうとする。面接や面談の時には事前に情報をキャッチアップして自分なりの解釈を持ち、それに基づいた質問を準備できている
・「面接だから言わない方がいいかも・聞かない方がいいかも」というようなことをちゃんと伝えている
採用の際に、企業と候補者がやり取りするのは、全て「互いのニーズがマッチしているかすり合わせるため」だと、僕は思っています。どちらかだけでなく、お互いが「自分にピッタリだ」と感じた時に、企業・候補者ともに幸せな採用になります。
そして、マッチングを確かめるためには、どちらか片方ではなく、お互いが勇気と努力を持って、フェアな関係性を意識して向き合うことが必要です。
そのような見極める・見極められる関係性の一歩先にある、本音を話し合える関係性が、「候補者と企業とのより良いコミュニケーション」に繋がるポイントの一つではないかと思います。
とはいえ、やっぱり候補者側にとっては面接って緊張しますよね……。
僕もマネフォの最終面接で、CTOの中出と話した時は平気なフリして、内心かなりドキドキしてました笑
時々遠慮せずに自らその環境を作れる候補者もいますが、多くの人が緊張してしまうと思うので、僕は企業側が意識して「Fairness」を感じられる環境を作ってあげるべきだと考えています。
僕は日々以下のような行動を意識しておこないバイアスを取り除くようにしています。
面接前に応募書類を読み込み、相手がリラックスできるような渾身のアイスブレイクを準備する(スベることもありますが笑)
高圧的に感じ取られてしまう所作を意識して無くす
無表情、腕を組む、目を見ない、タメ口といった所作など
自分がどんなスタンスで面接に望んでいるか冒頭で説明する
質問するだけじゃなくて自分も自己開示をする
もしやっていないことなどあればぜひ試してみてください。
相手にとっての幸せを本気で願い・考え・関わる
テクニックよりも、これが1番大切なことかもしれません。
これまで8年近く、採用活動を行っていて、お恥ずかしいですが、選考で候補者の方と表面的な関わり合いしかできなかったな……と、反省することも、かつてはありました。
そういったケースでは、やはり入社後に企業、候補者ともにギャップが生まれてしまい、お互いに苦しむことになっていました。
その背景には、採用担当者として「自分の企業に入社して欲しい」という思いが強すぎて、採用のためのコミュニケーションや情報提供をおこなうなどといった、相手の本当に幸せなキャリアを考え切れていなかった言動をしてしまっていた、という背景があったと思います。
そこから今は、採用担当者である前に相手の人生のターニングポイントで出会った1人の人として、選考を通じて、本当にやりたいことを見つけて欲しい、自社に来ることが候補者にとって幸せなのか、人生を前へ進める提案や情報提供ができているのかと、いう姿勢で向き合うようになりました。(その結果、自分の企業にそれがあれば最高、みたいな)
この姿勢を意識するようになってからは、選考を通して候補者の方から感謝してもらうことも増え、選考結果や入社有無など関係なく、会社のファンになってもらうことも圧倒的に増えたように感じています。
そして、そのようなフェアで相手の幸せを本気で考えた「候補者と企業とのコミュニケーション」が「会社や事業の発展・成長と組織の活性化を目指し、会社にマッチする優秀な人材を獲得すること」に繋がるのではないかと考えています。
最後に
色々と書かせていただきましたが、僕自身、まだ完璧に書いたことを実践できていない部分もあり、理想を実現するために日々葛藤し続けているのが正直なところです。これからも記事に書いた価値観やスタンスを見直し・アップデートしていきたいと思っています!
そして改めて、これまでの僕のキャリアにおいて、このスタンスや価値観で採用業務に向き合うことを認めてくれている企業や、その仲間に出会え続けていることに、感謝しないとだなとしみじみと思っています。
最後に、めちゃくちゃ宣伝しちゃいますが、今いるマネーフォワードの人事組織も、そもそもFairnessというValueがあったり、こういう思いを共感してくれる人が集まっている組織なので、もし共感してくださる方がいたらぜひ弊社のこともチェックしてみてくださいね笑
ということで、最後まで読んでいただきありがとうございましたー!!