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裁判所からの手紙

裁判所から1通の手紙が届きました。

裁判所からの手紙は<特別送達>という特殊な形で届きます。

特別送達とは、郵便法の規定に基づく[一般書留の特殊取扱郵便物]のことです。裁判手続に関する書類の多くはこの特別送達で送られます。
大きな特徴として、この特別送達で配達された郵便物については『正当な理由なく受け取りを拒むことはできない』と決まっている点です。
受け取りの際はサインや印鑑が必要なので、不在の際は一旦、通常の不在通知が郵便受けに入れられます。
仮に受取拒否をしても配達員は後日そのままその宛先住所に差し置くことで、配達が完了することとなってます。
よって、受け取っていないと弁明しても受け取ったとみなされているため、郵便物の内容によっては受取人に大きな不利益が発生することがありますので、必ず受け取り、その内容を確認することが非常に大切です。

私には身に覚えのある裁判所からの通知ですので、開封せずとも送られてきたタイミングでなんとなく中身がわかります。
今回は<公判前整理手続に付す>旨の通知です。

公判前整理手続の歴史は意外と短く、平成17年スタートの制度のようです。裁判員が参加する全ての裁判はこの公判前整理手続が行われます。

私の事件は裁判員裁判の事件ではありませんので、この制度を利用しなくてもいいのですが、全面的に争っている事件の為、検察側が持つ証拠を数多く事前に開示させた中で争点を明らかにする必要があるのです。

この公判前整理手続が開始される時、検察側より任意で証拠が開示されますが、それらは証拠の全てではなく、特に被告人側に有利な証拠は殆ど開示されません。その任意開示証拠をもとに、検察側が開示しきれていない証拠を開示するよう検察や裁判所を説得して開示していく作業となります。(類型証拠開示)
そこで、その証拠に同意するか、しなければ証人尋問を行うかなどを裁判官・検察官・弁護人で協議して初公判に向けた準備を行なっていきます。
被告人も任意で参加できますが、この4者以外は参加も傍聴もできません。

幸いなことに、今回は公判前整理手続に付されましたので、検察側からの<(手持ち)証拠一覧表>をもとに証拠開示請求をかけていきます。

捜査機関が集めた私の事件に関する証拠はのべ数百にのぼります。
一部の証拠は私も取り調べ段階で目にしておりますが、正直言って内容は凄いですよ。国家権力をナメてはいけません。
(細かいことは書けませんが、本当にビックリするレベルです。)

でもこれだけ証拠が上がってきても「すみません、私がやりました」と自白をさせるだけの証拠は一つもありません。

それはそうです。この事件の犯人ではないので。

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