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被疑者ノート

ここまで、私が経験した逮捕勾留&取り調べについての詳細を記してまいりました。

こうしてnoteに執筆できるのも、この<被疑者ノート>のおかげであります。

【実物】
被疑者ノート 
(日本弁護士連合会発行)
* 私の書いたものは公判前につき、現時点ではお見せできません。。。
すみません😅

弁護士先生より勾留直後から差し入れられ、事件に関する取り調べの内容を中心に、担当刑事から浴びせられた暴言や違法な供述調書の作成に至るまで克明に記録した雑記ノートであります。

被疑者ノートには予めアンケート形式で記入項目が並んでいます。

その通りに記入していけば、まず弁護士先生が知りたい必要な情報が記入できるようになっています。具体的には,以下の項目が並んでいます。

① 取り調べ日時 ② 天候 ③ 取り調べの場所 ④ 取調官の氏名 ⑤ 取り調べの具体的な内容 ⑥ 取調官の関心点 ⑦ 取り調べ方法(黙秘権の告知、録音録画の有無、暴行・脅迫の有無、利益誘導の有無) ⑧ 取調官の態度 ⑨ 自身の対応(供述内容、調書について、署名押印に応じたか) ⑩ 理解できない点や不満な点 ⑪ 訂正されなかった点 ⑫ 調書作成時の自身の心境 ⑬ 健康状態 ⑭ 弁護人についての話題 ⑮ 雑談内容など

被疑者ノートには記載例もありましたので、最初は参考にしながら記入してみましたが、数日後、そんなことは一切関係なくその日の取り調べの一部始終を余白も使って、ビッシリ記入しました。
(お互い無言でない限り、取り調べが終わった段階で色々書き残すことがあります。)

書くコツとしては、”記憶が鮮明なうちに書くこと”!
やっぱり、これに限ります。刑事の暴言もリアリティーが違います。

それに、後からまとめて書こうと思っても、人間の記憶って大したことありません。

書き終わったら、最後に記入日の日付を記入し、その記入日以降はそのページにはなにも書き加えないようにしましょう。裁判で資料として使う際、後から書き加えたことで、改竄したと言わせないためです。

筆記具(ボールペン)は留置場の担当さんに言えば貸してもらえます。
自傷防止のため、留置場で借りられるボールペンは普通一般に流通しているボールペンとは違い、ペン先の芯の部分が少ししか出ていないものとなります。
自分で用意したもの、差し入れられたものは使えません。

で、このボールペンの書きづらいのなんのって・・・言葉に表せられないくらいの代物です。書いている際、ペン先が見えないので、目隠しして文字を書いているような感じがします。

他の人の被疑者ノートをネットとかで見ると、皆さん、とっても字が綺麗で感心します。私の被疑者ノートは何て書いてあるか読めません(汗)。
弁護士先生と接見で説明する際も翻訳が必要でした(笑)。

ちなみに、この被疑者ノートは基本的に警察関係者が見てはいけないものになっています。(憲法に由来する<秘密交通権>の保証を受けています。)

ただ、留置場の担当さんは、我々が寝静まった頃に密かに見ているようで、運動の時間とかに
「○○番、昨日は大変だったようだな」
と言われたりしますので、こちらも
「あぁ、被疑者ノート読んだな?」と悟ったりします。

取り調べの出来事を中心に、克明な記録をしていますので、担当さんにとっても読み物としてはきっと面白いんでしょうね。

ただ、気をつけないといけません。過去には他所の警察署のケースだと
・大事な記述箇所を黒塗りされたり
・シュレッダーにかけられたり
された事例もあるようですので、あまり信頼しすぎるのも注意が必要です。
見られてるとわかったら、それなりの対処をした方が良いかもしれませんね。

取り調べ以外にも、私はこの被疑者ノートに、第三者の犯行の可能性や証拠についての不自然な点なども日々記入してまいりました。
また、取り調べにおける弁護士連合会からのアドバイスも沢山書かれており、勾留期間中における自身の心の支えにもなりました。

否認事件では、特に必要なツールかと思います。

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