第5回公判
この裁判も早いもので5回目となりました。
期日未定のものもありますが、おそらくこのあたりが折り返しかと思います。
まだまだ先は長いですが、ここまであっという間でした。
弁護士先生も同じように申しております。それだけ我々の戦いも密度の濃いものとなっています。
さて、本日も2人の検察側証人を尋問する公判廷です。
1人目。
検察官の主尋問を聞いていると、質問と回答の内容がおかしく感じます。
弁護士先生が何度も異議を申し立てます。その原因はすぐにわかりました。
それは、検察官がこの証人に対して行っている尋問はほぼ『伝聞からの回答』となっているからです。我が国の刑事司法では例外を除き、この伝聞証拠は証拠として扱うことができないと規定されています。
少し難しい説明になります。
供述証拠というものは、知覚・記憶・表現・叙述の過程を経て公判廷にあらわれます。そして、当然ながらこの各過程にあって誤りが生じる可能性もあります。それは見間違い、記憶違い、言い間違い、嘘をついているなどの可能性があるからです。この誤りの可能性は、対立当事者などによる反対尋問によって正され、本人の一通りの供述だけをそのまま証拠とするのと比べて、裁判の過程で証拠として取り扱うのに支障のない程度までまとめられるものと考えられています。そして、この当該供述を証拠として取り扱って良いかどうかは、証明力の問題として別途吟味されます。
しかし、
証人の供述が又聞きのようなものを伝聞証拠という形で公判廷に提示すると、対立当事者や裁判官は反対尋問をすることができません。もっと分かりやすくいうと、原供述者の誤りについては反対尋問をすることができないということになります。原供述者の供述に誤りがないかは、原供述者を反対尋問しなければ確認することができず、それを聞いたという証人を尋問しても、確かに原供述者がそう言っていたかどうかについてそれ以上の検討ができません。したがって、伝聞証拠を証拠とすると事実認定に誤りを生じさせる可能性が高いことから、証拠能力を否定して原則これを証拠とすることは出来ないとしているのです。
検察官はこの証人に対しての質問を変更しようと試みましたが、断念しました。当初から直接証拠のない事件ですが、これは有罪判決に向かっての『誘導』であり、決して許されるものではありません。聞いていれば事実と異なる内容も含まれています。それ以外の書証も不完全な内容でした。今回は我々も少々驚く内容の証人尋問でした。
2人目。
主尋問も反対尋問も淡々と答える検察側証人でしたが、反対尋問の内容に【偽証】が含まれていました。これには弁護人側から証言を覆すだけの証拠もあります。
弁護士先生が別にこの証人を偽証罪に問うことまではしないと思いますが、とても驚きました。我々がそこまで調査してないと思ったのでしょうか。
いつもお伝えしている通り、私はこの事件の犯人ではありません。
だからこそ、相手はこのようなやり方で私の犯人性を高めようとしています。
こんなことが絶対に許されるわけがありません。
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