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同行室という名の待合所

検察庁における取り調べ以外の豆知識をご紹介します。

しばしのドライブで外の世界を感じた被疑者たちは検察庁に到着するとそのまま腰縄で数珠つなぎの状態のまま検察庁内にある<同行室>に向かいます。

ここで一番驚くのは軍隊並みの点呼があるということでしょうか。

点呼は拘束されている警察署名と留置番号を大声で呼ばれます。初めての時は私もこの雰囲気に圧倒されましたが、2度目からはすぐに慣れることができました。

到着時の点呼で被疑者の人定が確認できると、15前後ある檻のどこかに収容されます。この檻のことを同行室と呼んでいます。
警察署・拘置所・刑務所に檻があるのは皆さんご存知かと思いますが、地方検察庁にも檻があるんです。

この同行室には1室あたり5〜8名くらいまで入れられるのですが、検事に呼び出された目的別にグループ分けされております。
ぱっと見、留置場とさほど変わりない光景なのですが、檻によっては昔あった駅の待合室なんかで見たことのある1人がけの椅子やベンチ型の椅子が設置されている部屋もあり、留置場とはちょっとした違いがあったりしております。

私のいた警察署は知能犯や経済犯で捕まった被疑者が多く、留置場も平和だったんですが、ここは違います。それこそ、反社会的組織に所属してる方であろう外見的に怖いおじさん、薬物犯罪で精神状態がおかしそうな人や、はたまた殺人などの重大犯罪を犯した人とも同じ檻に入れられることもあるかと思います。

何が言いたいのかと言いますと[空気(雰囲気)が悪い]んですね。

室内には注意書きが掲示されています。
基本的なルールとして、同行室内は<会話厳禁>とか、横になったりすることも禁止であるとか。そういったことが壁に記載されております。

室内で声を発することは担当職員に用事があること以外できませんが、畳敷きの同行室は中で歩き回ることは可能となってます。
で、待機時間が長くなってくると、近づいたりしてくるんですね。その怖そうな方達が・・・。突然暴れられたら怪我するであろう状況の中、数時間恐怖を感じるのであります(笑)。

この同行室も食事だけは留置場と同じ日課となっており、その時間に上手く当たれば食事(弁当)が提供されます。
早く食べ終われるよう、量は少なくなっていますが、その分、味は美味しく感じました。
あくまでも想像ですが、一食あたりの単価は留置場も同行室も同額で決まっていて、量が少なくなればその分、良いおかずが使えるということなのでしょうか。真偽は不明です。

集中護送で検察庁に来た場合、自分の取り調べが終わったからといってもすぐに帰れる訳ではありません。
バスには行き先別の<系統>があって、その系統に何人か乗れるようになるまで、雰囲気の悪い同行室で待機させられます。

人数が揃ったら、順送の逆でそれぞれの留置施設に戻されます。

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