留置場の裏側
ここ最近、留置場で被疑者が死亡する事件が相次いでいます。
今回はそのことについて書いていきたいと思います。
留置場で被疑者(被告人)が死亡するケースというのは主に3つの原因があります。
① 病気等による自然死
② 自殺
③ 職員による暴行
これ以外に収容者が死亡するケースはほぼありません。
①と②はある意味仕方ありません。留置場内での自殺は(ここでは書きませんが)やろうと思えばできます。問題は③です。
留置場内では、大人しくしていれば問題ありません。
注)刑務所は別。いじめがあるようです。
ただ、何かの弾みで留置場職員(担当さん)の言うことを聞かないと、そこは「修羅場」と化します。
一番多いトラブルは<出房>しないことによるものです。
房(牢屋)には1日中いることはできません。以下の際には必ず房から出なくてはなりません。
・取り調べ時
・寝具貸与時
・同 返却時
・洗顔時
入浴と運動は任意ですが、上記のタイミングでは必ず出房しなくてはなりません。ここで、牢屋内部の点検と収容者自身の身体検査を行うからです。
トラブルのほとんどはこの時に起こります。
被疑者が出房を何らかの形で抵抗すると、職員が「さっさと出ろ!」などと大声で収容者を恫喝します。ここで房から出ればとりあえずその場は収まりますが、出ないと屈強な職員によって引きずり出されます。その際、暴れたりなどすると、殴る蹴るの暴力行為に発展することもある訳です。
暴れてしまった収容者はすぐに保護房と言われる個室に連れて行かれます。ちなみに私の居た警察署では「スイートルーム」と呼ばれていました。
保護房=懲罰房ですので、必要に応じて拘束具もつけられることもありますが、問題なのは、ここは音すら漏れ聞こえない密室であるということです。
ここでは留置場職員から何をされてもわからないのは勿論、証拠も一切残ることがありません。私が留置されていた時も何名かこの保護房に連れて行かれました。怖いと思ったのは、そこから収容者が戻ってこない時です。
私のいた留置場は奥に「少年室」と「女性収容室」という別房もありました。ただしそこは名ばかりで、新入りは別房で数日間観察されているようでした。(全てではありませんが、私はそうでした)
ちなみに余談ですが、観察が終わった新入りは真夜中に一般房へお引っ越しさせられます。面白いのは、一夜明けたら収容者の顔ぶれがコロコロ変わっていることです。独居から雑居になる時の引越しも就寝後の深夜です。私の居た留置場はそんな感じでした。
その別房に保護房から出された収容者も来るのですが、痛みを訴えたり嘔吐の声がよく聞こえてました。でも、その声を聞いて担当さんが来ることはありません。仮に保護房で暴行されていたら、ここで自然に治るのを待っていたのかもしれません。
私がこの警察署の留置場にいた期間は約1ヶ月間でしたが、保護房に入れられた収容者がこの一般房に戻ってくることはありませんでしたので、実際に何があったのか、真実はわからずじまいです。
基本的に逮捕されたら、被疑者の言い分は一切信じてもらえません。警察に暴行されても証拠がなければ表沙汰になることもありません。
そもそも、保護房に入れられる収容者自体は少ないので、そこで暴行があり収容者が死亡してしまっても「たまたま」で片付けられているケースがあると思うのですが・・・。
留置場内で死亡というニュース、多すぎると思いませんか?
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