NO.14 「あるくみるさがす」 三宅島は強敵(2023年4月中旬2泊3日)
大島、新島、八丈島に続き三宅島を訪れた。
東京諸島(伊豆諸島と小笠原諸島を合わせたニックネーム)には有人島が11島ある。できればすべて行ってみたいと思っている。
その心は、東京の近くに(中に)、こんなに魅力的な島々が沢山あることを知ること。そして自分の「魂が落ち着く究極の場所」がないかを探すことだ。
だから「あるくみるさがす」とタイトル付けしている。
三宅島というと、「火山が噴火して住民が退避した島」というイメージが強い。これは西暦2000年の事。元々ここは数万年前火山が爆発してできた島でその後も噴火を繰り返し、記録が残っている範囲では1085年から2000年までの間に15回、つまり61年毎に1回の噴火があった。直近100年だと4回の噴火があり、人生で3~4回経験した人も多い。
これらの歴史から火山のイメージが強い島と言える。
その傍らに目的型の観光要素も複数抱えている。バードウオッチング、釣り、ダイビング、サイクリングなどが愛好家に人気だ。
しかし、今回行ってみて、特段の興味や目的がなくても、だれでもがその島時間をゆったり楽しめるような魅力に溢れていることを知った。
そもそもこの島には、大島や八丈島などとは違い、より多くの観光客を取り込もうとする温泉付ホテルもなければ、おしゃれな居酒屋やカフェ、商品が溢れたお土産店などもない。島内にはコンビニもなく昔風の食料品店が点在するだけだ。つまり、商売っ気がない素朴な島で、かえってそれに惹きつけられる人も少なくないと想像する。
今回私が特に注目したのは、この島の「グリーン」の魅力だ。
三宅島は「巨樹の島」という看板もあり、これが火山イメージに隠れてしまいあまり知られていない。巨樹とは胸高幹周(胸の高さの幹回りのこと)が3m以上の木を指すそうだが、最近の調査ではこの島に2016本の巨樹があり、数では全国の自治体NO1であることが発表された。
幹回りが19.27mの日本一太い樹齢1000年のスダジイもこの島にある。島の観光協会には巨樹マップも作って配布している。
ちなみにNO2が奥多摩市の1019本で、どちらもここ東京にある事実はこの都市が自然に溢れていることを世界に示し誇りでもある。
林、森、森林は、多くの日本人にとって神聖なイメージがあり、巨樹は崇められる存在でもある。これらに会いに行くだけでも価値があり、旅への誘いが生まれる。
一方、島の南側には「大路湖」(たいろいけ)という1周1.6キロの湖がある。伊豆諸島最大、約2500年前の噴火でできた火口湖で「バードウオッチングの聖地」とも呼ばれている。湖の周りが1年中緑を絶やさない照葉樹林に囲まれていてとても美しい。
これらの「グリーン」は、火山の荒々しさとは対照的で、多くの一般観光客にアピールするものだろう。何故か本屋に並ぶ市販の三宅島ガイドブックにはこれらのことはあまり触れられていないのが残念だ。
さて、既に報道もされたがこの火山について今年は大きなニュースがある。
4月に火山噴火した雄山が22年ぶりに入山解禁されたのだ。まずは島民限定の解禁で、一般の観光客が行けるのはこの後になるようだが、実現すると大きな観光の誘客力になることは間違いない。
2000年に噴火した山の手線内側の大きさの火口を自分の目で実際に見てみたい人はきっと多いだろう。
海の方に目を向けると、すべての海岸が黒い玉砂利のビーチであることに改めて気づく。沖縄などの白砂のビーチは美しいが体に砂がまとわりつく。細かい石の方が体にやさしいかもしれないと感じるがどうだろうか。
個人的には、北部海岸の大久保浜のビーチが心落ち着く感じがして、夏に是非また来てみたいと感じた。その際にはビーチマットを持参して、ヨガやストレッチを海に向ってやってみたい。
この島は火山と緑が魅力なので、ハワイに例えると、黒砂海岸のあるハワイ島と緑の渓谷を誇るカウアイ島を足して2で割ったような島がここ三宅島と言えるかもしれない。
その他とても細かな私の気づき
(1)海に向かって置かれている海の見えるベンチは、NO13の記事で紹介
したように八丈島は1脚だったが、ここ三宅島は複数個所、最大3脚
なのでこちらの勝ちだ。でも数は足らず島中にもっと数が欲しい。
(2)三宅島の観光スポットの案内版はレイアウト、地図や写真の表記など
とても見やすい。読みたくなるので観光が深まる。
(3)地元の元気な子供たちに会わなかったのは残念だった。
それにしても、三宅島は想像を超えた強敵だった。