サイズの正しい測り方

　あるとき、ウルトラセブンの話を聞いた。
　身長が伸び縮みするらしい。

　子どもの頃は何とも思わなかったことが、大人になると急に気になり出すものだ。

　40メートルの巨大な姿から、人間サイズ、時には手のひらほどにまで。状況に合わせて、自在に大きさを変える。

　なんという特殊能力だろう。
　僕たち人間は、そうはいかない。

　ちなみに僕の場合、上辺の意図に反して勝手にサイズが変わってしまう。
　過去の傷みがふにゃりと体を萎ませ、不安がぎゅっと背筋を縮ませる。

　以前より、周囲からよく言われきた言葉がある。
「誰かの下に入って、自分のことを小さく見せようとする癖がある」

　それは本当にその通りで、特に社会に出ていく場面では、いつも必要以上に身を縮めてきた。
　保身という名の、小さな逃避行。

　でも、このまま、ちいさな自分で終わるのは嫌だ。

　年末から年始にかけて、僕は自分のサイズを元に戻そうと思う。

　本来の大きさを取り戻すための挑戦。
　それはまだ少し怖いけれど、でも必要な変化なんだと思う。

　ウルトラセブンは戦いのためにサイズを変えたという。
　僕は、自分を生きるためにサイズを変えていく。

　もっと大切な理由があるのだけれど、それはまた別の機会に。

　今は、自分の本当のサイズを取り戻す旅の途中。

　地図は手に入れた。
　読み方を覚えながらの旅路。

　それにしても、身長40メートルまでの伸び方くらいは、誰か教えてくれないものか。

　いや、それは、たんなる甘えか。