【書評というより感想】『発信する勇気』を読んで
僕が著者の末吉さんと出会ったのは、2017年のこと。(以降、『すえ吉さん』と呼ばせていただきます)
当時、僕はWebライターとして活動していた。
その活動のなかで、価値として長く残り続ける原稿に携わっていきたいという思いが芽生え、電子書籍のゴーストライターとして活動することを決めたタイミングで、すえ吉さんと出会った。
その後、お仕事をご一緒させていただく機会を何度もいただき、現在に至る。
思い返すと、僕の人生の節目、あるいは人生の転機にあたる時期に、すえ吉さんと過ごしてきたように感じている。
ひと言で表すと、僕の人生を変えた人。
僕にとって、すえ吉さんはそんな存在なのだ。
なぜ、こんな話をしたのかというと、2024年2月に、すえ吉さんが出版した『発信する勇気』も、僕の人生を変えたと感じているからだ。
これまで、すえ吉さんにしていただいたことは、数えきれないほどある。
そのことに対する感謝と敬意を伝えたくて、それを残したくて、僕は『発信する勇気』を読んだ感想を書くことにした。
この本は発信のノウハウ本ではない
『発信する勇気』は、発信をテーマとした本ではあるけれど、僕は発信にまつわるノウハウ本ではないと感じている。
じゃあ、どんな本だと感じているのか?
自分に相応しい人生を選択する勇気が得られる本。
そんな感じだ。
自分に相応しい人生って、なんのこっちゃ。
そう感じる人もいるかもしれない。
まずは、その点について書きたいと思う。
毎日、目の前の「やるべきこと」に追われて忙しく生きていると、あっという間に時間は過ぎていく。
僕は年を重ねるごとに、1年が秒で過ぎていくように感じているけれど、似たようなことを感じている人は少なくないと思う。
そのような日々のなかで、僕自身「これからどんな人生を生きていきたいのか?」について、わざわざ時間を取って深く考える機会をつくることはなかった。
だから、何らかの問題や悩みを抱えたときに、初めて自分の人生について考えざるを得ない状況に陥り、深く考えることになるといえる。
そんなとき、いつも感じることがある。
発信は「自分の心の声に耳を澄ますこと」から始まる
「僕は、どうしたいのか?」
そこが完全にわからなくなっていることに気づくのだ。
もっと言うと、周りの目を気にして、人の評価を気にして、自分の意見よりも周りの意見を優先しながら、生きている自分に気づくともいえる。
それがダメなのではない。
でも、どこか満たされない思いを抱えながら生きていて、できればそれを変えたいと感じている自分を発見するのだ。
『発信する勇気』を読んでいると、ときどき、それに近い感覚になることがあった。
「僕は、どうしたいのか?」
そこを、すえ吉さんから、何度も問われているように感じた。
だから僕は、そっと、自分の心の声に耳を澄ましてみた。
『発信する勇気』は、今の延長線上を生きない勇気である
その結果、僕が辿り着いた答えは、今の延長線上を生きない勇気を持つことだった。
そして、その勇気を持ち続けて、一歩を踏み出していくこと。踏み出し続けていくことが、僕にとって大切なのだと気づいた。
ただしそれは、奇をてらって、あえて人と違うことを選択して生きることとは違う。
「僕は、どうしたいのか?」
その答えと向き合いながら、僕自身と、僕とかかわる人のニーズを大切にしながら、生きていくことだとわかったのだ。
これは、すえ吉さんも本のなかで書いていたけれど、発信していくと本来の自分という輪郭が明確になっていくのだと思う。
なぜなら、何らかの手段を通じて発信するときに、自分の考えていることや感じていることと向き合うことになるからだ。
そのような作業をせずに、テクニックを駆使して発信をすることもできなくはない。
でも、テクニックに偏って、自分の本音を置き去りにした発信は長く続かないと思う。
それだと、中途半端に自分を理解して、また今の延長線上を生きる人生に逆戻りすることになる気がするのだ。
僕の場合、自分がこの人生を終えるときに、「十分に生き切ったし、本当に楽しかった」と感じながら逝きたいという願いがある。
だから、今の延長線上を生きる人生からは、できるだけ早く卒業したい。
その先に展開していく新たな人生を体験してみたいのだ。
『発信する勇気』のなかに、こんな一節がある。
自分の本音を捻りつぶして、本当の願いを叶える努力をせず、何事もなかったかのように生きていくことはできない。
僕は、そう感じた。
長くなってきたので、そろそろ感想を終えることにする。
すえ吉さん。
僕は自分の本質を発信して、分かち合う人生を生きていきたいと思います。
それは僕にとって、発信する勇気を体現して生きていくことともいえます。
生涯を通じて、大切にしたい一冊が増えました。
『発信する勇気』は、僕にとって、そんな本です。
本当に、ありがとうございました。
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