![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/38881775/rectangle_large_type_2_b2996e456e171daeab25dbda8d73dc8b.jpg?width=1200)
岡山にスタートアップの文化が根付いたので次は地方に長期インターンの文化を根付かせます。
突然ですが主宰している(いた)岡山をベースとしたスタートアップコミュニティ「スタートアップキングダム」の運営を離れます。
直接お話しているかたもいますし、なんとなくお気づきのかたもいらっしゃると思いますが、今まで「スタキンの藤田」として応援して下さっていたみなさま、報告が遅れてしまって申し訳ありません。
運営を離れる直接的な理由はここでは控えさせて頂きますが、それ以外にもここ一年僕の中で色々と心境に変化がありこの決断に至りましたので振り返りつつご報告です。
岡山にスタートアップカルチャーを
はじまりは2017年6月第一回目のスタートアップウィークエンド。
この時の熱気は今でも忘れることができません。(まだ3年半しか経ってないのか..)
当時はまだローカルでの開催実績は少数だったスタートアップウィークエンド。開催までいろんな苦労があり、何者でもなかった僕にたくさんの人が協力してくれました。この時に地域にゆかりのあるプレイヤー・支援者の方々にご協力頂けたこと、継続的に関わって頂けたことが岡山でスタートアップカルチャーが加速した大きな要因だと思っています。
2018年3月にはスタートアップキングダムを立ち上げ、そこから1年ほど毎月のようにスタートアップイベントを開催しました。
尖ったテーマにも関わらずいつもイベント会場は満員御礼でした。他県からも「岡山盛り上がってるよね」という声をよく頂くようになり、岡山のスタートアップコミュニティの人として登壇の機会を頂いたり、メディアにも度々取り上げてもらいました。
2019年8月には岡山市のスタートアップ支援拠点が創設され、ついに行政も本腰を入れはじめました。
先輩起業家だけでなく、支援家や投資家とのネットワークも構築され始め、アーリーステージにおいては以前と比べると格段に活動がしやすくなっていると感じます。
いつの間にか叶ってしまった夢
もともと僕がスタートアップ支援的な活動を始めたのは、自分自身が「志高い起業家と一緒にうまい酒を飲みたい、同じ時間を過ごしたい」と思っていて岡山にその環境がなかったからです。
しかしながらいつの間にか僕の周りにはたくさんの素晴らしい起業家がいてくれるようになり、当初の夢は叶ってしまっていました。
その頃から少しづつ、まわりから支援者として見られることや本来主役であるはずの起業家よりも注目される場合があることに違和感やむず痒さのようなものを感じ始めていました。同時に周りから期待される自分と本当の自分との間にギャップを感じ悩むことも増えていきました。
もちろん、下駄を履かせて頂いていたこと、神輿に担いで頂いていたことは重々理解しており、たくさんのチャンスを頂いた皆さまには心から感謝しております。
いつまでも美味い酒が飲めるように挑戦者であること
僕はいつも支援者の文脈での自己紹介をするとき「岡山で起業家支援"的な動き"をしています」という表現を使います。
もちろんこれは自分は支援者なんて名乗れるような者ではないという思いがめちゃくちゃ強くあるからなのですが、今思えばそれに加えて「まだ片足こっち(起業家側)に残ってるぞ」という意思表示でもあったように思います。
やっぱり僕自身も一人の起業家、挑戦者でありたい。
起業家の成長のスピードは恐ろしく早いです。覚悟を決めた起業家は特に。
すこし前まで楽しくお酒を飲んでいた仲間が急に遠くに行ってしまったような気持ちになることが何度もありました。
自分自身も挑戦し続けること、これが起業家といつまでも美味い酒を飲む為の条件なんだなと。
いつも飲んでる友人の覚悟や挑戦の話を聞くたび、たまに会った友人がすごいスピードで前進しているのを見るたび、あ〜自分はいつまでこの人と美味い酒が飲めるのだろう。飲んでもらえるのだろう。という嬉しさ含む切なさや、飲めるようにありたいというエネルギーが湧いてきて、感情が忙しくなる。 https://t.co/x4Lw5R4Bzf
— 藤田圭一郎 COMPUS CEO (@keiichilo) September 20, 2020
コロナとフジタイーツというきっかけ
今まで自分の事業や家業もやりながら支援者的な動きもしてきて、それなりに器用にやってきた自信がありました。
その中で今年の4月〜7月にかけてコロナにより大きな打撃を受けた家業をどうにか倒れないようにするため自分の全ての時間を注ぎ、その結果支援的な動きに全く時間を取れなくなってしまいました。
その際に新規事業として生まれたフジタイーツ。
インターン生の力をかりてものすごいスピードでサービスが立ち上がりました。
事業を思いついてから開発・営業活動を含めてサービスインまでわずか20日。振り返っても本当によくやったなと..。
フルコミットすればまだまだちゃんと事業を作れるんだ。自信になったと同時に、自分が起業家として事業に向き合う時間をいままで十分にとれていなかったことに気づきました。
明日のイベントのために「フジタイーツができるまで」のスライド作ってるけどSlack見返すとエモい..
— 藤田圭一郎 COMPUS CEO (@keiichilo) July 17, 2020
4/25 フジタイーツを思いつき開発開始
5/5 飲食店がアカウント開設できるとこまで開発完了
5/6 飛び込み営業開始
5/14 配達用のバッグ購入
5/15 サービススタート
もう一度やれと言われても無理..w
地方で長期インターンという選択肢が当たり前な未来
今僕は地方に長期インターンの文化を根付かせるために株式会社COMPUSという会社を運営しています。
支援者的な動きをする中で見つけた地方の課題「長期インターンの場所がない」ということ。
以前は起業志向の意欲ある学生から「長期インターンで成長したい」と相談を受けたら迷わず休学して東京に行くことを勧めていました。
もちろんそれ自体は全然良いことで、今でもやる気のある学生ならそのように勧めます。
でも、もうちょっと敷居が低くてもいいんじゃないか。
東京に行くことなく地元で挑戦できる場があってもいいんじゃないか。
今、少しづつではありますが僕たちの動きから地方で長期インターンに取り組むことができる環境が整ってきています。
また、地方学生の持つ課題を身近に感じる一方で、藤田酒店という家族経営の個人商店のアトツギである僕は名のない地方企業が抱える採用の課題を誰よりも自分ゴトとして捉えることができる立場にあります。
この課題も長期インターンが解決の鍵になると考えており、まさに自分が取り組むテーマだなと。
以前、スタートアップ支援の活動を振り返ったブログにこんなことを書いていました。
岡山でスタートアップを志した人がシードステージくらい地元で活動できるように。
岡山のスタートアップでインターンしたいと思った学生に選択肢があるように。
自分が長期インターンの事業を始めることを予期していたのかだろうか..。
岡山のスタートアップ文化の次は地方長期インターンの文化づくりに30代の残りの時間を捧げるつもりです。
【ご報告】
— 藤田圭一郎 COMPUS CEO (@keiichilo) October 15, 2020
(株)COMPUSを設立しました
コンテンツクルーの一事業として進める中で、自分たちがここに取り組むことで「地方学生にとって長期インターンという選択肢が当たり前にある未来」をより早く実現出来るという確信を持てたことがアクセルを踏む決め手になりました!https://t.co/Ho0QIIi7pc
起業家でありながら支援者的な動きをしている人を目指して
もちろん支援者的な動きをやめるわけではありません。
相変わらず起業家と接するのは大好きなので今まで通り事業の壁打ちや相談にはのりたいですし、一緒にお酒飲みたい(これが生き甲斐です)。
岡山市より拝命頂いているももたろうスタートアップカフェのコーディネータとしての活動も続けます。
ただ、今後は支援者ではなく起業家として注目してもらえるような時間の使い方と事業による成果を追求していきたいと思っております。
「支援者的な動きをしつつ事業もやってるらしい藤田」ではなく、
「起業家でありながら支援者的な動きをしてる藤田」と認知してもらえるように精進してまいります。
最後に僕の良き友人でありメンターである山田邦明さんが僕について書いてくれたnoteを載せておきます。
オアトガヨロシイヨウデ。