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完全「空中戦」のバイデン陣営、大統領選挙に不安?

今日は9月18日。米大統領選挙の開票日まであと46日です。

2020年の米大統領選挙は、新型コロナウイルスの影響を強く受けています。このため、選挙戦も例年とは異なる姿になりました。感染が急拡大した春先以降、両陣営は人と人が接触するような選挙キャンペーンを中止し、集会などの大規模イベントを取りやめました。アメリカの選挙では、各陣営のボランティアらが地域の家を一軒一軒巡って候補者への支持を呼びかける「戸別訪問」が許されています。しかし戸別訪問による選挙運動もコロナ禍で中止になっていました。

依然としてアメリカの感染状況は落ち着いたとは言えない状況ですが、選挙戦が終盤に入った今、トランプ陣営は屋内での大規模集会を再開するなど「通常の」選挙運動を再開し始めています。

対するバイデン陣営は、未だに対面での選挙活動を全面的に再開せず、インターネットやテレビCMなどを通じた「空中戦」をメインに選挙活動を行なっています。15日掲載の米TIME誌の記事は、デジタル偏重の「空中戦」に頼りすぎるバイデン陣営の選挙戦略が激戦州で不安を生んでいることを指摘しています。

記事によれば、激戦地ミシガン州の重要な郡では、通りを歩いてもバイデン支持を示す横断幕などは見当たらず、飾られているのはトランプ陣営の旗やヤードサインだけだそう。また、地域にはバイデン陣営の選挙事務所が開設されておらず、応援のために活動したい人はいても運動を起こすことができない状況にあるとのこと。ミシガン州を回った記者のシャーロット・アルター氏は「ほとんど目に見えない」レベルだったと書いています。

とは言え、バイデン陣営も激戦州への訪問などの動きは一定程度再開させています。しかし、そのやり方が正しいのかについては疑問符がつきます。
バイデン氏が9月にミシガン州を訪れた際のエピソードでは、州が定めた「100人以上の人を集めてはいけない」というコロナ対策ルールを遵守したため、バイデン陣営は訪問先を全く公開しなかったといいます。地域の民主党トップにすら訪問先を知らせず、結局集まったのは極わずか。コロナ対策に忠実であるが故に候補者と有権者の直接の触れ合いの場が大幅に減少しており、これを嘆く党関係者もいるようです。

ある民主党関係者によれば、選挙運動以上に重要なのは、選挙運動が「見える」ことだと言います。自分たちのコミュニティの中にバイデン支持者がいるという事実、バイデン支持を熱心に広げようとしている人が身近にいるという実感、街を歩くとバイデン支持を示す多くの旗やヤードサインが見えるという景色こそが大事なのだ、ということです。

世論調査は、ミシガン州を含む激戦州の多くでバイデン氏の優勢を示しており、実際にミシガンの民主党関係者も2016年の選挙時よりも不安要素が減っている点はあると話しています。しかし、そうであったとしても、戸別訪問や候補者の遊説などの直接的なコミュニケーションの圧倒的な不足がどのような結果に繋がるのかは、開票結果を見てみないとわからない点でしょう。

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