13日の金曜日だからライオンを聞こう
ライオンは、カル・スワン(vo)、ダグ・アルドリッチ(g)らが在籍していた不遇のバンドというイメージが強い。デビューは、1984年にリリースされた『13日の金曜日Part4』のサントラに収録された"Love is a lie"という曲らしい。それで13日の金曜日に聞いてみようというわけだ。ブラック・サバスの1stが来ると思ったでしょ? 残念でした。
ライオン名義では1枚のミニアルバムと2枚のアルバムをリリースしたのみで、バンドは様々なトラブルに見舞われて消滅してしまう。まさに2ndアルバムのタイトル『TROUBLE IN ANGEL CITY』の名の通り。
しかし、バンドとしてのポテンシャルは非常に高く、ダグ・アルドリッチの80年代アメリカ的ギタープレイと、カル・スワンのブリティッシュなメロディセンスが融合した、アグレッシブかつ重厚感のある本物のハードロックに仕上がっている。憂いのある楽曲は、今聞いても輝きに満ちていて、このバンドが短命に終わったことが本当に悔やまれる。
その後、ライオンはバッド・ムーン・ライジングに名を変えてシーンに復帰してくる。こちらもカル・スワンとダグ・アルドリッチのコンビで、ほぼライオンのような趣でファンに迎えられている。
バッド・ムーン・ライジングのサウンドは幾分重みを増して、時代の流れも取り込んだヘヴィなサウンドも聞かれるが、やはり良質のハードロックを聞かせてくれる。
そのバッド・ムーン・ライジングもシーンからフェードアウトしてしまい、ファンとしては寂しい限りだが、その後ダグ・アルドリッチが加入したホワイト・スネイクで"Burn"を演奏してくれたのには驚いた。
かつて"Burn"という曲を自己批判し、ホワイト・スネイクでは絶対演奏しなかったデイヴィッド・カヴァデールが再びこの曲を歌おうとしたのは、もしかしたらダグ・アルドリッチの加入がなにかの化学反応を起こした結果なのかもしれない。
このことが、その後の(ダグは脱退してしまったけど)ホワイト・スネイクの『ザ・パープル・アルバム』への足がかりとなったことは間違いないだろう。
そんな感じで今日は、13日の金曜日をきっかけにライオンとその足跡を追っていたわけだが、そしたらなんと、ライオンの『TROUBLE IN ANGEL CITY』が今年の8月にリマスター再発されているというニュースにぶち当たった。なんというタイミングだろうか。こういうのを不思議なめぐり合わせっていうんだろうね。ハードロックの神様ありがとう。
てか、結局"Burn"に行き着くんかい……っていうね。
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