A DRIFTWOOD CROSS / WITCHSKULL
WITCHSKULLは、オーストラリア出身の3人組バンド。2015年頃から活動している新しいバンドだが、そのサウンドはうねるようなヘヴィさを持ち、オフィシャルサイトでは自らをNWOBHMとドゥームメタルの融合と表現している。
3rdアルバムにあたる本作『A DRIFTWOOD CROSS』を聞くと、なるほどダウンチューニングでおどろおどろしく演奏されるギターリフもベースも、オカルティックな重々しさを持ち、どこか懐かしい70年代の雰囲気を醸し出しつつ、サウンド的には現在のメタルの音を取り入れたレトロモダンな作りになっている。
BLACK SABBATHやCANDLEMASS、CATHEDRALなどと言ったバンドも思い浮かべて間違いないだろう。古き良きヘヴィメタルを現代的な解釈で蘇らせた音作りをキーにしたバンドだ。GRAND MAGUSとか思い出してもらっても構わないだろう。
とは言え、ときに地を這うかのごとくヘヴィに、ときにアップテンポに突っ走る多彩な楽曲を聞いていると、バンドの器用さも十分に伝わってくる。速い曲では、ドゥームメタルの影響より、グランジやオルタナティブの要素すら感じ取れてしまうのである。
いずれにしても、アルバム1曲目を飾る"Black Cathedrals"のシャッフルリズムを聞くだけで、BLACK SABBATHの"Children Of The Grave"辺りが好きな人にはアピールしてくる内容じゃないだろうか。
今の時代に、こういう70年代レトロサウンドをプレイする意味ってなんだろうなと思う向きもあるだろうが、それでもこういうバンドが登場してくると、なにがしかの期待と、もっと徹底して古のヘヴィメタルを追求してほしい気持ちが頭をもたげてしまう。今後どんな成長をしていくのか興味深いバンドだ。