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WEAPONS OF TOMORROW / WARBRINGER
WARBRINGERは、2004年にアメリカのカリフォルニアで結成されたスラッシュメタルバンド。カリフォルニアというからには、かつてのベイエリアスラッシュメタルの流れを汲んだサウンドを身上としており、ストレートでカラッとドライなアメリカらしいスラッシュメタルが聞ける。
その昔メタルを聞き始めた頃、僕はあまりスラッシュメタルに興味がなく、もっとメロディアスな音楽を中心に聞いていたものだが、そのご四半世紀以上に渡って様々な音楽を聞いたせいか、最近になってようやくスラッシュメタルの聞き分けができるようになってきた。人間何でも経験してみるものである。
そうやって改めてこのアルバムを聞いてみると、前述したように、実にアメリカンな冷徹なメロディラインにあふれている。これぞメタルと言わんばかりの攻撃的な音作りには、わずかの郷愁もメランコリーも許されず、徹頭徹尾攻撃的かつ破壊的な音楽性が貫かれている。
ところが、その一方でギターサウンドは意外にも情感豊かにソロを歌い上げているから不思議だ。もちろん、リフはスラッシュメタルそのもの。ツーバスの突進リズムとともにザクザクとキャベツ千切り百個分のごときリフを刻み続ける。しかし、一旦ソロパートに突入すると、ギタリスト氏は朗々とドラマティックなメロディを歌い上げる。誤解を恐れずに言ってみれば、マーティ・フリードマン在籍時のMEGADETHのようなノリでアグレッシブな部分と流麗なギターソロが同居しているような印象である。
ギタリストはチェイス・ベッカー。調べてみると、なるほどテクニカルなギタリストのようである。もっとも、今の時代にスラッシュメタルをやろうという奇特な人たちだ。当然ギタリストはテクニカル系なんだろうけど。
そんなわけで、割と典型的なスラッシュメタルを演奏する彼らだが、ギターのエモーショナルな感じに感心して聞き入ってしまった。2年前のスラッシュドミネーションでも来日して演奏したということで、しまったスラッシュドミネーション行っておくんだった、と今になって後悔したりしている。