冬の花火 {心象画}
「冬の花火だね」
君は言った。
それは何と尋ねたら
背を向けて「自分で考えて」と・・・。
それが君を見た最後だったね。
文章を書くのは下手だったのに、本を読む事は好きで
高校生の頃は数人しかいなかった文学部の部長さん。
むさ苦しい男子ばかりの部活動。
どれだけ暗かったのか想像できるけれど
そんな中でも真剣だったなぁ、と
片付けをしていて出てきた、その頃に自主印刷した文学誌を読んで
半世紀弱前を思い出した。
そんな拙い活動の中で「冬の花火」をお題に
小説を共作した思い出。
正確に言うと、し始めた思い出。
冒頭の文を載せて、そこからはそれぞれが
話を膨らます事にした、と覚えている。
残念ながら完成した事は記憶にない。
真夏の花火とは違って寂しい感じがする「冬の花火」。
今の世の中ではそうでもないけれど
昔は「滅多にないもの」の象徴だったのでしょうね。