あかいりんご②|大人のおとぎ話|
今回からアドバイザー兼、草案作成で
noterの光川てるさんにサポートして頂ける事になりました。
(と言うか自分は文章が苦手なのでお任せに近い)
1回目は下からお読みください。
赤いリンゴを運ぶ事になったクジラは
以前、妖精の姫マレーナを見かけた事がありました。
七つの海を渡る最中、疲れきっていた時の事です。
ある丘の近くを通り過ぎようとした時に
どこからか美しい歌声が聴こえてきたのです。
高く、低く、強く、優しく、その歌声は
クジラを魅了し癒しました。
もしかしたら魔女がマレーナを眠らせてしまったのは
マレーナの容姿や声の美しさに嫉妬したのかも知れないですね。
そして美しい歌声を持つマレーナをクジラは助けたかったのでしょう。
クジラの記憶にある遠い国に向かい泳いで行ったのです。
そこへ、仲良しのイルカがやって来ました。
『頭にリンゴなんか乗せてどこへいくの?』
クジラはイルカにマレーナとリンゴの話をしようと振り返ったその時
リンゴが頭から転がり落ちてしまいました!
クジラは慌ててリンゴを掴まえようとします。
けれど上手く頭に乗りません。
リンゴは海流に乗って流れて行きます。
そして、トプン・・・と沈み始めたではありませんか!
大変です。海底に向かう流れに乗って、リンゴもどんどん沈みます。
クジラは必死に追いかけますが、とうとうリンゴは
海底に出来た、光る穴に吸い込まれるように消えていきました。
さて、このリンゴはいったいどこへ流されてしまったのでしょうか。
ここはある浜辺。小さなお家がありますね。おや?お家から誰か出てきましたよ。うさぎ鳥です。うさぎ鳥は翼を持った小さなうさぎの妖精です。
あ、浜辺に幸せの赤いりんごが流れ着いています。
ここに流れて出て来ていたのですね。
リンゴを見つけたうさぎ鳥。朝からご馳走だ!
と喜んでリンゴを拾いました。
そのとたん、リンゴから眩しい光が広がり
思わずうさぎ鳥は目を瞑りました。
すると不思議なことに、今までのリンゴの記憶が
うさぎ鳥の頭の中に流れ込んで来たのです。
うさぎ鳥は光が消えたリンゴを見つめています。
そして顔を上げると、お家の中へ入って行ってしまいました。
うさぎ鳥はリンゴを食べてしまうのでしょうか?
あ、うさぎ鳥が出てきましたよ。
大きなカバンを斜め掛けにしています。
その頭には幸せの赤いりんごが!
「紫のりんごがどこにあるか分からないけど、きっとどこかにあるはず。
どこまで行けるか分からないけど、少しでも運んであげる。」
うさぎ鳥は幸せのりんごを携えて、歩き出しました。
今回はここまで、次は赤いりんごにどんな出会いが
待っているのでしょうね。
そして紫のりんごと逢えるのでしょうか。