経営改善計画を知っていますか?

**経営改善計画の活用を促進したい**

経営改善計画という制度をご存知でしょうか?この制度は、2016年に施行された「中小企業経営強化法」に基づいています。この法律により、認定支援機関制度が導入され、銀行の融資方針が「事業性評価」へと大きくシフトしました。これにより、金融機関、特に銀行は、事業主との向き合い方を根本的に見直す必要が生じたのです。

バブル崩壊から約20年が経過し、その間、長期にわたる景気低迷により中小企業は大きな打撃を受けました。銀行は担保がなければ融資をしないという姿勢が一般的でしたが、政府は金融機関に対する方針を大幅に変更し、中小企業を支援するための制度を整備しました。その一つが「経営改善計画」です。

経営改善計画は、債務を抱えた事業主がこの計画を策定し実施することで、当初5年以内に返済すべき債務を最大20年に延長し、条件変更を行うことが可能になります。さらに、国がこの債権を「正常債権」として認定する仕組みを設けているため、債務者企業にとっては大きな救済措置となります。

この制度が導入されてから約10年が経過した2019年、新型コロナウイルス感染症という未曽有の経済危機が発生しました。この危機により、かつてはあまり利用されなかった経営改善計画が再び注目を集めています。

コロナ禍における融資、いわゆる「新型コロナウイルス感染症対応資金」は、元本据置期間が3年間設けられ、その間は利息も免除されるという形で企業を支援しました。しかし、この据置期間が終了すると、多くの企業が返済を迫られることになります。これにより、返済が困難な企業が増加することが予想されます。

こうした状況下で、借金を帳消しにすることは現実的ではありませんが、中小企業経営強化法に基づく経営改善計画を活用することで、企業は再び正常な経営へ向かうチャンスを得ることができます。

多くの事業主が創業融資を受ける際に、十分な経営計画書を作成していないのが現状です。商工会議所などでも、簡易なフォーマットに基づいた指導が行われることが多く、十分な経営計画が立てられていないことがしばしばあります。

コロナ禍で多額の債務を抱えた企業は、この機会に経営計画をしっかりと立て、長期的な返済計画を策定しながら、会社の立て直しを図るべきです。経営改善計画は、単なる破産処理ではなく、企業が成長を目指すための重要なステップとなります。

この計画を通じて業績を向上させれば、債権は正常債権とみなされ、追加融資の可能性も開かれるでしょう。コロナ禍で多額の負債を抱え、返済に苦しんでいる企業は、ぜひ経営改善計画を策定し、認定支援機関と協力して、正常な経営に向けた一歩を踏み出していただきたいと思います。ご相談があれば、ぜひ私までご連絡ください。

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