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【SF】デューン 砂の惑星 PART2 & 砂漠の救世主
なんと、IMAXで再上映が始まったので2回目観賞となりました。
今回は、最初の時みたいに疲れを残してはいなかったのでたいして眠くはならず(そうはいっても一度観た映画なのでちょっとは眠いよ)、特に後半の盛り上がりには大いにのせられ、こんなに面白い映画だったかーと確認できました。
やはり素晴らしいですね。
世界構築のために全力を挙げる各種のガジェットや衣裳、またとりわけ砂漠の景観の美しさは、ヨルダンでのロケということですが自然の造形の力強さが感じられて、今回もうっとりさせられました。
一方、原作3作目も同じ頃に読了しました。
今回の映画2作は、原作小説『デューン 砂の惑星』(新訳版の文庫は三分冊)を映画2本にまとめたもので、その続きの小説は『デューン 砂漠の救世主』(同二分冊)、さらにその続きということで3作目がこちらの『デューン 砂丘の子供たち』というわけです。
映画2作目の公開前に読みはじめてきのう読了したので、分厚い上下巻を読むのに2ヶ月ぐらいかかってしまったと思われます。
長ーい小説ですが、終盤では驚きの展開が待っており、なるほどこうして世代交代が行われていくのだなとシリーズの叙事詩的な構造を感じました。
この終盤に出てくるグロテスクなイメージは、デヴィッド・リンチ版『デューン/砂の惑星』のスティル・スーツのデザインに影響を与えたのでは?
とちょっと思いました。
そう考えると、リンチ版というのは異形のデザインに満ちた世界であったことが思い出され、現代と全く切り離された遠未来のビジョンを表現することにおいては今回のヴィルヌーヴ版映画より優れた点もあったのだなと思いました。
ヴィルヌーヴ版のスティル・スーツはカッコいいけど、21世紀の戦闘服っぽいですよね。
リンチ版は筋肉図みたいなデザインで気持ち悪いカッコ良さがありました。
もっとも、もし『砂丘の子供たち』が映画化されたら、その結末を先取りするような感じになって効果が下がったかもしれない。
ヴィルヌーヴ版がそこまで考えてる可能性はありそうです。
さらに、オーニソプター(羽ばたき飛行機)のそれらしさはヴィルヌーヴ版デューンの素晴らしい点のひとつですが、映画2作目ではあらゆる点で描かれ方が現代の戦闘ヘリコプターそのものという感じで、もっと独特な感じになるべきではないかとも思いました。
それに対し、『デューン 砂丘の子供たち』の表紙に描かれた加藤直之氏によるオーニソプター。
この昆虫っぽさと旧共産圏の戦闘機っぽさ、このぐらい異形であってしかるべきではないかと思えてきましたね。
それにしても日本のSF小説の表紙を描く画家たちには本当にとんでもない人がいるものだと、こういう本を買うと実感できます。
あ、もちろん、映画2作目で大活躍の採掘機は、正しい?異形感に満ちており、これはヴィルヌーヴ版も大いにがんばったところですね。
ヴィルヌーヴは『ボーダーライン』の監督らしく、現代戦の装備のイメージを色濃く反映してそれがリアリティとカッコ良さに結びついているので、当然素晴らしいのですが、デザイン面では少々保守的かもしれないと思いました。
これからは日本のイラストレーターやデザイナーと組んで、新たなイメージを追求してほしいと願う次第です。