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【映画】トランスフォーマー/ONE

先日、大学の後輩である野坂尚也に会ったのですが吹替に出ていると言ってまして、しかしこれは観に行かないかもって思ってたのですが、Twitterなどでもやたら評判がいいので、観てみました。
吹替で。
評判通りすごく面白かったです。

トランスフォーマーシリーズは、マイケル・ベイの映画を子供に見せるまでは全然興味を持っていなかったのですが、映画は結構面白かったので、現在までの正編5作はすべて観ました。
直近の『最後の騎士王』は劇場に子供二人連れて観に行きましたが面白かった。
ちょっとバカなSFメカアクションとしていい感じなんですよね。
あとはTVシリーズをいくつか、子供とちょっと観たかな。
長男の子供時代の友達はバンブルビーの変形トイでした。

そんな感じなので私は各キャラクターにたいして思い入れはないです。
どちらかというと人間の方が興味が持てて、最初の三部作のシャイア・ラブーフ(スキャンダルが残念です)、新三部作のマーク・ウォルバーグと、それぞれ共感できる良いキャラクターでしたね。
ロボットだとバンブルビーは良いなと思いますね。
彼が主役の映画もありましたが未見。

といったノリで劇場を訪れ、なんとなくオプティマス・プライム似の主人公が軽妙に活躍する様子を楽しんでいると、彼やその友人たちは鉱山労働に従事する下層市民であることがわかります。
なるほどこの階層化した社会構造の中で若者が立ち上がる話なんだなというのもその時点でわかる。
第一本作が前日譚ものなんだから、普通に考えたらその結末だって当然わかるんですが、過去作への思い入れどころか記憶もあまり持たずに観ているので、「こいつがあいつかー!」ってなかなか気づかずにいましたね。

私が本作の予告を見た時に「こりゃ見なくていいかな」って思ったのは、オートボットの顔がつるんとした柔軟素材になっててメカらしさが全くないのが原因でした。
マイケル・ベイの映画シリーズも本当は不満はあって、変形前(自動車状態)ではスジボリもなかった箇所がいきなり割れて開いて変形するのが、変形メカのルール破りだと思ってたからです。
それでも顔に表情をつけるために、動く機械部品の塊として造形して律儀に動かしていたのは、エライと思ってました。
それが本作では、そういうことをオミットしてたのでイマイチだと思ってたのです。
映画を見ると、かなり複雑なメカだらけの映像の中で、キャラクターをきちんと浮かび上がらせるためにそこをシンプルにするのは必要な措置だと納得しました。
人間が出てこない作品なので、登場人物を人間らしく描く必要があります。

メカに満ちた都市の光景のほか、惑星地表のイマジネイティブな映像は、SFとしても魅力的でした。
異様な光景の中を疾走する列車は、銀河鉄道かデンライナーか……って具合で、素晴らしい。
などと考える間もなく話が進むのですが、このスピード感が良いです。

実のところ、シリーズ全般の傾向としてセリフが単細胞で説明的なのですが、これは小学生からローティーンぐらいを狙った作劇としては納得できることも多くて、わかりやすさ重視で重要なテーマを語る部分には結構な誠意が感じられると思うんですよね。
特に今回は、敵味方を分つキャラクターのパーソナリティを明確に説明するセリフが多くて、なるほどこれがその後の因縁のもとか、と良くわかるようになってます。
それとともに、豪速球な進み方をする物語の理解をしやすくしており、高級感はないけれども、エンタテインメントとテーマの融合はしっかりできていたと思います。

決して浅くはない一方で変な屈折はないし、その後の壮大な闘争につながる結末も、その苦さを大人として味わうこともできるし、子供に見せてもどこか残るところのありそうな見せ方になってました。
問題はうちの長男の場合、生まれた頃に公開されたマイケル・ベイ版『トランスフォーマー』から17年経っちゃったので、いまさら観せる必要がない年齢に達してるってのはあります。
もっとも、シリーズのおおもとは私が小学生ぐらいの時に始まった「ダイアクロン」とかなんで、そんなこと言っても仕方ないんですけどね。
お子様含め、多くの人におすすめできる良作でした。

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