脳波解析アルゴリズムで動画鑑賞時の感情を露わにするニューロマーケティング企業【SandBox】
・BrainMedia第15弾!
(脳科学のビジネス応用可能性をお届けするブレインテックメディア)
今回は日本の脳波解析ベンチャーであるSandBox株式会社をご紹介します。
1. 脳波解析アルゴリズムの開発
SandBox株式会社が手掛けるのは、脳科学を用いたニューロマーケティングの領域です。
企業のマーケティング活動では、しばしば「アンケート」の手法が利用されますが、「面倒だから適当に回答しよう」とアンケートに答えた経験は皆さんもあるのではないでしょうか?
アンケートを実施しようとすると、このようなノイズが大きく、広告や商品が消費者に与える本当の影響は測りづらいです。
そこで活用しているのが「脳波」を中心とした最先端の感性分析サービスです。アンケートでは計測できない無意識の感情を時系列として取得することで、顧客が本当に求めているものを分析し、マーケティングと商品開発に役立てることができます。
SanddBoxが脳波データをリアルタイムで測定した例
SandBoxでは脳波以外にも基礎研究に従事する専門家と協力することでノイズを最小化を目指し、「心」や「感性」の情報を無意識を含めて取得しており、脳波マーケティング支援サービス「ノウミーリサーチ」提供しています。
2. 脳波を利用した感性分析エンジン開発へ
Sandboxが現在力を入れているのは動画広告の分野です。まずは動画広告で、アンケートのような曖昧な評価ではなく、脳波を測定して「客観的に良い動画広告とは何か」を探っています。
脳波から得られた感性の変化を示すことで動画評価の透明性をあげていき、広告事業の効率性・確実性を向上できると考えているようです。
しかし、動画広告はあくまで最初に取り組む事業としての位置付けであり、今後は脳波と視覚情報、ユーザー属性などの多くのデータをマルチモーダルに収集してデータベースを作り、企業の業績向上を促進する感性分析エンジンの開発を目指しているそうです。
菊地秋人社長が描くような、「脳波から取得した人間の感性データが、企業の戦略や経営を大きく左右する世界」が実現したら面白いですね!
3. 幅広い分野での脳科学活用を目指す
先述のように、Sandboxが現在特に力を入れているのは動画広告の分野ですが、脳科学や脳波測定自体は他にも、ヘルスケア領域での健康維持や、生産性の向上、快適な空間のデザインにも利用することができます。
SandBoxは中長期的には様々な領域の企業とパートナーシップを組んで脳科学の活用を目指している企業です。
https://www.sandbox-inc.com/use-case
4. ニューロマーケティング領域の競合
ニューロマーケティングによる広告や商品の定量的な評価は非常に面白い領域で、積極的に取り組んでいる企業が増え始めています。
50万以上の感情データを収集してきたリトルソフトウェア株式会社や、AIを活用しつつ動画視聴時にユーザーが想起した印象を名詞・動詞・形容詞で現すことができるNTTデータの「NeuroAI」など、他にも面白いプロジェクトがあり、注目していきたいと思います。
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