サッカー選手の方向転換動作と体幹制御② 体幹側屈と骨盤コントロール ~体幹が逆側に側屈する?~
前回記事では方向転換動作の減速局面に着目し、サッカー選手の方向転換動作における股関節と体幹制御の関係性に関して書きました。
前回記事のポイントは「股関節(お尻)を使って方向転換動作を実施することが重要であり、そのためには腹筋と背筋の制御により骨盤-体幹を安定されることが前提条件になる」ということでした。
前回で述べた骨盤の制御は矢状面(身体を横から見た面)での制御に関してでした。
今回の記事ではサッカー選手の方向転換における前額面(身体を前方から見た面)での骨盤-体幹制御に関して書いていきます。
■方向転換動作と前額面上の骨盤コントロール
前額面での骨盤制御に関して、2年前にヒップロックをテーマに記事を書きました。(有料記事ですが、2021年10月31日時点でPITTOCK ROOM購読中の方は読めるようになっています。)
走る、跳ぶなど片足での高強度運動では、片足支持時に逆側(遊脚側)の骨盤が落ちないように制御されていることが、力をロスせず伝達するために必要です。
この骨盤の前額面上の制御には一般的に股関節外転筋が重要であるとされていますが、90度の方向転換では股関節外転トルクはほぼ発揮されておらず腰部側屈トルクが大きく発揮されていたことが報告されています(1)。
このことから方向転換・アジリティにおいての前額面の骨盤-体幹の制御では、直線走などと比較しより体幹の筋による制御の重要性が高まる可能性が考えられます。
■体幹・腰部側屈筋による骨盤コントロール
体幹・腰部側屈の作用を持つ筋として
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