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サッカー選手の方向転換動作における股関節と体幹制御の関係性

先日footballistaで公開されたこちらの記事。

筑波大学の谷川先生がサッカー選手に必要な方向転換能力や、それに伴うコーチングやトレーニングの考え方を話しています。先生は大学時代の研究室の指導教員でした。


記事内で紹介されている論文で示されたのは
「状況判断が伴う方向転換走では状況判断を伴わない方向転換走と比較して方向転換動作が変化する。」
という知見であり、特に股関節体幹の動きに着目しています。

川原布紗子(2020)光刺激による状況判断の有無が方向転換動作に及ぼす影響.体育学研究,66:77-90.


この研究をもとに方向転換動作に関して述べられていますが、記事内では以下のような言葉が出てきます。

「上半身を前傾させる動作」
「股関節で屈曲伸展」
「ヒップヒンジ」
「うまくお尻を使って」
「腹筋と背筋を協調させつつ股関節を屈曲させる」


状況判断を伴う方向転換で見られる特徴から、方向転換時に

・お尻が使えること
・腹筋と背筋を協調させること

の重要性が語られています。

今回はお尻(股関節)を使って減速すること、そしてその前提となる体幹の強さと制御に関して書いていきます。



■状況判断を伴う方向転換で「うまくお尻を使う」とは?

記事内で紹介されている研究で、川原ほか(2020)は、方向転換走の方向転換の局面における

・方向転換1歩前足
・方向転換足
・方向転換方向転換1歩後足

の接地〜離地の局面での動作を状況判断を伴う場合と伴わない場合とで比較しています。(論文はこちらで要約されています。ちなみに川原さんも大先輩です。)


この研究で見られた状況判断の有無による方向転換動作の違いの一つとして

方向転換足接地後の股関節屈曲角度

がありました。

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