プレシーズンからの積み重ね!低強度プライオメトリクスと縄跳びのススメ
前回は冬休み明けやプレシーズンに反復スプリントトレーニングを導入するときの流れや考え方を紹介しました。
今回は冬休み明けやプレシーズンのプライオメトリクスの導入に関してです。
今回触れる低強度プライオメトリクスはプレシーズンに限らずシーズンを通して継続可能で、継続して行っていきたいトレーニングの一つです。
傷害予防の視点
「バネの硬さ」に注目した段階的トレーニングの視点
の2つの視点から低強度のプライオメトリクスのメリットを紹介します。
単に高強度のプライオメトリクスやスプリント・アジリティトレーニング、サッカーのトレーニングを行うよりも、低強度プライオメトリクスを積んでおくことでこれら高強度トレーニングへの土台を作ることができます。
■低強度プライオメトリクス
前回記事で書いたようにプレシーズン初めに急にスプリントを行うことは筋肉系の怪我に繋がる可能性が非常に高いです。
同様に高強度のプライオメトリクスもプレシーズンの初めに急に行うことは非常にリスクが高いです。
スプリントではハムストリングや大腿直筋、腓腹筋などの筋の肉離れに注意が必要ですが、プライオメトリクスは腱に負荷をかけるトレーニング方法であるため、肉離れだけでなくアキレス腱や膝蓋靭帯など腱の怪我(アキレス腱断裂、アキレス腱炎、ジャンパー膝・膝蓋靭帯炎 など)のリスクも高くなります。
そのためプライオメトリクスも強度の低いものから段階的に導入していくことが必要です。
①強度
プライオメトリクスの強度のコントロールでは主に以下の4つを調整します。
跳躍高(跳ぶ高さ)・跳躍距離(跳ぶ距離)
落下高(ドロップジャンプなどで落ちる高さ)
両脚 or 片脚
重量(ダンベル・バーベル・メディシンボールなど)
より高い・長いジャンプが要求されれば強度が高くなります。
またドロップジャンプなど台の上から落下しその衝撃を活用してジャンプするエクササイズや、ハードルジャンプなど高いジャンプを連続して行うジャンプでは、落下する高さが高くなるほど強度が高くなります。
片脚で行う場合は両脚で行う場合よりも片脚あたりの強度が大きくなりますし、重量物を使用する場合(バーベルやダンベルなど)は重量が大きくなるほど大きな力を発揮することが要求されます*。
*重量に関しては重量を重くすれば必ずしも強度が高くなる訳ではないことに注意。重量物の有無や重量によって力発揮の種類が力優位なものか、速度優位なものかに変わるという認識の方が良い。
②タイプ
またジャンプのタイプとして以下の2つがあります。
CMJ(カウンタームーブメントジャンプ)タイプ
RJ(リバウンドジャンプ)タイプ
CMJタイプは接地時間が長く筋パワーを優位に活用するジャンプで、RJタイプは接地時間が短く腱の利用が優位なジャンプです。
例)CMJタイプ:ジャンプスクワット
RJタイプ :リバウンドジャンプ、ドロップジャンプ
①②からわかるようにプライオメトリクスを行う場合には少なくとも
強度
ジャンプのタイプ
の2つをを考えることが必要です。
CMJタイプとRJタイプは要求される能力が異なるため、プレシーズン初めに行う低強度のプライオメトリクスにおいても、CMJタイプとRJタイプのどちらも行うことが理想です。
CMJタイプとRJタイプはどちらも重要ではありますが、今回の記事で触れていくのはRJタイプのジャンプで行う低強度プライオメトリクスです。
■プレシーズン初めに低強度プライオメトリクスで足関節のバネを養成することがその後の爆発的パワー獲得に繋がる
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