詩やエッセイも時々書く絵描き 啓茶

ニューヨークの街や自然の恵みを描く画家。ギャラリーでアートディレクターやキュレターで活動後、ジャズピアニストと共に即興アートライブパフォーマンスなどもしながら、表現って何かを思い巡らす日々。美大卒業後、広告業界や出版業界のイラストレーターが、バブル崩壊の風で異国に飛ばされた。

詩やエッセイも時々書く絵描き 啓茶

ニューヨークの街や自然の恵みを描く画家。ギャラリーでアートディレクターやキュレターで活動後、ジャズピアニストと共に即興アートライブパフォーマンスなどもしながら、表現って何かを思い巡らす日々。美大卒業後、広告業界や出版業界のイラストレーターが、バブル崩壊の風で異国に飛ばされた。

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星と人の間に ニューヨークで絵描きとして生きる (1)

ニューヨークで、絵描きとして活動してきている啓茶(ケイティ)、ことKeico Watanabeです。 私がアメリカに来てから、27年。 これは私がニューヨークに渡って、絵描きとして生きてきた日々の物語です。 ニューヨークで暮らすなんて考えもしなかった 「東京ですよ」 母からの電話は、いつもそう始まる。 私がニューヨークに来た頃は、電話をかけるとびっくりするような請求書がきていたが、10年ほど前から、ぐっと国際電話料金も安くなった。 母の電話の始まりは、いつも同じだが、

    • 星と人の間に ニューヨークで絵描きとして生きる (12)

      ニューヨークで、絵描きとして活動してきている啓茶(ケイティ)、ことKeico Watanabeです。 私がアメリカに来てから、27年。 これは私がニューヨークに渡って、絵描きとして生きてきた日々の物語です。 最初から読む マンハッタンで Coo ギャラリーを運営する できることはなんでもやった。 まずはアパートのリビングルームでは展示会。部屋を掃除して、ワインを用意してお客さんを招待した。アパートのオーナーも絵が好きなので、よく見に来てくれた。 次なる画廊を探さなけれ

      • 星と人の間に ニューヨークで絵描きとして生きる (11)

        ニューヨークで、絵描きとして活動してきている啓茶(ケイティ)、ことKeico Watanabeです。 私がアメリカに来てから、27年。 これは私がニューヨークに渡って、絵描きとして生きてきた日々の物語です。 最初から読む ドライバーライセンスと、ある親子との出会い 次の目標は「運転免許」だった。 国際免許でアメリカの各地でも運転もしていたし、日本で車やオートバイを乗り回していた。 運転には自信があったので、ペーパー試験だけ暗記して合格すれば大丈夫だろうと、気楽に実技の試

        • 星と人の間に ニューヨークで絵描きとして生きる (10)

          ニューヨークで、絵描きとして活動してきている啓茶(ケイティ)、ことKeico Watanabeです。 私がアメリカに来てから、27年。 これは私がニューヨークに渡って、絵描きとして生きてきた日々の物語です。 最初から読む ヒラリー・クリントンの手紙 現実に追われて絵がとまっているではないか。 ソファーに倒れこみながら、絵の構想を考えた。

 そして大きな油絵を描いた。タイトルは「リグレット」 進まなければいけない。怖がっていてはいけない。 鳥籠の鳥がニューヨークの空

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          星と人の間に ニューヨークで絵描きとして生きる (9)

          ニューヨークで、絵描きとして活動してきている啓茶(ケイティ)、ことKeico Watanabeです。 私がアメリカに来てから、27年。 これは私がニューヨークに渡って、絵描きとして生きてきた日々の物語です。 最初から読む グリーンカードと9月11日 個展を開催するという勢いで渡米した時は、ニューヨークの街を歩いているだけで幸せだったが、その感覚が、だんだんと薄れきている。 個展でも評価してもらえて手応えを感じたり、絵が売れたりすることもとても喜ばしいことなのだが、日常

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          星と人の間に ニューヨークで絵描きとして生きる (8)

          ニューヨークで、絵描きとして活動してきている啓茶(ケイティ)、ことKeico Watanabeです。 私がアメリカに来てから、27年。 これは私がニューヨークに渡って、絵描きとして生きてきた日々の物語です。 最初から読む 小さな奇跡が落ちている街 日曜日に行く教会には、日本人でもアメリカ生まれの2世の人たちの中には、日本語があまりしゃべれない人がいることも知った。 「なんでクリスチャンになったんですか?」
 私がそう尋ねると、 「あなた、想像できますか? 私達は子供の

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          星と人の間に ニューヨークで絵描きとして生きる (7)

          ニューヨークで、絵描きとして活動してきている啓茶(ケイティ)、ことKeico Watanabeです。 私がアメリカに来てから、27年。 これは私がニューヨークに渡って、絵描きとして生きてきた日々の物語です。 最初から読む 異国で家族のことを考える時 私は、東京生まれだが、父の転勤もあり、3つめの小学校が北九州だった。 その時、私は5年生だったのだが、東京と九州の子どもとの違いを知った。 東京では校庭の遊び場の取り合いで、いつも子どもが喧嘩しているのに、九州の子どもたち

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          星と人の間に ニューヨークで絵描きとして生きる (6)

          ニューヨークで、絵描きとして活動してきている啓茶(ケイティ)、ことKeico Watanabeです。 私がアメリカに来てから、27年。 これは私がニューヨークに渡って、絵描きとして生きてきた日々の物語です。 最初から読む 空手で、オッス! 小説家志望のマックスのこと アパートの窓の通りを挟んで、正面にはレンガ造りの建物がある。 その窓にヨガをやっているクラスが見える。のぞいてみるとYMCAという表記があり、色々なクラスがあるとわかった。 メンバーになるといつでも自由に

          星と人の間に ニューヨークで絵描きとして生きる (6)

          星と人の間に ニューヨークで絵描きとして生きる (5)

          ニューヨークで、絵描きとして活動してきている啓茶(ケイティ)、ことKeico Watanabeです。 私がアメリカに来てから、27年。 これは私がニューヨークに渡って、絵描きとして生きてきた日々の物語です。 最初から読む 綱渡りのニューヨーカー、ジョーの話 午前中は語学学校で英語を学び、午後は制作活動の間に色々な仕事をした。
 日本からのデザインやイラストの仕事も少しはメールでのやり取りはしたが、それよりもNYの人達の生活と関わる仕事、画廊の留守番や、引越し業、窓拭き

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          星と人の間に ニューヨークで絵描きとして生きる (4)

          ニューヨークで、絵描きとして活動してきている啓茶(ケイティ)、ことKeico Watanabeです。 私がアメリカに来てから、27年。 これは私がニューヨークに渡って、絵描きとして生きてきた日々の物語です。 最初から読む スタジオは100年前に建てられたビルの10階 とにもかくにも自分の城を手に入れた。 窓からはたくさんの窓が見える。それぞれの窓にはそれぞれの生活があり、色々な光を発している。 私のこの窓からも、私の光を発信して、マンハッタンの景気の中の一つの色になって

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          星と人の間に ニューヨークで絵描きとして生きる (3)

          ニューヨークで、絵描きとして活動してきている啓茶(ケイティ)、ことKeico Watanabeです。 私がアメリカに来てから、27年。 これは私がニューヨークに渡って、絵描きとして生きてきた日々の物語です。 最初から読む 飛びこんだソーホーの画廊で個展をすることに 翌日、「地球の歩き方」と自分のポートフォリオを持って、ソーホーの画廊街に繰り出した。 「イクスキューズミー」
 絵を見てほしい、個展はどうやったらできるのか聞いてみても、受付の人は、ディレクターはいないとか

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          星と人の間に ニューヨークで絵描きとして生きる (2)

          ニューヨークで、絵描きとして活動してきている啓茶(ケイティ)、ことKeico Watanabeです。 私がアメリカに来てから、27年。 これは私がニューヨークに渡って、絵描きとして生きてきた日々の物語です。 最初から読む 徹夜つづきのフリーランスの日々 広告会社をクビになったけれども、くじけている暇などなく、自分の絵の売り込みを始めることにした。 「なんでもします、アシスタント業はないですか?」 と先輩事務所を回ったり、新聞の求人欄にある「イラストレーター募集」の会社

          星と人の間に ニューヨークで絵描きとして生きる (2)

          こんにちは、絵描き Keico Watanabeです

          子供の時は絵を描いたり、歌ったり、踊ることがみんな大好きでしたよね。 大人になって、社会生活の 中で見失っていく自分という存在にもう一度色を塗ってみませんか?  1本の線が生きてくる瞬間を見逃さないように、いつも白いキャンバスを心の中に持って自分のテンポで楽しんでいきたいです。 私の絵の世界へ遊びに来て下さい。 インタビュー動画 Studio T-7より、作品テーマなどを語っています。 展覧会の記事が、経済誌 Forbesに掲載されました。 Youtubeで動画も公開

          こんにちは、絵描き Keico Watanabeです

          絵描きがキャンバスに向かう時

          時々、自分の対して思います。 絵描きなんて厄介な事にハマってしまったんだ。 めんどうな事を思いつかないでくれよ。 もっと悩まずにささっとやれよ。 だけど、次の絵が気になってしまうのです。 白いキャンバスを見つめながら、 次の物語を描いてしまうのです。 小さい時、 男の子に水色のノートが配られて、 女の子にピンクのノートが配られて、 どうしてもピンクよりも水色が欲しくって、先生に言えなくって、 でも言いたくって、胸がドキドキしていた。 お姫様のマンガの描かれたピンクの雨傘

          絵描きがキャンバスに向かう時