少年ジャンプ2024年41号感想
2024年9月9日 発売
表紙:魔男のイチ
巻頭カラー:魔男のイチ
センターカラー:あかね噺
センターカラー:キルアオ
センターカラー:願いのアストロ
表紙は新連載「魔男のイチ」。一段と華やかな表紙に、堂々と輝く「西修×宇佐崎しろ 超強力タッグ」の文字が眩しい。よく見たらジャンプロゴも金色風で煌びやかさに華を添えていました。こういうときはちゃんと右上にルフィを配置してジャンプであることをアピールしているのも手慣れたものですね。今週は「プ」がほとんど見えていないのに、なぜか「ジャンプ」って読めるのが不思議。
※ この記事ではAmazonアソシエイトを利用しています。
魔男のイチ
第1狩 イチ
連載予告から期待していた新連載のひとつ。元々「魔入りました!入間くん」が好きなのもあって(最近ちょっと追いつけていませんが)、個人的な期待度はここ一番だったと思います。
冒頭の入りがトリコっぽい気がして確認してみたんですが、雰囲気以外は全然違いました。1P目で世界観ダイジェストにする見せ方はトリコだけでなく、HUNTER×HUNTERにも似たところがありますね。というか、現代日本以外が舞台になる作品では基本なんだと思います。
しっかりした構成の1話で、「主人公のルーツ」→「魔女という存在」を別々の視点から描き、その2つが交差する部分が物語の始まりになる、というわかりやすさがよかったです。この1話の中で「イチが魔男になる」というエピソードを書き切っていて、「魔男のイチ」というタイトルを宙ぶらりんのままにしておかない丁寧さが感じられました。この辺は流石としか言いようがないですね。
構成力だけでなく絵の上手さと熟れ方もしっかり実績を感じさせるものになっていて、こういう「ぱっと見たときの上手さ」というのは新連載としてかなりの強みになるんじゃないかなと思いました。上手さに説得力があると言えばいいのか、不安要素がないというのが強い。
「魔法が生き物である」という設定は結構大胆。ただし、魔法の習得方法は魔法自身の試練を乗り越えること、というシンプルさ。そして魔法を習得したものを魔女と呼ぶとのこと。これもまたシンプル。世界観は独特でも、ルールは単純なので世界設定が入って来やすいのがよかったです。
また、「魔力は女性にしかないため、本来なら男性は魔女になれないはず」というのは物語として重要な部分だと思うんですが、「1話では余談でしかない」扱いにしていることで「今、どこに注目して読んでいればいいのか」という誘導もしっかりしているなという印象(これで2話以降もこの点に触れなかった場合、私が見当違いなことを言っていたことになります。乞うご期待)。
かなり満足度が高く、2話以降も楽しみ!!!以外に書くことがないと言っても過言ではないんですが、強いて気になるところを上げるなら「イチの目的=物語の縦軸」がまだ見えていないところ。とはいえ、まだ1話であることやイチのスタンス(死対死、狩りてぇ辺り)ははっきりしているので、まだ気にするようなところではない気がします。
イチがシンプルに戦闘狂っぽさがあり、やや狂気寄りのキャラクター設定なのは素直におもしろいなと感じました(戦闘狂というよりは野生児のイメージなのかも)。「強い魔法をどんどん倒す!」とか「最強の魔法をこの手で倒す!」とか、色々パターンはありそうですが、タイトル的にも「魔男」であるところが重要になってくると思うので、その辺りがどうなるのか2話以降が楽しみですね。
余談ですが、サブタイトルの数え方が「第○狩」なのがちょっとモンハンっぽくて好きです。
ONE PIECE
鬼の子ヤマトの金稲荷代参
vol.13「おでん城再建中&〝港棟梁行方不明〟」
おでん城再建は国の復興の象徴としていい事業なんじゃないかなと思いました(普通の感想)。棟梁の〝行方不明〟と聞いてゾロのことが過りましたが、別にゾロはワノ国の血が入っていると言うだけで別にこの棟梁の血筋ではありませんでした。
このあと棟梁を探しに行くヤマトが棟梁と一緒にいる既存キャラと出会う(もしくは再開する)パートになったりするんでしょうか。誰か出てくるとしてもあんまり予想がつかない。
第1125話 〝何をもって死とするか〟
引き続き島から島へ移動するときに挟まる世界情勢パートですが、最終章&登場人物が膨大になっていることもあってなかなかのボリュームですね。新情報がわんさか出てくるのがうれしい反面、ルフィたちの冒険パートの比重が減っているのは素直に寂しい気持ち。とはいえ書かないわけにもいかないのもわかるので、そこはエルバフに期待することにします。
新情報については多すぎて文章で書くのがキツいため、気になったところだけ箇条書きにしておくことにします。週刊連載の内の1話に「気になったところを箇条書き」するほどの新情報が出ているのは正直異常事態だと思うんですが、ONE PIECEの最終章ともなればそういうこともあるか……、と思えるので本当にすごい。本当に終わっちゃうのか?
ステューシーの行方
まず死んでないと思いますが、ルッチが「殺した」と明言してるってことはルッチもステューシーの行方の隠蔽に関わっている側って気がします。元々仲間意識は強い人物なのでそうだとしてもそこまで違和感はないですね。
200年前のサターン聖
サターン聖があの鉄巨人を研究のために残しておいた、というのはちょっと意外。もしかしたら五老星もかつては今ほど頭が固くなかったのかも知れない(イム様の影響か、もしくは世界情勢が変わったことによる変化?)。
サターン聖の最後とガーリング聖
思ったよりもサクッと切り捨てられたサターン聖、あれだけのことをしたにも関わらず思わず憐れになってしまう程でした。イム様が遠隔で命を奪うことができるっぽいのはどういうことなのか、謎は深まるばかり。
サターン聖から覇気が出てるのを見た感じ、「五老星はイム様の覇気を結んで持たせていた体だった」みたいな話があり得たりするんでしょうか。
その場合、入れ替わったガーリング聖はどうなのかも気になります(残りの4人はサターン聖と同じ仕様だと思うし)。
「欲(ヨーク)」以外のサテライトたち
予想通りしっかり復活。
とはいえ、おそらく「パンクレコーズ」からサルベージした存在だと思うので、サブタイトルになっている通りこの存在を「生」とするのか「一度死んだ別存在」とするのかというのは今の人類にはまだ早い議題であり、それが作中の「人類がこの〝天才の脳〟を使いこなせる日」にリンクしてるのかもしれないと思うと深い。
ステラは復活できるのかどうかが気になるところ(ボディないし)。
ヨークは悔しがっていたものの、パンクレコーズ本体をイム様陣営に人質として取られると厄介だと思うのでここはヨーク以外のサテライトたちの管理下に置くのが最善策だったと思います。
何気なく「ウェザリア」に連絡を入れているシーンがあり、ここでそう繋がるのかという驚きと納得があるのもすごい。こんな隅っこの小さなコマで……。
〝安全な場所〟
民衆たちが「高い場所」を求めることになる、というのは納得。
「テキーラウルフ」がそうなんだろうとは思っていたけど「ウォッカウルフ」「ラムウルフ」「バーボンウルフ」があったのにも驚き。4つの海それぞれにあるのかな。
海賊と言えば酒、みたいな連想が存在する作品でこの重要な建造物に酒の名前が付いているのはなんだか思わせぶりですが、思わせぶりなだけかもしれない。
もしかして青山剛昌先生と対談したのもあって、その辺のお遊びだったりする?
やっぱり大きいのはサターン聖の死とガーリング聖の存在、「安全な場所」についての件でしょうか。ここで気になるのはベガパンクが「島雲」の研究をしていたことと、「空島」の存在、ウェザリアとの関係。ベガパンクの優しい性格のことを考えると、その日のための避難地として島雲を作っていた可能性があると思うんですが……、どうなるんだろう。
SAKAMOTO DAYS
DAYS 181 親睦会
ここで監獄編がスタート。色んなシチュエーションを描くのが好きなのかな……、というのは前から思っていたんですが、今回もやっぱり楽しそうな気がします。
シンって単独or同年代や後輩と一緒だと結構「輩」寄りなので刑務所暮らしでも全然大丈夫そう。坂本と一緒にいるとどうしても庇護者のイメージが強いので、ここで一旦保護者から引き離して修行パートって言うのはカンフル剤としてよかったのかもしれません。
この流れからのボイル再登場はうれしいんですが(夜桜さんちの大作戦でもそうでしたが、序盤の方で出てきた「もう再登場はないかな」というキャラクターの再登場が好きなため)、そもそもボイルさん、いつ捕まったんですか!?帯黒もいないし!!!所属していたどんでん会自体はスラーに襲撃されてめちゃくちゃにされていましたが、まさか殺連に「スラー一派にやられるような殺し屋会社は罰として監獄行き!!!」って言われて収監されたとかだったら流石に殺連がブラックすぎる。まさかね……。
また、このボイルが意外と強いのもよかったです。というか遊園地の時点で坂本を手こずらせているので、坂本の実力が落ちていることを含めてもおそらく有象無象よりはずっと強いんだと思います。南雲がボイルの名前をちゃんと覚えてたのもそれなりに実力があったからなんでしょうね。ただ、そのボイルとシンがそれなりの勝負になってしまっている辺りは坂本(ORDER)とシンの実力差を感じてしまって切なくもあります。
殺連お抱えの占い師がかわいい女の子だったのは意外でした。罰として収監されているというよりは、スラーと接触できないように幽閉しているという印象。迎えに来てくれるらしい「運命の人」は素直に捉えたらシンですが、この辺はズラしがあるかもしれないので一旦保留。シンと見せかけて平助かもしれないし、実は同時期にスラーが襲撃してきていて、そっちのことを指していたとかも全然あり得る。
ちなみに監獄最下層のモデルがポンテタワーっぽいという話を聞きました。このポンテタワー、先日読んだ「ヨハネスブルグの天使たち」にも出てきていたので、こういう偶然もあるんだなあとしみじみ。ちょっと調べて見たところ、バイオハザードシリーズでも使われていたことがあるらしいので、映画好きな先生がそこから着想を得た可能性はありそうですね。
あかね噺
第125席 〝引き算〟の芸
先週124席だったのに今週122席というのはこれ如何に。普通に今回の扉のミスだと思うのでこの感想では「第125席」にしておきます。前にも似た感じのミスがあったことを思うと、カラーのこの辺りはミスが起きやすいところなのかも。
志ぐまの語る「死神」ですが、よくよく思い出してみるとこの話はオチまで含めて知ってたな……、ということに気が付きました。すぐに思い出せなかったのは志ぐまの語りに引き込まれていてそれどころではなかっただけではなく、「サゲ」の種類がいくつかあるからだと思います。なんかそれこそサゲの種類があることに興味があって1回調べたことがあったはずなのに今まで忘れていたことが地味に悔しい。
そして志ぐまの高座は余韻の残るサゲで幕を下ろす。この辺りの観客席の描写はあまりに見事で、自分もこの高座を見てたら多分こうなっただろうな、と納得できる表現になっているのが気持ちいい。集中したときに入る「ゾーン」の話は「おっ、来たな」と思ったんですが、「ゾーンに入っているのは志ぐまではなく観客の方」というところで一枚上手を行った印象。それは確かにすごい、という強烈な納得感がありました。
カグラバチ
第48話 国獄 湯煙スクワッド
このマンガのテンションの独特さ、慣れてきたつもりでしたが1話のなかでこうも上下に揺さぶられると「何!?」になる。
先週の時点で既に様子がおかしかった漆羽がますますおかしなところを見せてきて、マジで何!?という気持ち。この辺の絡みづらさを容赦なくスルーするチヒロは流石ですが、横で「ヤバいかも」みたいなことを言っているハクリも初対面の時はかなりヤバい人だったことを忘れないで欲しいものです。
最初に読んだときは読み落としていたんですが、この電車で別の妖刀所持者がいるところに向かってるんですね。そんなことしたら毘灼に道案内するようなもんじゃない!?と思ったんですが、どうせ場所が割れているなら神奈備側の戦力を集中させた方がいいか。もしかしたら緋雪辺りの実力者が先にそっちに行ってるのかもしれないし……。
妖刀レベルの存在が緋雪のもつ炎骨くらいしかないという現状、「なぜ炎骨は封印しておなくていいのか?」「なぜ緋雪が炎骨を持っているのか?」「そもそも炎骨って何?」辺りが気になりますね。「解放の許可」的な言動から神奈備が完全に制御できる力なんだろうなというのはわかるので、その辺がポイントなのかも。
双城のときからずっと神奈備側のモブがやられっぱなしなのでここら辺で「ちゃんと実力がありますよ」というのを見せてくれたのはありがたかったです。ただ、その実力があるはずの部隊もやっぱりやられてしまうのが諸行無常。ただやられただけでなく、その死体を漆羽の怒りを引き出すための道具として利用されるという尊厳破壊ぶりが徹底しています。ハクリが漆羽が自分の命の価値を理解していることに感心していましたが、ここで挑発に乗らないことで彼らの死を無駄にしないことも理解しているんだろうなというクレバーな感じも惚れ惚れしました。ちゃんと「妖刀を託されたもの」としての格を描いているのがいいですね。
ネームドになりそうな毘灼が出てきたので、ここからはまたチヒロvs毘灼になりそう。戦闘以外のシーンもしっかり読ませてくれているんですが、やっぱり戦闘が花形のマンガでもあるので、バトル展開があるのは素直に楽しみです。個人的にはいい感じのところでハクリが力を取り戻し、漆羽が妖刀を振るえるようになるのを期待しているんですが、まだ難しいかな……。
アオのハコ
#163 誰かのピンチに現れる
累計500万部突破おめでとうございます!!!具体的にどれくらいすごいのかはわかっていないんですが、応援しているマンガが売れている様子なのは素直にうれしいです。
本編は「まじで匡の気持ちはどうなっちゃうんだよ!!!」に尽きます友人の大喜の恋愛が上手くいっていることも含めてだんだん匡が不憫になってきました(匡は気にしてなさそうだし、大喜に落ち度はないんですが……)。咲季が悪い訳ではないのもわかっているんですが、匡視点で見てしまうと「振り回してくる相手」という印象が強くなってしましますね。
また、その横で雛と春人の恋愛模様もしっかり描写され始めました。雛視点では恋愛のつもりはないのかもしれませんが……、とここまで書いてから咲季と雛は「自分に好意を持っている相手に対するそれぞれの接し方」としてあえてこの2組を同時進行させているのかな?という気がしてきました。どうだろう。
春人が行きたかったバドミントンの練習をキャンセルして看板を直すシーンはもの悲しかったんですが、ここで看板にぶつかった相手が近くでふざけていたわけではなく、汚れたことがわかった上で春人に押しつけたわけでもない辺りの描き方が上手いな~と思います。ここで描きたいのは看板にぶつかった相手に対するヘイトではないというのがしっかりしている。
夜桜さんちの大作戦
作戦241.もずと旦
Dr.もずは敵キャラあるある、「敵組織の中で足並みを乱してる」ヤツでした。まあ、そもそもフーランや龍辺りも旦に完全に屈していたわけではないのでそれは今さらかもしれません。その中でもずの特筆すべきところがあるとすれば「夜桜側も味方でもない」ところでしょうか。しかし、これは今回の話の感想とはズレてしまいますが、味方に引き抜いたはずの手駒が寝返ることを旦が予想できてなかったわけではないはずなのでここまで全部想定通りというのは説得力がありますね。それをもずに聞いてわかるかというのは怪しいところですが……。
七悪vsもずの戦闘は異形vs異形になっていますが、その戦闘が「ナナモズ細胞」という遺伝子的には七悪ともずの子どもに近いもの(多分)で行われているというのが地味にグロい。というか、権平先生の絵柄だからこの程度で済んでいますが、この戦闘自体が結構グロいような気がします。そりゃ七悪から「倫理と方向性」という言葉も出る。
マッドサイエンティスト要素自体が旦と被っているような気はしますが、旦は目的のために手段を選ばないタイプ、もずは純粋に「知」に突き抜けたタイプで根本が違うんでしょうね。もずタイプのマッドサイエンティストってどの作品でも基本的に味方にも敵にもならない印象。
開花春来は開花と逆になるところから予想はできましたが、七悪の開花春来は「退化」。ぞっとする特性である反面、もず特攻であるところに期待もできます。これが偶然ではなく、今まで七悪がもずと進めた研究の反転になるからこそってところはアツいですね。
僕とロボコ
第200話 ロボコジュニアとボンド
200話おめでとうございます!!!200回という記念すべき(?)節目の回なのにロボコ自身は寝てるだけなのが既におもしろかったです。
古参マウントみたいな言い方になってしまうんですが、釣り回からミニロボコのことがかわいいなと思っていたので、今回はミニロボコメインでうれしかったです。かわいい!!!ミニロボコってロボコ本体よりもアホさと一生懸命さが際立っているので、普段ロボコに感じるかわいさよりもストレートなかわいさがあって……。下心がなさそうだからかな(ロボコに失礼)。
ミニロボコのかわいさが堪能できてうれしい回でした。
キルアオ
page68 Cavalry Battle
ミツオカ決闘のため、騎馬戦準備回。しっかり取材もしたらしく、乗馬関連シーンがかなりしっかり描かれていました。ここをそこまでしっかり描く!?みたいな気持ちはちょっとだけあったんですが、そもそもキルアオ自体が「殺し屋のおじさんが若返って色んなことを経験する!」という作風なので妙にしっくりくるという……。
しかし、ここを詳しく描くことで乗馬のリアリティラインがかなり現実に寄ってしまった感があり、そうなると十三が勝つのはかなり難しくないか?と不安になりました。例えばこれがSAKAMOTO DAYSのリアリティラインだったら、伝説の殺し屋は騎馬戦も強い!!!という勢いで押せてしまうと思うんですが(SAKAMOTO DAYSをなんだと思ってるんだ)、この流れでそれをやってしまうと不自然な感じになっちゃいそう。
しかもここに来て対戦相手のまともそうだった方がよりヤバい性癖を持っていることがわかりました。前半見てから読むと「それって馬への負担ヤバくない!?」という気持ちになるんですが、馬は本当に大丈夫なんでしょうか。この後の決闘で馬がかわいそうな目に遭わないことを祈ります。
また、今さら気付いたんですが、「桜花」と「葉桜」は両方とも苗字なんですね。髪のトーン処理が同じなのでてっきり桜花葉桜くん(なんか海馬木馬みたいな名前だな)という息子さんだと思っていました。もしかして息子じゃなかったりする!?
あと更に今さらですが、このマンガって味方陣営の人物の名前に動物の名前が、敵陣営の人物の名前に植物の名前が入ってる?天馬などは「幻獣組」だから動物系の名前なんだと思ってたんですが、「大狼」「猫田」もそうだし、シンの苗字が「古波鮫」なのを今回の「キルアオつうしん」で思い出したので書きました。オマケページもなかなか役立ちますね。
ひまてん!
No.9 裸の心
今回は想像通りひまり回でした。
しかしやっぱりこのマンガ、最終的に3人ルートになるか殿一が増えるかして欲しいですね。ひまりもほのかもどっちにも失恋して欲しくなさすぎる(ひまりは現状殿一のことを恋愛的に好きってわけではなさそうですが)。
しかし、殿一とひまりはお互いに仕事は仕事として年齢にしてはかなりしっかり割り切っている方だと思うんですが、それでもやりずらそうなところを見る限り……、普通に人を変えるべきではないでしょうか。メタ的にそれはないことはわかってるんですが、変えないとマズいでしょ!!!これは!!!という気持ちになってしまう。ただ、メタ的に見なくても「殿一視点、そう簡単に家事代行の仕事は見つからない」「クラスメイトだからこそ頼みやすい部分がある」辺りがお互いのメリットになっているのですぐにやめる必要がないのもわかります。
とはいえ、「これがひまてん!じゃなかったら絶対ヤバいトラブル起きてたからな!!!」と思いながら読むのが楽しいのも事実なので、この絶妙な距離感をどんどん見せて欲しい。
そもそも自分の中に「家事代行のために他人を家に入れる」という感覚があまりないので、このマンガを読むときにどういう感情になればいいのかわかりづらいところがありますね。全く関係ないですが、私も家事代行してもらいたいです。今度相場調べようかな。
逃げ上手の若君
第171話 望郷1338
時行にちょっとしたヒントを出す北畠親房を見て、この時代の人間のほとんどが「戦で大切な人を失うことをある程度は当たり前のこととして受け入れている」という描かれ方が印象的だなと思いました(もちろん全然受け入れられていない人も出てきていますが)。描かれ方もそうだし、読者側にもそれを「この時代はそういうもの」として受け入れられる地盤があることが前提になっているのもすごい気がします。
後醍醐天皇からの難題がしっかり答えのあるものだったのは好印象でした。そこからの無礼講のときもしっかり時行に視線を合わせていて、今までのヘイトをひっくり返すだけの「良さ」を描ける表現力が見事。だからこそ、その崩御のあっけなさが際立っていました。でも歴史ってそういうものだし、そういうところに風情があるのも確かなんですよね。悲しい。
時行の立ち位置を「完全な遊軍」とすることでかなり表現に幅が出たんじゃないか、これはこのマンガのアレンジなのでは……、と思っているんですが如何せん歴史の方を調べていないのでなんとも言えなくなってきました。マンガでのアレンジなら上手いし、史実だとしたらそれはそれで後醍醐天皇がすごい。
逃げ若でときどき出てくる「この人物が現代にいたら」のIFイラストが好きなんですが、今回も見られてよかったです。この辺りの画はマンガを飽きさせない工夫なのかな。
ナレーションでさらっと翌年になっているっぽいので、次回はちょっと時が進みそうですね。
願いのアストロ
第20話 終局
カラーイラストのかっこいい感じがちょっと東京卍リベンジャーズに通じるものがありますね。シチュエーションイラストでありつつも、それぞれ自分のアストロをしっかり出しているのもわかりやすくてかっこいい。
結構気になっていたヒバルの遺言ねつ造の件は正直このままなんとなく流しちゃうと思っていたのでヒバルが自分からケジメをつけに行ったのは意外でしたが、そうしてよかったなと感じられる演出になっていてよかったと思います。この嘘に関して、「ヒバルがテラスを跡継ぎにしたいと思った理由」はもうちょっと語るべきではと思うものの、これ以上ごちゃごちゃ言っても言い訳になるだけなので「謝罪」→「俺が組長になりたい」というシンプルな言い方が最善だったというのもわかる。
この辺の流れは正直ヒバルに結構甘えがあるなと感じるんですが、よりによってその「甘さ」こそが先代の望んだ形なので文句の言いようがないというところにも納得感がありました。そもそも先代だって甘くなきゃこんなにどんどん義理の息子を作ったりしないと思うので、その甘さに救われている寅三はヒバルを認めざるを得ない。結構シンプルな理由。
余談ですが、ヒバルのコウへの当たりまでちょっと甘くなっているのはおもしろい。
鵺の陰陽師
第65話 負け
かなりデカい戦闘になってしまったものの、これにて決着!!!としっかり戦いの終わりを宣言して仲間を労うところは鵺さんが「良い強者」であるところが出ていてよかったです。この辺のスタンスから「鵺さんが本当に人間が好きなんだ」というのが感じられるのが、この作品の安定感にも繋がっている気がしますね。「最後に鵺さんは裏切るかもしれない」と読者にプレッシャーをかけたままだとちょっと楽しみづらくなってしまうと思うので……。人間好きであるところをセリフだけではなく、ちゃんと行動で示してくれるところが上手い。
しかし儡脊が「藤乃」姓なのも相当ヤバいと思うので、そろそろ藤乃家もなんとかして欲しい。この辺は狂骨と契約できている当たりとも関係あるんでしょうか。
また、冒頭の「伝説」はわくわく探索アイテムなので、白沢の証言も絡めつつ「過去になにがあったか?」を次回で教えてくれるとうれしいですね。
ウィッチウォッチ
170 ニコがカンシでカンシがニコで
入れ替わり回ってコメディものどころか全てのマンガにおいてベタなフック的なところがあると思うんですが、ちゃんとおもしろいので(しかもちゃんとウィッチウォッチ的におもしろい)このマンガはすごいと思います。
ただ、この流れでチャミーと一緒にいるのにチャミーと入れ替わるわけじゃないんかい!!!というのは私だけでなく他の人も思っていたみたいでホッとしました。実際、入れ替わりって対象の人物2人をよく知っているからおもしろいというところがあるので、チャミーじゃなくて正解だとは思うんですがちょっとだけ釈然としない気持ちがあります。
超巡!超条先輩
第29話 係争巡査長
内容は全然違いますが、直前のウィッチウォッチがベタなネタをやっているときにこっちも犬を拾うというベタなネタをやっているので思わず笑ってしまいました。ギャグなので笑うのが正解ではありますが、なんかちょっと悔しい。いっそ入れ替わり回が被って欲しかった(超能力でそんなことが起こるかどうかはともかく)まであります。
また、ペット回なら犬を拾ってきたことでローボくんが犬に嫉妬して……みたいな展開になると思っていたんですが、別に全然そんなことなかったのでローボくんは大人だなあという気持ちになりました。というか、超巡とポンちゃんの争いが醜すぎてちょっと引いてただけかもしれない。確かに巻き込まれたくない気持ちになるのもわかりますね。
これは個人的な感想ですが(全部個人的な感想だよ)、前回の花園さん回で結婚式の幻覚を見せられてから今回これを見せられたせいでなんかちょっと脳がバグってしまった気がします。なんか……、この2人って夫婦だったんだ……?みたいになっちゃう!!!(バグ)
悪祓士のキヨシくん
第11話 悪祓士のソウスケくん
乗っ取り回みたいなサブタイトルで第1話みたいな始まり方をしたのが既にちょっとおもしろかったです。ネハンのときにも視点をネハンに持っていったりしていたので、こういう方法でサブキャラクターの内面を掘り下げるのが好きなんでしょうか。私は好きです。
ソウスケくんはかなり実力がありそうなので(そもそも卒業してすぐに光の騎士団に所属できているのがすごい)。キヨシと同年代じゃなければ普通にトップだったんだろうな……とかわいそうに感じてしまう反面、家が厳しくなかったりキヨシ側からは友だちだと思われていたり、プライドさえ捨てれば結構気楽に悪祓士をやれそうな地盤はありますね。個人的にはそうした方がいいと思うし、このマンガの感じだと今後そうなっていくような気もします。
なんとかキヨシ陣営のレギュラーメンバーになって欲しいところ。
アンデッドアンラック
No.221 凶界輪廻
今回冒頭の演出を前回の風子視点と揃えているのがオシャレでしたね。
最強の布陣となった不死不運ならルインくらい倒せてしまいそうだけど結局どうするんだ……?と思っていたんですが、意外にも情けをかけて殺さない方向へ。とはいえ「一生死に続ける」というエグい技を食らっているので「そのうち迎えに来る」というスタンスで大丈夫なのかよという気持ちはあります。大丈夫なようにUMAをつけたんだとは思いますが、この辺の「それくらい大丈夫だろ!」という大雑把さはアンディらしさを感じますね。
しかし、ここでルインを消滅させなかったこと、UMAが結構ルインに肩入れしてるっぽいこと(今回のループでは強化もしてもらってるし)、「そのうち迎えに来る」というセリフから見てもメタ的にはルインの救済も含めたウルトラスーパーハッピーエンドを目指しているんだなというのがひしひしと感じられます。だからこそ安心して見ていられるところもあるんですが、その保証があからさますぎると退屈に感じる人もいそうなのでこの辺の案配は難しそう。
リメンバーの使用だけで書こうと思えば1巻くらい書けるだろうに、ここから一気に絶対理(マスタールール)戦、しかも総力戦だ!と啖呵を切っていくところはアンデッドアンラックらしさを感じてよかったです。
まあ、ここで啖呵を切っただけで、この後リメンバーの使用についてじっくりやる可能性もありますが、ラスト2Pのスピード感が好きなのでこういう感想になりました。
さいくるびより
17話 ただいま
先週から引き続きことねの母の夢の中。母の夢の中に入ったことねの言葉で母が目を覚ますくだりは予想通りといえば予想通りの展開ですが、ことねが母の夢に入り込んだ時点でこの結末しかなくない!?というのはあるので、この展開自体に不満はなかったです。
母に伝えた「大変なことは人に頼って、幸せは人と共有したい」ということねの言葉が、万引き事件をきっかけにサイクハウスでの暮らしを始めたことでことね自身が気付いたことだったというのは締め方としても美しかったと思います。この話で伝えたかったのはこっちだと思うので、結果よりもこの過程を重視していたんだなという印象。
「結果よりも過程を重視している」というのはこの「さいくるびより」という作品全体に対して感じた印象でもあります。このマンガは「サイクを持っているからどうする」という結果のある物語ではなく、あくまで「サイク達の日々」という「過程」がスタンスで描かれていました。私はこの作品で描かれるそういう細かい「日々」がすごく好きだったんですが、これがジャンプ本誌で受けるかと言われたら難しいかもな……、というのは常々感じていました。
できることなら別媒体でで長くやって欲しかったな~という気持ちもあるんですが、この連載経験を生かした次回作が楽しみだという気持ちもあります。
連載お疲れ様でした!!!
妖怪バスター村上
第12話 ケンタウロス
入りのアオリ文が「さらば紅院!」なんだけど、誘拐事件をさらば!で済ますな。
今回は敵と村上が話している箇所が少なかったせいか読者的にはちょっと不完全燃焼ではあったんですが、敵視点で考えると「村上と会話をしない」のが正解なので悩ましい。その分、村上と天狐、村上とメリーさんの絡みが見られたのでそこはうれしかったです。
しかし、何気に結構な勢いで四天王を全員倒してしまったわけですが、巻末固定連載であることもあってこのマンガがどれくらい続くのか全然予想できないのが怖い。ストーリー的には四天王を倒したらやることがなくなるわけではないのもあって本当に予想できないですね。
少年ジャンプ2024年42号 予告
月曜祝日のため紙の発売日は火曜、電子の発売日は月曜とのこと。最近はこのパターンが増えましたね。私は電子派なのでいつもと変わらず読めるのであまり気にしたことがありませんが、紙派の人でネタバレを見たくない人はなかなか大変そうだと思っています。
新連載第2弾として「しのびごと」がスタート。忍者ものということで今までの新連載とはちょっと毛色の違うバトルマンガって感じでしょうか。個人的に忍者ものが好きなので楽しみです!!!センターカラーに「魔男」と「魔女」が揃ってるのは偶然だと思うんですが、ちょっとおもしろいですね。
2024年9月16日 発売
表紙:しのびごと
巻頭カラー:しのびごと
センターカラー:魔男のイチ
センターカラー:ウィッチウォッチ
センターカラー:逃げ上手の若君