少年ジャンプ2024年35号感想
前号:少年ジャンプ2024年34号
次号:少年ジャンプ2024年36号
2024年7月26日発売
表紙:僕のヒーローアカデミア
巻頭カラー:僕のヒーローアカデミア
センターカラー:CNNECTTOTHEDAY(あきやま陽光)
センターカラー:【読切】化け狐の執心(角田拓海)
センターカラー:願いのアストロ
読切:【読切】化け狐の執心(角田拓海)
表紙・巻頭カラーは次回最終回を迎える僕のヒーローアカデミア。ジャンプは基本的に最終回に表紙・巻頭をやらないそうなので(昔は結構びっくりしました)、ここに来るのは納得。めちゃさわやかな表紙ですが、最終回感で言えば「ジャンプGIGA 2024 SPRING」の方がそれっぽさがありましたね。
※ この記事ではAmazonアソシエイトを利用しています。
僕のヒーローアカデミア
No.429 私が来た!
表紙も巻頭カラーも内容も最高の回でした。
「ヒーローのヒーロー」という存在も内包した上での「ヒーロー」という存在へのアンサーがあまりにも最高で、読み終えてから冒頭に戻ってサブタイトルを見た瞬間に涙がどっとあふれたくらいによかったです。
個人的な話になりますが、私はヒロアカのストーリーが終わりに近付き、戦いが激しくなるにつれて「どうしてこんな優しい子どもたちが戦わなければならなかったんだろう」ととても悲しい気持ちになっていました(もちろん「少年マンガ」なので少年少女が戦うというコンセプトによるものだというものはわかっていますが、それでも悲しい)。
私はこれを「今までに何もしてこなかった大人のツケだ」と解釈した上で「何もしてこなかった大人」に感情移入していたため、デクをはじめとしたヒーロー達を見守ることしかできないんだ……、と思っていました。そして、その気持ちにはこの物語を子どもの頃に読めていたらもっと明るい気持ちになれたかもしれないな~という諦めもありました。
しかし、そういう「諦め」に対してヒロアカが出してきた答えが、〝おばあちゃんが来た〟からねというセリフと行動です。
あ~~~~~!!!
満点!!!
ヒーローじゃなくても、年齢も性別も関係なく、ひとりひとりが誰かを思いやるために起こす行動が「英雄」的であり、「ヒーローが暇な社会」を形作る。フィクションを飛び越えてもなお生きたメッセージを決してメタ的ではなく、説教じみた表現でもなく、こんなに「こちら側」に呼びかけてくる作品に出会えたことに純粋に感動してしまった。
オールマイトの印象的なセリフ「私が来た」の「私」はあくまで代名詞であり、誰がその「私」であってもよいという答えを……、ここで!?天才!?全ての読者にその可能性を示唆したことも、最初期のセリフを最後に美しく昇華させたこと、その全てに感服しました。
私がこの作品に追いついたのは去年なんですが、追いついてリアルタイムで読めてよかったなあと心から思います。なんか最終回の感想みたいになってしまいましたが、まだあと1話ある!!!最後まで楽しませてもらいたいと思います。
あかね噺
第120席 歩む道
二ツ目になるために朝の仕事を卒業するあかねとその師、水入らずの物語。おだやかな雰囲気のなかでこれからあかねが目指す世界の広さと、その世界を開いた師の偉大さを表現しているいい回だったと思います。
あかね噺という作品自体が作品の世界観を「落語が流行っている世界」にするのではなく、ある程度現実に即した形で描いているので、それ故に師匠の偉大さが生きた話になっていると感じました。この辺りの誠実さはこの作品の強みですね。
また、これとは対極の世界観になりますが、ホビアニ的な、「この世界はこうですよ」という世界観(遊☆戯☆王とかそうかな)はそれはそれで良さがあると思うので、比較してどちらがよいか、という話ではありません。
SAKAMOTO DAYS
DAYS 176 醒める
気になっていた晶の過去に対する反応ですが、「そっちか~!」と言う感じですね。ここで割り切れない「優しさ」というのが一般人と殺し屋を隔てている、という描き方をしているので一般人であることを望まれている晶がリオンと有月に同情してしまうというのには納得。
ここで赤尾人格が「生前はできなかった」坂本・南雲に頼るような言動をするのがエモいと感じるのかムシがいいと感じるのかはこの人格がリオン本人かどうかによるので、そろそろ確定情報が欲しいところ。個人的には過去回想でリオン人格が生まれた経緯が書かれなかったことと、この人格があくまで有月の作ったものだとするとメタ的に「信頼できない語り手」が増えてしまうため(作劇上メリットがない)、本人の可能性は残っている気がします。
対する坂本商店サイドは「修行したい」→「師匠が欲しい」からのキンダカの目覚めまでのノリで、「っぱサカモトはこういうテンションじゃなきゃなあ!!!」みたいな気持ちになりました。キンダカを見捨てる決意をしながら人生の目的を失ったような目をしていた南雲は心配ですが、この流れなら坂本と合流する気がするので大丈夫な気がします。上手くいけばここに四ツ村さんも合流して和気藹々と……、和気藹々となるか!?
しかし、今回の減ページは結構心配ですね。カラーの関係だといいんですが……。
カグラバチ
第43話 全う
こういう「敵の格を信じて自分の行動を起こす」という戦いはかっこいいですね。双城戦にもあった表現なので、先生はそういうシチュエーションが好きなのかな~と勝手に思っています。今回は敵がハクリの父の京羅なので、京羅の行動をシミュレートして動くという選択にも説得力がありました。まあ、その結果が「どいつもこいつもイカれてる!!」ですが……。
そして、今回は「戦いの終わり方が美しい」の一言に尽きました。京羅の楽座市への執念の描き方がすばらしい。ここで敵を悲劇的に描いて同情させるのではなく、「信念を貫いた結果」として描くことで「納得感」を生んでいるのが本当に上手い。
また、濤やハクリを感情のままに見下すのではなく、考えた上で「全うできなかったのは自分だけ」という評価を下して散るところに「格」を感じられてよかったです。もし、京羅が本来の意味で「全う」できていたらハクリはこちら側にいなかったんだろうな、というぞっとするIFを感じされられたのもよかったし、楽座市編はマジで「良い」シーンが多すぎでしたね。
アオのハコ
#159 今日の主役
読むたびに思いますが、マジで千夏先輩周りと大喜周りの人間がいい人で構成されていてすごい。かといって過去の自分がこのグループでやっていけただろうかというと微妙なところです。とはいえ、物語として読む分にはいい意味でストレスなしに2人の青春を追うことができるので、テーマがぶれない。上手いマンガだな~と思います。
千夏の誕生会に部活の違う彼氏を招いてくれる上、必要以上に弄らず、2人の時間も作ってくれる辺りの「陽・善」の気が本当にすごい。
ここまで安心させてくれてからの「下に水着着てきてるから」と青春夏イベント全回収はマジで欲張りすぎるだろ!!!でもIHもがんばったし全然いいよって気持ちになってしまう。
毎回言っていますが、恋愛とスポーツの両立って上手く書くのがマジで難しいと思うため、それを描けているのが天才すぎると思います。
CONNECT TO THE DAY
あきやま陽光
あきやま陽光先生による僕のヒーローアカデミア 特別スピンオフマンガ。なんで!?最終回前だから!?と思ったけど普通に映画直前だからでした。
そう言われてみると、実はノーチェックだった(基本的にあんまりアニメを見ないので……)、新作映画も折角だから見に行きたいなと思ってしまい……、こういう風に思わせたら勝ちのマンガなんだろうなということに気がつきました。
しかし、本編と時系列が違うので一瞬びっくりしますね。というか絵柄ってこんなに寄せられるんだ……、というところにも驚きました。
ひまてん!
No.4 買い出し
試し読み範囲の3話が終わって、4話。良くも悪くも安定感がある印象です。
良いところはそのまま安定感があるところ、悪いところは強いて言えば大きなイベントがないのでラブコメの「コメディ」部分のパンチが弱いかな~、と感じるところ。とはいえ、ラブストーリーだと思えば気にならない部分だし、毎回新連載に思いがちな「大丈夫かな~」というハラハラ感も全然ないので、この「こなれた感じ」は大きな武器だと思います。
また、先週の引き的に殿一とひまりの関係は早くもバレるのか!?という感じでしたが、これだとまだ引っ張れる感じもしますね。個人的には女子同士の仲良しが見たいので早めにバレてくれた方がうれしい気持ちはあります。
呪術廻戦
第264話 人外魔境新宿決戦㊱
天使の邪去悔の梯子、決まったか!?と言うシーンからの畳みかけるような展開。前回の時点で天使の邪去悔の梯子が決まるシーンを越えるのはもう虎杖が宿儺と決着をつけるシーンくらいしかないんじゃないかと思っていたんですが、今回で全然越えてきました。すごい。
一回読み終えてから冷静になり、「え?呪術、おもしろすぎないか?」になって読み返したくらいです。未だに思い返しては「え?おもしろすぎない……?」になっている。具体的なことを言えば、天使の術式が「当てたら宿儺が即死」くらいのものだと(勝手に)思っていたのに違ったため、正直「ここからまた宿儺削りになっちゃうのか……」と思わされてからの虎杖の領域展開。これでテンションがブチ上がらないのは失礼に当たるのでは?(諸説あります。)
当たらなければいいという宿儺の思考からの「じゃあ絶対当たるものは?」「領域展開」という方程式が美しい。ここで初期の説明シーンをもってくるのもオシャレでした。
どういう術式なのかは来週に引っ張られたけど、普通に来週が楽しみだな~と思える引きなのも好印象。
鵺の陰陽師
第60話 代葉の成果
四衲は人質の救出に成功。ここで一旦鵺さんの元に戻ることで鵺さんに起きている異常事態に気が付く流れになっているのは上手いですね。
実際、思った以上に鵺陣営がピンチっぽいことで先週の助けが来るフラグが生きてきています。それにしても代葉のピンチがかなりヤバそうな感じなので不安になってきた。助けが来るタイミングによっては村編と似た感じの流れになるんでしょうか。
思った以上に敵の幻妖側の描写が多いんですが、これにどういう意図があるのかはあんまり読めていません。寝返りがあるってことではないと思うので、鵺さんやその周りの幻妖との違いを見せるのが目的なんだろうか……。そうだとすると、必要以上に敵陣営の好感度を上げてこないため読みやすくていいですね。
また、私の読解力不足によって今回の、ラストで代葉がどうなってしまったのかがよくわからなかったんですが、鵺さんが助けに来たって解釈でいいのか?これは……。
【読切】化け狐の執心
角田拓海
登場するキャラクター、特に動物がかわいい。動物のもふっとした質感が絵柄にあっているのも魅力を増しているところだと思うので、題材選びがよかったという感じがあります。
ストーリーとしては妖怪(化け狐って妖怪なのかわかんないけど)と人間の共存ってテーマで手堅くまとめていて、いい意味で王道を外していないのが好印象でした。化け狐がどうやって人間社会に溶け込んでいるか、という話もちゃんと挟んでいるのでこういう雰囲気で連載に繋げるのもありっぽそうなのも良かったです。
しかし、冷静になると人間社会に紛れ込んでいる狐が化け狐用に戸籍作ってくれる社会、ちょっと怖いな。
僕とロボコ
第195話 SFとロボコ
SFが好きなのでそれだけでテンションが上がってしまいました。うれしい。
SF時空のロボコを救うためにSF時空に移動するロボコ。アウェー空間でギャグが滑るのって見ていてつらい気持ちになりがちなんですが(そういうネタであることも含めて)、その辺りを上手く処理していて痛々しくない感じなのがよかったです。地味に高等技術では?と思うんですが、根本的に「相手側がロボコのことバカにする気がないから」というのが大きそうですね。シンプルにそれどころではないんだと思う。
また、急な平行世界ネタ!ではなく、「以前この世界のロボコが来たことある」というネタを拾った上での話というのがおもしろい。
願いのアストロ
第15話 出会い
最近加速度的におもしろくなってきていると思うんですが、それは多分和久井先生の得意な分野が「キャラクターとその掘り下げ」だからなのかな~という感じがします。今回の話はその辺が顕著でした。
ヒバルとテラスは同じ年頃で最初から仲が良く、特に掘り下げがないものだと思っていたので、そこにしっかりしたエピソードがあったことにいい意味で驚かされました。というか、テラスの立場って後々闇落ちか裏切りがありそうだな~、と思っていたので、今回のエピソードで「そうならなかった」理由が語られたのも良かったです(今後ないとは言い切れませんが)。今後作中の戦いってより命がけになってくると思うんですが、そのときにこのエピソードがないとテラスが「よくわかんないけど友だちに命賭けてて怖い」みたいになっちゃうので……。
実施を北海道に置き去りにして1人で帰ってこさせることになんの意味が!?とか、そういうのはありますが、「世剣はそういうもん!!!」で押し通ってくる世界観とキャラクター性も見事。この辺は合わない人もいると思うんですが、勢いがいいので私的にはありです。
悪祓士のキヨシくん
第5話 「ネハンとジャック=ジョー」
今回で主人公変わった!?と思ったら違いました(それはそう)。
三途川のキャラデザも大分主人公っぽいので(というか一昔前なら三途川が主人公でキヨシくんが話を進めるみたいなのもありだったのでは?と言うところまで書いて「それは妖怪バスター村上」だな……になった)、割とすっと入ってくる導入でした。
もしかして、ジャック=ジョーではなく三途川の方が魔王だったりする捻った展開になるのかもしれないと覚悟していたんですが、そこはストレートにジャック=ジョーが魔王っぽかったので三途川に申し訳ない気持ちになりました。
今回は三途川視点でキヨシくんを描いた回でしたが、キヨシくんのやっていることは今までと同じでも視点と相手が違うだけでこういう風に話にバリエーションが出るんだな~となんだか感心してしまいました。おもしろいですね。
また、個人的に今回出てきた悪祓士の人たちは悪魔どころか一般人にやしゃ危害を加えているように見えますが、そういうことしていい組織なんでしょうか。多分ダメだと思うので次回辺りに報いを受けそうな気がします。
ウィッチウォッチ
165 貼り付けた笑顔
ニコの魔法に魅せられた人間の暴走……、というテンプレート回ですが、テンプレートに乗った上でちゃんとおもしろいので上手いな~と思います。
そのままだとテンプレートすぎるため、久遠先生視点で隠れた戦いが平行して進んでいる構成がよかったです。それにしてもこの先生、過去の割にはのんびりしていて本編に食い込んでくる素振りがなかなかないですね。絶対に次にシリアス長編が来た場合のキーキャラだと思うんですが、現状モイちゃんたちにもその辺の事情がバレていないという……。
また、他の方の感想を読んで思ったんですが、宇都宮さんは「美」のシールで「美しくなっただけ」であって「モテるようになった」わけではないのに、周りの男子が宇都宮さんをチヤホヤしているのはやや闇を感じました。
夜桜さんちの大作戦
作戦236.再生
今回は順番通り(?)、辛三の開花春来回。嫌五の開花春来から、もしかして開花春来は開花と「逆」の能力が出るのかな?と思っていたんですが、本当にそれっぽくて興奮してしまいました。イーブイのブラッキー/エーフィ進化みたいでいいですね(もっと上手い例えがあったと思う)。
その上で、特に「破壊」の開花をあまり良く思っていなさそうだった辛三にとってはこっちの方が本領という感じもあって盛り上がりもすごい。
前回の説明的に旦の子どもたちは助からないのかも……、と思っていましたが、一がかりそうなところを見ると他の兄弟も助かるのかもしれないという希望が出てきたのでちょっとほっとしました。思ったよりはあっさり「大丈夫そう」が出てきちゃったな~という印象はあるんですが、それぞれの兄弟の見せ場や今後来る双子の活躍も考えると大きく尺を割くところではないのかも。
ここからまた別の兄弟へ……、と思ったんですが、もしかしたら一旦太陽と旦の方にに視点が戻りそうでもあるので、文字通り目を離せない展開になってきました。
キルアオ
page 63 The end of summer vacation
夏休みになにかやろう!!!という青春マンガは数あれど(アオのハコとか)、一度大人を経験した人間にとって学生の夏休みはが暇すぎる、という着眼点はめずらしかったですね。私も妙に説得力があるなと思ってしまいました(が、本来の読者層「少年」にとってどう映るのかは未知数)。大人になってから振り返ると夏休みってひとつの奇跡みたいだ。
とはいえ、自分が仕事をしていたら瑛里みたいな対応になるのもわかります。
感想は書きづらいんですが、なんか雰囲気とか含めていい回でした。「オッサンだから(中略)何か理由がないと(中略)気軽に『遊ぼー!』みたくならないんかー」は身にしみました。
超巡!超条先輩
第24話 お花屋巡査長
前回のホラー回よりも(ある意味)ホラーみが強いので笑ってしまった。
超巡って根はいい奴だから表面上のウザテンションを躱せるか、それすら好きだと思えるくらい強い感情を持てさえすれば普通に好かれるよなというのは常々思っていたんですが、今回はまさにそういう回でした。その辺は意識して描かれているキャラクターなんだろうな。
今回の恋愛イベントの何がいいって、花園さん側からは無茶な要求などをしているわけではなく、超巡が超能力を持っているが故に振り回されてしまうというところ。この辺のヘイト管理が沼先生らしかったです。キャラクターのヘイト管理としても、超能力のデメリットを描くという点においても(深刻になりすぎないのも上手い)とにかく上手い。
しかし、それはそれとしてこの短期間で「わざと思考を読ませる」をやってくる辺り花園さんは普通に頭がいい。しかし、マジで花園さんは超巡に危害を加える気どころか迷惑をかける気もないため、冷静になると超巡さえ良ければ避ける理由が特にない。
逃げ上手の若君
第166話 強運1338
史実は確定しているはずなのにこんなに先が読めなくておもしろいこと、あるんだ!?という気持ちが天井を知らない状態になっていく今日この頃。もしかしたら太平記自体がめちゃくちゃおもしろい可能性も十二分にありますが、それを差し引いてもやっぱりこのマンガは普通じゃないと感じます。上手く説明できないんですが、おそらくセオリーと違うプロセスを経て作られているんだろうなという気がします。
また、今回の足利尊氏VS北畠顕家戦ですが、中先代の乱以来の尊氏の「不気味さ」が発揮されていてぞっとしました。同時に、このぞっとするような神懸かりを見た瞬間に「あの北畠顕家ですら勝てない」というのが伝わってくるのがすさまじい。
読者すらそういう気持ちにさせる存在に対し、一切格を落とさない北畠顕家様も素晴らしく、次回……、次回を迎えたくない気持ちが強い回でした。
アンデッドアンラック
No.216 発現-expression-
おそらく冒頭のシーンで起こるはずだったタチアナの悲劇が今回のショーにずれ込んだという話だと思うんですが、ここに関しては特に説明がなかった……?ので、もうちょっと詳しく知りたかった気持ちがあります(ラトラに占わせたことで発現時期をずらしたのか?)。
ファッションショーのラストで発現する不接触と、それを押さえる他の否定能力のコマではクソデカフォントを視覚的に使っていてわかりやすく、迫力もあってよかったです。とはいえ、ここで否定能力の発動→阻止となるのはメタ的にも作中的にも想定通りなため、盛り上がりは次回以降になりそうな雰囲気。
否定能力が「一番嫌な時に発現する」という法則があるせいで逆に発現タイミングを予想できるというのは神的にはありなのか?というのはずっと思っているんですが、わざとズラしてこないところを見るとOKなのかもしれません(単にできないだけかも)。
極東ネクロマンス
第14話 喧嘩
ラスボスと主人公側に因縁があると回想シーンで語れることが多くていい、ということに初めて気が付きました(自分でも今さら気付く!?と思いました)。
また、この因縁が「女性を巡って……」というのはやや定番ではあるものの、定番だからこそわかりやすいというのはあります。一騎打ちに対する姿勢などは筋が通っているように見えて実のところあまりにも自分本位、というのが悪役としての魅力がある。
こういう使役もので「複数使役」について特殊な効果がある、というのはおもしろい設定なのでもうちょっと詳しく見てみたかった気持ちがあります。シシやチタリもそうですが、死霊の設定が結構細かく作り込んでありそうなのでもっと見たかった気持ちが強い。ただ、それはそれでやると説明回になってしまうので序盤に盛り込むのは難しいんだろうなというのも感じました。
ここからの展開として、薫も耀司もそれぞれ龍司と因縁があるため、父(または師)が負けた相手に改めて勝つ、というわかりやすい道筋が見えているのが少年マンガらしさを感じて個人的に好きです。また、このままだと薫(とシシ)の見せ場が少ないので、このあと選手交代しそうな雰囲気も感じる。
さいくるびより
12話 雨の日動物園
このままサイクを使わない回が続くのかもしれないと思っていたんですが、今回は普通に(?)サイク回でした。ただ、その使い方もやはり「日常生活の中にサイクがあったら?」という原則に則っていて、マジでこのマンガの初志貫徹ぶりはすごいなと思わされました。
この流れで拡大率・縮小率の計算や、米粒の大きさによる食感の変化に触れているその感性というか切り口というのは唯一無二のものだと思うので、なんかこう、大切にして欲しい。
個人的な話をすると、人間側が小さくなるパターンでは大抵結構怖い目にあうので、それがなかったのもかなりほっとできてよかったです。この辺は好みもありそう。
奇しくもラストシーンが先週のウィッチウォッチと被っていて笑ってしまいました。
妖怪バスター村上
第7話 接待
1週明けても普通に村上くんが死んでいたので、この時点で笑ってしまった。
サブタイトルがそのまますぎますが、今までは紅院が媚び、村上くんが突っ込むというバランスで進めていたストーリーを紅院の媚びだけでギャグへと昇華する、という変化がおもしろくてよかったです。展開が読めていてもおもしろかった。
そして、この状況は偶然の産物だと思っていたら、村上曰くこの行動を期待しての素直死だった、ということでそれを察していた紅院を込みで感心しました。一応(?)退魔師としての成長もしているのかもしれない。とはいえ、「一歩間違えたら死んでたのにようやるな」という狂いっぷりも健在で、そういうところが好きだな……、と思いました。
少年ジャンプ2024年36・37号 予告
次回は合併号、かつヒロアカ最終回。どの作品が巻頭をやるのかな~、と思っていたらSAKAMOTO DAYSでした。妥当な感じがします。
また、時々帰って来てくれるこち亀も掲載なのでめちゃくちゃ楽しみです。
2024年8月5日 発売
表紙 :-
巻頭カラー :SAKAMOTO DAYS
センターカラー :こちら葛飾区亀有公園前派出所
センターカラー :僕のヒーローアカデミア
センターカラー :カグラバチ