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6月24日-7月7日 | オズのかごバッグ展 vol.2

古くから世界中で作られてきた多種多様なかご。思いつくだけでも、白樺、柳、パイン、ラタン、ヘーゼル、胡桃、竹、籐、あけび…。どれもが土地の自然に根ざし、人々の暮らしや産業と密接に結びつきながら地域の文化を支えてきました。機械生産が難しいかごは昔も今も変わらずその多くを人の手によって生み出され、農業や漁業の道具として、あるいは生活の中でさまざまな形で使われ続けています。

胡桃樹皮や山葡萄の蔓、あけびの蔓で作られたかご

人の手では持ちきれないものを容易に持ち運べるよう人とともに進化してきたかごは、道具としての優れた機能性と手仕事の温かみを備えた、言わば私たちの古くからの相棒です。

今回ご紹介するのは、岩手・盛岡を拠点に胡桃や山葡萄の樹皮でかごやバッグ、小物のほか、山の草花でリースやスワッグなどを拵える「オズのかごバッグ」。二年前の夏にはじめて当店での展示を開催、今回で二度目のご紹介となります。

佐々木さんのかご作りは昔と同様、まず山に入ることからはじまります。東北の厳しい冬を乗り越えた胡桃の木や山葡萄のつるを切り、樹皮を剥がす。採取したばかりの樹皮は水分を含んで重く、傷つけぬよう険しい山を下りて持ち帰るのは神経を使う繊細な力仕事。(時には熊と出くわしそうになることも…)そこから乾燥や浸水、なめしやひご作りなど多くの工程を経て、ようやく籠を編みはじめることができます。

胡桃の樹皮の特徴はなんと言っても表面の「表皮」と裏面の「裏皮」の異なる色合い。二つを巧みに組み合わせ、太さや編み方を変化させることで幅広いデザインが生まれます。手で編むことによって意図せず生まれる曲線には手仕事の味わいと心地よさが。素朴で野趣あふれる実用的な民藝としての香りも纏いつつ、ファッションや暮らしのトレンドを取り入れたカジュアルな佇まいは季節を問わずどんな空間にもすっと馴染み、使う人の手によって時間とともに艶と色の深みを増していく一生ものです。

色の濃い「裏皮」と薄い「表皮」
二つを巧みに組み合わせることで、豊かな表情に。

今回は夏のお出かけにぴったりのかごバッグや、暮らしに取り入れやすいサイズのかごなど豊富にご用意していただいています。前回も人気だったかごバッグ型のの小さなブローチも。東北の山の恵みから生まれたかご、それぞれのデザインと持ち味をぜひ楽しんでください。

前回のご紹介はこちら。


オズのかごバッグ(SELECT SHOP OZ)

岩手県盛岡市を拠点に、胡桃樹皮や山葡萄ので編まれた籠バッグや小物を樹皮採取から製作、販売まで一貫して行うほか、古布のリメイクやドライフラワーアレンジメント、染めものなど様々なハンドメイド作品を展開。

・HP:https://ozandmade.shop
・Instagram : @select_shop_oz_annex

オズのかごバッグ展 vol.2
2023年6月24日-7月7日(※最終日は14時まで)
恵文社一乗寺店 生活館ミニギャラリー

(担当:岡本)

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