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地方のまちづくり的に、高校生のスタディツアーを受け入れる意味

6月8日(水)から11日(土)まで、新渡戸文化高校の高校生7名がスタディツアーで都農町に。

まちづくりホステルALAを拠点に、3泊4日のプログラム。

過疎化、40%近い高齢化、町唯一の高校が廃校になった町にとって、東京の高校生をスタディツアーで受け入れる意味を考えました。

いままでの修学旅行の一種として考えてしまうと、宿泊・飲食・土産の3点セットで「経済効果は?」的な話で終わってしまいがち。

地元にとって、それはそれで大事なのですが、町にとっては高校生のころから、町・人のことを好きになってもらいファンになってもらうほうがもっと大事。

地方の自治体がやりがちなこととして、いきなりアンテナショップを出したり、ECサイトつくったりしがちですが、知名度もファンもいない東京に出してもほぼ無駄に終わりがち。

少しずつでも、10代の頃から都農町のころを知ってもらい、応援してもらうほうが、時間はかかるかもしれませんが、将来的な関係人口にもつながり意味があります。

そんなことを思いながら、まちづくりホステルALAとして、高校生・大学生のスタディツアーを積極的に企画・誘致を進めています。

1.新渡戸文化高校のスタディツアー

新渡戸文化高校では、従来の修学旅行のスタイルを一新。高校生たちが自立型学習者として、自分たちのやりたいことを、行きたい場所を自分たちで選ぶスタイル。

メディアからも注目!

新渡戸文化高校では、「クロスカリキュラム」という教科横断型の授業を設けており、高校1・2年合同で週1回、丸1日を使って日頃の学びと社会課題を結び付けた探究活動を行っており、スタディツアーもその一環だという。「旅する学校」はまず、生徒から「旅先で何を学びたいのか」「地方のどんな社会課題に関心があるのか」などの意見を聞くことからスタートする。「生徒はコースごとに旅のテーマを出し合います。例えば探究進学コースでは、過疎化、地方創生、1次産業の衰退、医療、循環型社会などのキーワードが挙がりました。それらの声を教員が拾い、適合する地域や場所、訪問する事業者などを、学校のネットワークなども使いながら探し、候補を挙げます。さらに生徒と希望とすり合わせて、訪問地や学習内容を決めていきました

読売新聞オンライン

今回のスタディツアーは、ぼくが10月に東京へ出張した際、平岩理事長や山藤副校長に会いに行った際、話題に出たのがきっかけでした。

その後、素早く山藤副校長以下4名の先生が年末に都農町へ来てくださり、町の様子や人に会ってもらい、都農中学校での授業参観や校長とも話し、企画が加速!

そして連休明けには参加者が決定!
決まるときはこういう速度ですね!
まさにイツノマに。

2.人に会う旅

事前に高校生たちとはオンラインで顔合わせと打合せ。

ツアーの趣旨が「自分がやりたいこと」だから、高校生たち主体で。
とはいえ、行ったこともない都農町で何ができるかは未知数。
こちらは、会えそうな人や、体験できそうなことをピックアップ。

建築やデザイン、古民家再生に興味ある高校生が多かったので、オンラインで空き家を紹介したり。

何回かやり取りしながら、大枠を決めました。
余白たっぷりに、細かくは高校生たちが来てから、って感じで。

とはいえ、「都農町の人に会う」という軸ははっきりとしていたのでやりやすかったです。

これは、都農町にとってもプラスだと思います。

なぜなら、ぼくが思うに都農町の最大の財産は「人」。
自然や料理、観光地は見た目で判断されやすく、他の町でもいい気がするけれども、「人」については会って話してみないとわからないので。
町の魅力を伝えやすいかな〜と思いました。

3.小学生と会う

左から4人が高1、真ん中の3人が都農町の小5、右の2人が高1、一番右が高2

高校生たちが都農町に来てはじめて会ったのは、都農町の小学5年生の親子

昨年度、選抜メンバーとして、ぼくらと一緒に「ゼロカーボンU-18議会」で町にゼロカーボンの施策提言をした3名です。

お互いの自己紹介をしながら、おもに高校生から質問

印象的だったのは、東京の高校生たちは、隣に住んでる人とほぼ付き合いがない、もしくは知らない
一方で都農町の小学生たちは、隣どころか近所の人はほぼ知っていて、親じゃない人からも日常的に注意受けたりいろいろ言われる

世田谷区の人口がほぼ宮崎県全体と同じぐらいだったり。
文京区と都農町で人口密度が200倍違ったり

高校生から、なぜゼロカーボンU-18議会の活動をしたのか、という問いに対して、小学生が「町をよりよくしたい、もっと住みやすくしたいから」と即答。

このあたりが一番の違いかなと。

東京にいると大きすぎて、自分の区をよくしようと思うきっかけはないものです。

4.経営者と会う

小学生との対談を終えて、夜は都農町の経営者6名との交流会
日ごろから、都農町のコワーキングスペースYARD1927に集うメンバーが、忙しい合間をぬって、東京の高校生と会うのを楽しみに参集。

山本さんが役場をやめて起業した話は、高校生たちにもとても印象的だったらしく、帰ってきてから「もう一度会いたい!」とリクエスト。
翌日のBBQに山本さんが来てくれて盛り上がりました。

建築や古民家再生に興味のあった高校生たちが多かったので、建設会社、河北の河野幸治社長にももう一度会いたい!と

南国CBF河野当将社長からは、南国プリンを!
高校生たちが、この日一番の盛り上がりを見せました。

1万人の町の経営者って、東京に住んでると、なかなか会えない人たちだと思います。ぼくもそうでした。

東京の経営者と違い、とても小さな町なので、経営をしていくのは大変ですが、みんなが知り合いという安心感と、仲間を大切にするところが、高校生たちにも伝わってるといいなぁ。

5.高齢者と会う

都農町では、昨年から「デジタル・フレンドリー」事業で、高齢者にタブレットを配布。
定期的に若い人たちで自治会を巡回しタブレットの操作方法を伝えています。

3日目に高校生が高齢者の人たちと一緒にタブレットを使ってきました。

集まった高齢者のみなさんも、まさか東京の高校生と会えて教えてもらえるとは思ってなかったので、とても盛り上がりました。
まさにWin-Win!

梅農家さんをはじめ、都農町の生産者にも会うこともできました。

6.若者と会う

最終日の夜は、ぼくらオジサンどころか30歳以上は退場
ということで、大人たちは居酒屋で。

ALAでは、都農町の若者たちとU-29豚しゃぶパーティーで盛り上がりました。

いまイツノマで町の「夢未来応援事業」で支援している高校生や、都農高校の卒業生、Uターン起業や独立した若者たちが集まってくれました。

7.町にとっての意味

  • 高校生たちが体験をしている間、引率いただいた山藤副校長、芥先生を、都農町の町長、教育長にご紹介。

一昨年に、残念ながら都農高校が廃校になってしまった都農町だけに、町長、教育長からは、なんとしても高校生たちに関わってほしいという思いが伝わりました。

ぼくらイツノマで昨年から都農町の小・中学校で「まちづくり教育」をはじめていますが、高校がないだけに中学校を卒業して途絶えてしまうのが現状の課題です。

新渡戸文化高校で企画・推進している「旅する学校」に、都農町がより積極的に関わっていくことで、東京や他の地域の高校生と、都農町の高校生が交流できる機会が増えればいいよね!と大変盛り上がりました。

他の町とも連携協定を結んでいるとの話。
都農町でも、町として何か継続的な関わりに発展できるといいですよね。

町長の「鉄は熱いうちに打て!」という檄もとびましたので、早速、都農町の教育委員会で新渡戸文化高校の、時間割のない水曜日(クロスカリキュラム)の授業視察からかなと思ってます。


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