見出し画像

地方創生から全国創生に、多拠点生活サービスのADDressと地方のまちづくりシナジー

#全国創生 をスローガンに、全国270拠点、どこでも住み放題のサービスを提供するADDress佐別当社長がつの未来会議の登壇で都農町に。


6月9日(金)開催、つの未来会議第16回

きっかけは、ぼくらが都農町で経営する HOSTEL ALA。2021年に開業し、ADDressと提携。観光地でも出張地でもない1万人の町に、はたして流行りのリモートワーカー、アドレスホッパーなんて来るんだろうか?という不安。

ADDressホームページ|都農A邸紹介ページ

はじめてみたら、契約ルームの稼働は平均して8割前後。ほぼ毎日、ADDress会員が利用。

一般のゲストと違って、都農町で普通に仕事して、地元のスーパーで買い物して自炊、ぼくらの草刈り手伝ってくれたり、一緒にBBQしたり。

ADDress会員さんたちとBBQ!

ぼくらが運営する中学生の地域クラブ「まちづくり部」で、カメラマンの会員さんが中学生に写真撮影のレクチャーしてくれることも。

ADDress会員のカメラマン×都農町の中学生

これからの地方の町にとって重要な、関係人口予備軍になってます。

いつもは都農町民を対象にしている「つの未来会議」ですが、今回は、宮崎県内に4件しかないADDress拠点を増やすためにも、県内3市5町(宮崎市・都城市・西都市・三股町・高鍋町・新富町・川南町・木城町)の自治体担当者や家守希望者の方々にお集まりいただきました

1.ADDress創業の経緯

佐別当さんはIT企業出身。
不動産や旅行業界的発想ではなく、IT企業ならではのビジネスモデルの作り方でADDressを考えられたそうです。

ではなぜ、空き家や地方をテーマに起業したのでしょうか?

2013年、東京の自宅をシェアハウスにして、民泊をやっていたんです。自宅にいろんな人が来てくれて家族が増えたような感じで楽しかった。
結婚しない人やLGBT、外国人をはじめ、いろんな人との暮らしを全国に広げていきたいなと思うようになり、シェアリングエコノミー協会をつくったんです。

シェアサービスのニーズをたくさん聞いたのが人口減少している地方だったそうです。

地方の空き家を活用して、都会から地方へ、移住までいかないけど二拠点で生活したい人マッチングすることを考えました。人口が減ってるところはど空き家が多く、一方で、テレワークやリモートワークがひろがっていくのは間違いないと確信し、2018年にADDressを立ち上げました

人口減少が前提の日本で、各地域で人口を奪い合うよりも「人口をシェア」するという考え方はものすごく合理的だなと思いました。

2.ADDressのサービス紹介

ADDressのサービスは全国にある270件の多拠点生活プラットフォーム。スマホやPCで簡単に予約できて手続きはオンラインで完結します。

佐別当さんに、ADDress会員のニーズを聞きました。

①ワーケーション
②人との交流
③移住先探し
④週末別荘

受け入れる地域のニーズはどうかというと

①空き家、空き部屋の有効活用
②都市部から人を呼び込みたい
③新しい仕事を生み出したい

ADDressの特徴は、家を守る家守(やもり)の存在。

地域とのつながりや地元の人との交流をサポート。知名度が低くても家守が面白いので来たというケースも多いようです。

ぼくら「都農A邸」の家守はイツノマ新卒の吉良倫太郎くんがつとめてます!

佐別当さんから、家守の重要性について

今日、ぼくは都農町に初めて来ました聞いたことなかったし、読み方すらわからない
会員の人はみんなそんな感じ。ADDressの中でどこにいこうか検索、普通の旅行なら京都や沖縄など、行き先に目的はあるんですが、ADDressは目的をもたずに来る、行ってから考えようみたいな人が多いんです。
で、行ってみたらめちゃくちゃ面白いとクチコミで広がります。それだけ、滞在中の主な交流相手となる家守の存在は大きいんです。

3.ADDress会員の特徴

佐別当さんから、最近、東京で生まれ育った人が増え田舎がないため、サザエさんのように縁側のあるくらしや、地域を散歩するだけで満足する人が増えている、という話がありました。

地域の人からすれば当たり前の日常がコンテンツになる

観光客向けに作られた建物や観光地は求められなくなっていくのではないでしょうか

ADDress会員の特徴

・20代から40代で7割以上
・ただし50代、60代、70代もいるので多世代に分散
男性:女性=60:40
・未婚:既婚=60:40
・職業は会社員が40%でトップ。(フリーランスは2位)
・リクルートや電通、ヤフーとか都会の業界トップ企業がフルリモート、年収も高く、月に1万から利用できる
・主婦が週末別居とか、学生会員もいる。
・最近では家族で使う人も。

4.スローガンは全国創生



ぼくらのHOSTEL ALAADDressと契約しているのは2部屋
稼働率が高いといっても、多くて月に数十人の利用。

佐別当さんとしては、お金を落とすいわゆる観光客を増やすより、地域で生産活動をする人を増やしたいと考えています。

地元の人と話してると、お祭りや花火大会に何万人も来るけど、ゴミが増えてさほどお金を落とさない日帰り観光客より、祭りを手伝ってくれるとか、お店を出してくれる人が1人、2人きたほうが全然嬉しい、と聞きます。
消費より生産活動する人を連れていきたいと思ってます。

ADDressが目指していること

都会中心の中央集権的な社会システム、都会に人が吸い上げられていく構造を変えていき、人と地域の魅力をもっと伝えていける分散型社会

都会が「主」、地域が「従」ではなく、どこにでも家族がいて、友達がいて、どこでも仕事ができる

どこかで大雨や洪水、台風などがあっても違うところに友達や家守がいれば、移動ができないとき、自分の部屋を提供したり。助け合える関係性をつくっていく

スローガンは地方創生より全国創生
地方だけでなく、都会の課題も同時に解決するので全国同時

5.社会的インパクト

ADDressの経営戦略について話が続きました。

いま、JRをはじめ投資家から10億円以上の出資を受けていますが、売上利益を追求するのは地方にはマッチしないと考えています。空き家の活用や家守探しは大変だし、シェアハウスで交流をすればトラブルも起こりやすいなど、面倒臭いことをたくさんやってます。そうすることが地域の信頼を得られるからであり、人とのつながりを都会から来た人も享受しやすいんです。

佐別当さんは、社会に貢献するために出資する投資家を集め、売上利益のかわりに、社会的インパクトをどれだけ起こせたかを投資のリターン指標と位置づけ、毎年、「社会的インパクトレポート」をつくって無償公開しています。

関係人口
・二回以上リピート61.2%
・地域の生産活動した人:13.7
つながり
移住先を探す人は入会時点では10%ぐらい。
入会後にアンケートとると4倍ぐらいに増える
幸福度
生活の満足度が上がった人87%

6.Hub and Spoke

佐別当さんから、地域としての戦略について話がありました。

地域に1拠点しかないと、そこで予約とれないとわざわざは行きにくいでしよね。一例ですが、佐渡島にはADDressが4件あるんです。島に2箇所、3箇所あるとぐるぐる回れて滞在をより楽しめます。沖縄も10件以上あるので、冬の間は沖縄だけで生活する人もいます。家守が何人もいるので、地元の人とのつながりも増えます

「宮崎県に4箇所しかないのはもったいないです!」と佐別当さん。

宮崎の拠点が増えれば、宮崎に来る人も増えるし交流機会も増える家守さん同士の交流も増えれば、宮崎県内での助け合いやつながりが増え、会員もホッピングしやすくなります

7.地域との交流アイデア

会場の方々に、受け入れる地域の側として、ADDress会員とどんな交流をしたらいいか提案を募りました。

嬉しいことに、ほぼ出席者全員、41名の提案をいただきました!!

ADDress青島A邸(青島アパートメント)の家守、宮木さん
宮崎県庁の湯地さん


都農町観光協会の三島さん

主なアイデア

❶夏祭りの神輿・太鼓台の担ぎ手
❷お茶会(地元のお菓子や飲み物持ち寄り)
❸子どもたちとのしゃべり場
❹分校への体験入学
❺中学生がつくる朝ごはん会
❻ADDress会員が店員になれるスナック
❼町内事業所でのプチ職業体験
❽漁港で仕分けと加工体験
❾コミュニティバス乗り合い座談会
➓ヴェロスクロノスとサッカー練習  (↑都農町のプロサッカークラブ)

ADDressを積極的に活用して、地域の人たちにとっても新しい気づきや学びを得られ、自治体としても、移住手前の関係人口創出に、町単位ではなく県単位で誘致していくことが必要なのだと思いました。

ADDressの佐別当さん、後藤さん、たらぎ財団の栃原さん、貴重なお話をありがとうございました!!

宮崎県のみなさま、ADDress拠点を増やしていきましょう!

ADDress×中学生







いいなと思ったら応援しよう!